家族の応援が力に！学生ランナー前田彩花がめざす“オリンピックの夢”【関西大学】

中学時代はバスケットボールをやっていたのですが、父がランニング好きで、一緒に走る時間がとても楽しかったんです。やがて母や兄も加わり、今では年末年始に家族4人で10kmを走るのが恒例に。私にとってランニングは「家族とのつながりを感じられる楽しい時間や思い出」がいっぱいのものなんです。それで、高校では陸上部を選びました。

高校2年のとき、顧問の先生に都大路（全国高等学校駅伝競走大会）の観戦に連れて行ってくれたことが転機となって、全国を目指すようになりました。当時は県大会に出場するのが精一杯という成績だったのですが、「自分もこの舞台に立ちたい」と思い、本気で陸上に取り組むようになりました。

そうですね。海外の同世代の選手と走り、圧倒的な力を見せつけられました。でも「日本人だから無理」とは思いたくない。同じ年代の女性として、彼女たちも努力しているはずだから、私も負けないくらい練習すれば追いつけるはず、とも思えました。可能性を自分で諦めることだけはしたくないんです。

走っている時はしんどいし、やってきたことが必ず報われるとも限りません。だからこそ、苦労を乗り越えて結果を出せた時の、喜びや達成感は最高ですね。私が結果を出せるのは、たくさんの人の支えがあってこそだと思っています。その恩返しができる瞬間が一番うれしいです。

もちろんあります。大会後や合宿明けは燃え尽きてしまうことも。でもそんな時は「休む勇気」を持ちます。

友人と遊んだり、家族と買い物に出かけたり。後輩の部屋で『クレヨンしんちゃん』の映画を観て大笑いすることもあります。陸上はいつも心の片隅にありますが、しんちゃんの無邪気な笑いに癒されると、自然とリフレッシュできるんです。逆に「今日は休もう」と思っても、ふと走りたくなることもあるので、そういう時は走りに行っちゃいます（笑）。

うーん、私自身のルーティーンはないですが、大会前は父と母、それから祖母が必ずお墓参りをしてくれています。お仏壇や神棚にも毎日手を合わせ、ご先祖様にお願いしてくれているんです。

大学2年の誕生日に家族からもらったネックレスは肌身離さず身につけています。大好きな家族がいつも近くにいてくれているような気がして、私の大切なお守りです。勝負メシは特にないですが、試合前はお赤飯を食べることが多いですね。縁起が良くて、ピンク色もかわいいので（笑）。

最近は100円ショップの木箱をリメイクして棚を作ったり、友達との思い出写真を飾るボードを手づくりしたりして、部屋が少しずつ自分らしく変わっていくのを楽しんでいます。料理も気分転換のひとつで、玉ねぎに涙しながらキーマカレーを作ることもあります（笑）。

まずは大学在学中にフルマラソンに挑戦し、その先はマラソン選手として2032年のオーストラリア五輪でのメダル獲得をめざします。そのためにも、誰よりも練習してもっともっと強くなります。ライフステージが変わっても、アスリートとしての夢を諦めず走り続けたいです。