すず・ベルとは奈良の靴屋さんで出会った…!?「竜とそばかすの姫」細田守監督にインタビュー
最新作『竜とそばかすの姫』が『第74回カンヌ国際映画祭』の『カンヌ・プルミエール』部門に日本映画として唯一選出され、日本のみならず世界からも注目されるアニメーション映画監督・細田守さん。
今回annaは、そんな話題の映画『竜とそばかすの姫』を生み出した細田守監督をインタビュー! 映画制作秘話や、関西にまつわるエピソードを教えていただきました。
■「竜とそばかすの姫」あらすじ
物語の主人公は、高知県の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すず。
すずは、幼い頃に母を事故で亡くしたことがきっかけで、大好きだった歌うことができなくなってしまい、いつしか現実の世界にも心を閉ざすようになってしまう。
そんなある日、すずは全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U(ユー)>と出会う。<U>では、<As(アズ)>と呼ばれる自分の分身を作り、もうひとつの現実を生きることができる。
すずは、もうひとりの自分“ベル”としてなら自然と歌が歌えた。その歌声はあっという間に話題となり、ベル(すず)は<U>の世界で歌姫として世界中の人気者になっていく。
そんなベルのもとに、<U>の世界で恐れられる謎の存在“竜”が現れる。乱暴で傲慢な竜の抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまたベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていき……。
■「竜とそばかすの姫」の舞台は神戸になっていた可能性も!?
―『カンヌ国際映画祭』では、14分にもおよぶスタンディングオベーションが話題となっていましたね。
はじめての経験で驚きました。今回の作品の題材である“現実世界”と“インターネットの世界”の二面性に含まれるテーマは、世界共通の話題なんだと思います。
しかも、いまはコロナ禍で、世界中の人が共通して現代に不自由さを抱えていますよね。特に、若者はいつも悩みを抱えているもの。不自由な思いを強いられる中で、それを吹き飛ばしてくれるもう一人の自分を求めている人が多かったのかなと。いくつもの要因が重なってより一層、映画に対して当事者的な意識を持って共感もらえたんだと思います。
―もし関西を舞台に映画作るとしたら、どんな場所を取り上げますか?
実は、今回の映画の舞台候補地として神戸も考えていました。神戸は色々な映画の舞台にもなっているので、「もし舞台にしたらどうだろう……」と思い、実際に神戸の街を歩き回りました。
今回のインタビュー場所である大阪も「もしも、ここが舞台だったら……」と、常に新しい作品へのインスピレーションとして考えています。
■関西にまつわる思い出がいっぱい♡
―関西にまつわる思い出があれば教えてください。
『竜とそばかすの姫』で主人公・すず(ベル)の声を務めたミュージシャンの中村佳穂さんと、はじめてお会いした場所が奈良県の靴屋さんでした。
中村さんは京都府のご出身ですが、2年ほど前の夏に奈良県の靴屋さんでライブをされていたんです。中村さんの歌声を生で聴くためだけに、関西にやってきました。そこで観た中村さんのライブには多くのインスピレーションを受けましたね。その場の雰囲気がとてもよかったんです。 本当に表現力のある人ですよね。
―関西を訪れたら食べたい食べ物はありますか?
京都に行くと、分厚い卵焼きが挟まっているサンドイッチを食べたいなと思います。八坂神社の近くにあるパン屋さんのサンドイッチや、四条・三条あたりの喫茶店のサンドイッチなど。京都には、分厚い卵焼きサンドのイメージがありますね。
食べると、「あ〜関西に来たな」という気持ちになります。
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細田守監督の最新作である『竜とそばかすの姫』は、全国東宝系にて絶賛公開中! ぜひ、劇場でチェックしてみてくださいね。(取材・文/筒井麻由)
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