TOP グルメ 無限ループ! 何度も、何個でも食べたくなる、バランスを極めた【黒豆大福】

無限ループ! 何度も、何個でも食べたくなる、バランスを極めた【黒豆大福】

2023.12.13

本日の一品 > まるに抱き柏「黒豆大福」(京都・西院)

和菓子のパッケージデザインも手がけているグラフィックデザイナーのサノワタルさん。日頃から“好き”と勉強も兼ねて、口にするあまいもんは数知れず。そんなサノさんが、最近、一番のお気に入りというのが、西院にある気鋭の和菓子職人の店。中でも、大粒の丹波の黒豆が目を引く大福は、店頭で見つけると、吸い寄せられるように買ってしまう大好物だそうです。

【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解、ハズレなしのおいしさです。

「何度も、何個でも食べたくなる黒豆大福」(サノさん)

まるに抱き柏 の「黒豆大福」

一日に100個は出るという「黒豆大福」 290円。

「ふっくらと炊かれたやさしい甘さの丹波の黒豆と上品な甘さのこし餡。それを、もっちりとした羽二重餅が包んでいて、いつも、そのバランスの良さに感服します。何度も食べたくなる味、そして、何個でも食べたくなる大きさの黒豆大福です」(サノさん)

京菓子の老舗「老松」「亀屋良長」で上生菓子を、「出町ふたば」で朝生菓子を学んだ西森敬祐さんが、2021年に構えた日常使いできる和菓子店の看板菓子。「もち米の粒をつき切ることができるので、なめらかさやコシが違う」と、滋賀の羽二重もち米(滋賀羽二重糯)は、なんと石臼でついている。そこに赤えんどうではなく、大粒の丹波産の黒豆を混ぜ、小豆の風味を生かして炊いたこし餡を包み、凛々しい大福に仕上げています。

サノさんの言葉どおり、潔いほどシンプルな店内に、ひっそりと置かれたショーケース。新しい店ながら、どこかレトロな雰囲気。

「凛とした空気が感じられるシンプルな内装、“シンプル・イズ・ベスト”を意識させてくれるクラフト紙のパッケージ。デザイナー目線で見ても好感が持てる店で、真っ赤な暖簾を見ると、くぐりたくなります」(サノワタルさん)

黒豆大福のほか、どら焼き、きんつばなど、おやつにぴったりの、気取らない菓子が10種ほど並ぶ中、季節の上生菓子も。お団子やお饅頭も、いつも同じではなく、季節によって、どんどん衣替えしていくので、足繁く通いたくなります。

編集部の「これも食べたい!」

あぶり団子

白味噌を使った「あぶり団子」170円。お団子は時季により味が変わる。

“おっ、白味噌のお団子だ!”と思わず飛びついたあぶり団子。文字どおり、炙ったやわらかなお団子を、京都・石野の白味噌をベースにしたタレにくぐらせています。実は、つい最近、サノさんも食べたそうで、「お団子につけた焼き目の香ばしさと、白味噌のたれの甘じょっぱさが重なって、かなり好みの味。おやつにも、おみやにも、レギュラー入り確定です」だそう! 醤油味のみたらしに続いて登場した、寒い時季のお団子です。

教えてくれた人サノワタル/Wataru Sano

大阪生まれで京都在住。大学時代を過ごした京都にて「株式会社サノワタルデザイン事務所」を設立。グラフィックデザインを軸に、内装デザイン・ウェブデザイン・パッケージデザイン、ブックデザインなど、様々な領域のデザインや企画を手掛けている。

DATA

まるに抱き柏
京都府京都市右京区西院平町21
TEL:075-748-9650
営業時間:9:00~18:00
定休日:火、ほか不定休あり
https://www.instagram.com/maruni_dakigashiwa/

\from Editor/
取材にお邪魔すると、西森さんはちょうど石臼の餅つき機で、餅つきの真っ最中。重い杵がドスンドスンと落ちてきて、見ているこちらはちょっとハラハラ。でも、西森さんは慣れたもの。手早くリズミカルについていきます。黒豆大福の、ちょっと厚めのお餅のおいしさの秘密を垣間見た気がしました。
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