【自転しながら公転する】30歳独身のヒロインが直面するリアルな現実、そして幸せ　主演・松本穂香さんインタビュー

松本

原作、脚本を読ませていただいて、30歳の女性の結婚や出産などのリアルで身近な悩みが真正面から描かれている作品だなと感じました。

松本

都の年齢は、私より少し上になるのですが、その世代の人たちが抱える悩みや葛藤がまっすぐに描かれています。ハッピーなテーマではないですが、見終わったときには、ふっと気持ちが軽くなるドラマになっていると思います。

松本

都には大人になりきれていない、子供みたいな部分があるのかなって……。周りについていけないとか、そういう焦りみたいなものは、演じるときにも考えていました。そして監督からの演出で「とにかくずっと思い悩んでいる人だから」という、落ち着かないでほしいみたいな言葉をいただいたので、そこも意識していました。

松本

都が高校時代の仲間と話している場面がたくさん出てくるんですけど、周りから出産とか考えないといけないんだよって急かされて焦っているだけで、自分自身の焦りより、世間体や普通みたいなものに焦らされているのかなと感じました。実際、そういう方は多いんじゃないかと思います。

私自身は26歳で、地元に結婚・出産している友達もいますが、主人公の都より少し下の世代。共感というよりは、一足先に不安や悩みを体験させてもらったような感覚です。

松本

スケジュールはタイトでしたが、その分ぎゅっと作品の中に入り込めたので、逆にありがたかったです。相手役の藤原季節さんとは何度か共演させていただいていて信頼関係もあったので、すごく充実した撮影期間でした。

松本

まっすぐな方です。ここが勝負時だ、このシーンが大事というシーンの前には、空気が変わります。そして撮影が終わったら「ちょっとピリピリしちゃってごめんなさい」って声をかけてくれたり、すごく人間らしい温かみのある方ですね。

松本

周りのメイクさんだったり、衣装さんがずっと笑って盛り上げてくれたんです。あと、カメラマンさんもすごく穏やかな声で、「じゃあ、行くよ～」って（笑）。どんどん撮っていかなきゃいけない現場でしたが、ピリついた人が1人もいなかったので楽しかったです。

松本

背負ってるものを降ろしてもいいんだなって、少しでも思ってもらえる作品になっていればいいなと思います。

都が自分と重なる方も多いと思うので、自分と照らし合わせて、格好悪くても恥ずかしくても別にいい、やめてもいい、そういう選択肢が広がるきっかけになればうれしいですね。