
【神戸】本との新しい距離感が見つかる“過ごしたくなる書店”で気持ちをリセット
まだまだ暑い日が続いているからこそ、少しずつ感じる秋の気配がうれしい季節。
人それぞれに“〇〇の秋”はあるけれど、自分のためだけに使いたい、ちょっと贅沢なごほうび秋時間をご提案します。
書店にある“本を手に取る瞬間”と、カフェで楽しむ“本を読む時間”を同じ空間で体験できたなら……なんて願いを叶えてくれる「書店カフェ」を神戸で発見! 本を買うためにおでかけする場所ではなく、“過ごせる書店”として、本好き・カフェ好きからも大好評です。個人店ならではのこだわり選書が光り、夜にもオープンしている2軒をご紹介します。
【sobi】本を読まない人も入りやすい書店へ

JR鷹取駅と山陽東須磨駅のちょうど中間あたり、幹線道路沿いの一角にある小さな看板には「Books」と「Coffee」の文字。2024年10月にオープンした「Sobi coffee and books(ソビ コーヒー アンド ブックス)」は、コーヒーが飲める街の本屋さんです。

「一般的に、書店に足を運ぶのは本を読む人だけですが、コーヒー屋さんならどんな人でも利用しやすいですよね」と店主が語るように、書店にコーヒーショップを併設することで、たくさんの人と本が接点を持てる場所づくりを目指しているそう。

取り扱う書籍はすべて店主のセレクトによるもの。「ふだん本を読まない人でも、思わず手に取りたくなる本」をテーマに、①装丁、②タイトル、③内容を意識して選定しているそうです。たしかに壁に並んだ本たちは美しい様子のものも多いうえ、紙質にこだわっていたり、文章のフォントやカラーが変わっていたりと、中をぱらぱらとめくって2度楽しめるものがたくさんあります。

「Sobi」で本を購入すると、1冊ごとに1ポイントがもらえ、5ポイント貯まるとコーヒーが無料になるサービスもうれしい心遣い。こういったサービスにも「本をもっと手に取ってほしい」という店主の想いがこもっています。


少部数出版の書籍や独立系出版社が手掛ける本など、大手書店などではなかなか手に入らない本も店頭で見かけます。例えば、写真左の『生活と音楽 三田村管打団?』はレコードがセットになっており、写真右の『ドゥーリアの舟』は、付属する大きなカードが目次になっています。
遊び心をくすぐる本をぜひ見つけてみてください!


店主はコーヒー業界出身なので、コーヒーへのこだわりも十分。注文があってから挽く豆は、熊本や広島など日本各地をはじめ、台湾の焙煎所からも取り寄せており、浅煎りや深煎り、デカフェなど、その日の気分に合わせて選べます。
また、ドリッパーもユニークなものをチョイス。よくカフェなどで見かける、粉にお湯を注いですぐに成分を抽出する方法ではなく、お湯を注いでからふたをして漬け込んで成分を抽出することで、より香り高くすっきりとしたコーヒーが完成するそう。

イートインスペースでは、書店スペースで買った本やおうちから持ってきた本を読んだり、コーヒーとスイーツを味わったり、自由な時間が過ごせます。
2種あるスイーツからは、もっとも分厚いアイシングにこだわってセレクトした「レモンケーキ」をご紹介。かなりどっしりと食べ応えのあるレモンケーキは、砂糖の甘み、レモンの酸味がしっかり感じられます。コーヒーとの相性も抜群なので、ぜひご賞味ください。

本を買って店内で読んだり、コーヒーをテイクアウトして近所の公園で読書を楽しんだり、夜にはアルコールを片手にページをめくる。“本×コーヒー”をさまざまなスタイルで楽しむ拠点として、何度も足を運びたくなりました。

Sobi coffee and books(ソビ コーヒー アンド ブックス)
兵庫県神戸市須磨区太田町7-3-2
営業時間:12:00~21:00、第1日曜13:00~17:00
定休日:日・月・火曜
https://www.instagram.com/sobi.suma/
【upi】想いを乗せた本やレコード・雑貨がずらり


神戸・元町のすぐ西側。阪急花隈駅からほど近い場所にある「ナカハラマンション」は、レトロな趣ながら、予約の取れない中華料理店や行列のできるスイーツ専門店などが入居する注目スポットです。
今回訪れたのは、細い階段を上った先にある402号室。本やレコード、雑貨などを幅広く取り扱うインディペンデント・カルチャーショップ「upi」がひっそりと営業しています。

こちらのお店は“消費されるものではなく、想いがこもったものを届けたい”と、さまざまな“好き”を抱えた4人が集まってオープンしたそう。出迎えてくれた河口さんも、そのひとり。元国語教師の経歴を持ち、「upi」で取り扱う本の選書やイベントの企画などを担当されています。

最初にお店に並べたのは、河口さん自身が好きな詩や短歌、発酵の本。そこから、神戸の街を象徴するような食やジャズ、音楽の本など、日常をちょっと丁寧に、ちょっと楽しく、ちょっとポジティブに過ごせるようなラインナップが増えていきました。
さらに書籍の間には、カードやアクセサリーなどの雑貨類がところ狭しと並びます。どれも想いがこもった“クセ強”なものばかり。ひとつも見落とさないよう、じっくり眺めてみてください。

書籍の選書者は河口さんを含めて2人。だからこそ、店頭に並ぶ本の方向性がバラバラで面白い!
今回河口さんが手に取ったのは『あなたのための短歌集』。現代短歌の巨匠・木下龍也氏が、読者のお題をテーマに詠んだ100の短歌が収録されています。河口さんが「言葉のお守り」と称した、言葉の一つひとつや、想像をかき立てるストーリーを堪能してみて。

窓際のカウンターでは、専門店で修業経験のある河口さんが独自にブレンドしたチャイを提供してくれます。チャイのフレーバーは、写真の「マサラ」「カルダモン」に加え、「ラベンダー」と「ミント」を加えた全4種。スパイスの味わいはしっかり感じながらもやさしい後味に、チャイ好きも、チャイ初心者の方もトリコになるはず。

販売している書籍は購入しないとカフェスペースで読むことはできませんが、持参した本はもちろん、カフェスペースで自由に読める本も多数スタンバイ。
こちらのお店は不定営業ですが、最近は夜から深夜にかけて“夜の書店カフェ”としてオープンしていることも多いそう。「眠る前に本に触れる文化的な時間を過ごすなんて、素敵な一日の終わり方だと思いませんか?」と河口さんは話してくれました。

窓から見える風景も人気の秘密。目の前にJRの高架橋があり、常に電車が行きかっています。日常の象徴とも言える“電車”を眺めながらチャイを飲み、本を読む。そんなひとときが、「upi」での非日常感を高めてくれました。

upi(ウピ)
兵庫県神戸市中央区北長狭通7-1-27 ナカハラマンション4F
営業時間・定休日:不定 ※インスタグラムのストーリーズ&ハイライトで告知
https://www.instagram.com/upi_bookshop/
※スタッフ不在の日も、隣接の「cafe L’Arche(ラルシュ)」より入店・購入が可能です。
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※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
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