TOP グルメ 手土産にも最高! 大阪“最強のあんこ菓子”が味わえる、江戸から続く北浜の老舗【大阪・北浜】

手土産にも最高! 大阪“最強のあんこ菓子”が味わえる、江戸から続く北浜の老舗【大阪・北浜】

2024.02.21

本日の一品 > 菊壽堂義信の「高麗餅」(大阪・北浜)

大阪在住で、甘辛問わず、大阪のうまいもんに詳しい編集者&ライターの高田 強さん。最強のおやつに推してくれたのは、地元屈指の老舗の名物。江戸時代から続く上生菓子店から戦後に誕生した、5種のあんが楽しめる高麗餅でした。

【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。

「素朴さと華やかさが同居する大阪最強のあんこ菓子」(高田さん)

菊壽堂義信「高麗餅」

「高麗餅」5個入り 800円。同じ価格で店内でも楽しむことができます。贔屓にしていたという八代目の松本幸四郎さんが、屋号の高麗屋と店がある高麗橋をかけて命名したそう。

「むっちりやわらかな求肥餅を、あんで包んだ菓子。粒、こし、白、抹茶、胡麻という5種のあんは、素朴な中にも華やかさが感じられ、自分用のおやつにも、手土産にも最強。商人の街、大阪・北浜で商家の人々に長年愛されてきた和菓子店の名物です」(高田さん)

角がピンと立ったユニークな形が、名物誕生の経緯を物語ります。江戸時代後期から代々続く「菊壽堂義信」は、茶席の菓子を作る上生菓子店。客が注文した菓子ができるまでの間に、さっと出せるものをと、15代目店主が考案したといいます。

奥にあるのは、梅干しをかたどった羊羹生地の銘菓、梅干し。

小さな求肥餅をあんで包んだら、指の腹で押すだけで完成する。手早さが身上だから、この形なのです。丹波大納言小豆で作る粒あんと、備中白小豆で作るこしあんと白あん、抹茶あんと胡麻あんの5種が1セット。粒あんはみずみずしく、こしあんはしっとりとしていて、いずれもそのさわやかさに驚きます。

編集部の「これも食べたい!」

ぜんざい

イートイン限定の「ぜんざい」750円

高麗餅のあんがこれだけおいしいのだから、間違いない!とオーダーしたのが、ぜんざい。関東でいうところのおしるこです。すっきりとした甘さで、ふっくらと炊かれた小豆の風味がしっかり伝わってきます。

店内には、義太夫節の太夫で、人間国宝の山城少掾直筆の額が飾られています。

通年で楽しめる高麗餅のほか、冬はこのぜんざいとおしるこ、夏には氷しることかき氷が登場します。季節の上生菓子はテイクアウトのほか、店内で抹茶と一緒に楽しむことができます。

教えてくれた人高田 強/Tsuyoshi Takata

大阪在住の編集者&ライター。大阪・天神橋を拠点にweb、雑誌、書籍などの編集や取材を担当。特に食関連に強く、カンテレ「よ~いドン!」やMBS「水野真紀の魔法のレストラン」など、テレビ番組のグルメコーナーにコメント出演することも多い。

DATA

菊壽堂義信(きくじゅどうよしのぶ)
大阪府大阪市中央区高麗橋2-3-1
TEL.06-6231-3814
営業時間:10:00~16:30(売り切れ次第終了)、喫茶11:00~16:00
定休日:土日祝
https://www.instagram.com/kikujudo_osaka/

\from Editor/
いつか行ってみたいと思っていたその店は、ビジネス街の一角に、のれんも看板もなく、ひっそりとありました。でも、引き戸がガラガラと開く音はひっきりなし。茶席の菓子を作る上生菓子店なのに気取ったところはいっさいありません。18代目の久保哲也さんの応対も気持ちよく、くつろいで、念願の高麗餅とぜんざいを口にすることができました。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。


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