きらりと光るセンスにうっとり。美しくて可愛いスイーツを【北野坂】のカフェで

【水曜15時のあまいもん】とは？
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。

「フルーツ使いが上手な店主が作る、美しくて可愛い季節のタルト」（長瀬 緑さん）

CAKE STAND の「季節のフルーツタルト」

「美しさの中に可愛らしさもあるスイーツの数々に、店主のセンスを感じます。特にフルーツの使い方が上手なので、季節のフルーツタルトがおすすめ。テイクアウトもできますし、イートインならアイスやシャンティをプラスして、アシェットデセールにすることもできます。包装紙やパッケージにもセンスの良さが感じられて素敵なので、イートインの後には必ずお買い物してしまいます。手土産にしても喜ばれますよ」（長瀬 緑さん）

店主は、パリの製菓学校で学び、現地のパティスリーなどで経験を積んだ寄砂愛麗（よりすな・あいり）さん。帰国後、レストランでデザートを担当した後、2015年にできたてのスイーツが楽しめるカフェを構えました。当初はイートインメニューが主体でしたが、2020年、北野坂に面した現在の場所に移転したのを機にケーキやパンのテイクアウトを本格的にスタートしたと言います。

「軽やかな感じが好きなので」という言葉どおり、ケーキにも食後のデザートのような軽やかさが感じられます。季節のフルーツタルトは日によってフルーツが替わり、この日はイチゴ。イチゴを生のまま飾るのではなく、半割りにした大粒のイチゴを一緒に焼き込んだフランスらしい仕立て。火を入れて生まれるイチゴの甘酸っぱさが新鮮で、しっかり焼かれたタルト台のおいしさも印象に残ります。

編集部の「これも食べたい！」

イチゴのショートケーキ

6種ほどのプティガトーが並ぶ冷蔵ケースの中で目を引いたのは、可憐な佇まいのショートケーキ。あえてトップにはイチゴをのせず、エディブルフラワーなどでデコレーション、中のイチゴとシャンティクリームの層を2層にしています。ホールで買ったら、外からはいっさいイチゴの姿が見えないけれど、食べてみればイチゴの甘酸っぱい風味が口の中いっぱいに広がるというスマートな仕立て。上から下まですっとフォークが入り、一体感もあります。

焼き菓子の定番のひとつが、オープン当初から作り続けている、ゴルゴンゾーラチーズの余韻が印象的なあまじょっぱいサブレ。神戸在住の画家であり絵本作家の植田真さんのイラストが描かれたクラフト紙でコーンアイスのようにパッケージされていて、自分用に、友人へのちょっとした手土産にと、気付けば手に取ってしまう可愛さです。

デザートやケーキの軽やかで洗練された味わいとデザインに加え、パッケージやディスプレイ、インテリアに至るまで、寄砂さんのセンスの良さが随所に感じられます。平日でも、生ケーキやヴィエノワズリーなどはお昼すぎには売り切れてしまうことが多いので、訪れる時はお早めに。

＼from Editor／
取材で試食した季節のフルーツタルトやショートケーキのおいしさに心をわしづかみにされてしまい、早くも再訪してしまったほど。ちらりと忍ばせた味や食感のアクセントが印象的で、どのお菓子ももっと食べたくなる軽やかさ。なんて、書いていたら、また訪れたくなりました。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。

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