TOP パン 【北摂】実力派ベーカリーが集中する、北摂のパン事情を探る!

【北摂】実力派ベーカリーが集中する、北摂のパン事情を探る!

2024年3月23日(土)に延伸した北大阪急行電鉄の新駅「箕面船場阪大前駅」と「箕面萱野駅」。新駅が誕生し、今注目を集めている「北摂エリア」をannaではピックアップ! パンの激戦区でもある北摂エリアから“わざわざ訪れたい!”お店をご紹介します。

北摂にはカフェやスイーツなどのおしゃれな飲食店だけでなく、さまざまなベーカリーがひしめくパンの激戦区でもあります。“地元で愛されているまちの人気店”から、“大阪市内でも人気を誇った名店”など、数あるベーカリーの中でも注目したい最新のパン事情をお届けします。

吹田 【花パン製作所】 若き夫婦が二人三脚で歩む、まちの小さなベーカリー

小さな店内にずらりと並ぶ約50種類のパン

店内には食欲をそそる、焼き立ての香りが漂います。

阪急千里線「豊津駅」東口から徒歩すぐ。中村朋子さんと大河さんの夫婦で立ち上げた「花パン製作所」。

2022年8月のオープン以来、開店前から行列ができ、夕方には売り切れで閉店するほどの人気ぶり。厨房と販売スペースを合わせてわずか9坪という店内には、食パンやベーグル、デニッシュ、総菜パンなど約50種のパンがずらりとならびます。

クロックムッシュ240円(税込)

看板商品のパン・ド・ミは、湯種を加え、こね上げた生地を一晩寝かせるオーバーナイト製法で焼き上げた食パンです。しっとり、もっちりとした食感のパン・ド・ミを使った「クロックムッシュ」は、ハムの上に自家製ベシャメルソースとチーズがたっぷりと。

「食べる前にオーブンで焼いて食べるのがおすすめです」と話すのは店主の中村朋子さん。耳までサクっと軽やか、ベシャメルソースとチーズがとろりと溶けて、リッチな味わいが広がります。

ジャンボン・フロマージュ290円(税込)

長時間低温熟成のバゲットにバターをたっぷり塗り込み、ハムとカマンベールチーズを挟んだ「ジャンボン・フロマージュ」。

長時間熟成させることで小麦粉の風味と甘味を引き出したバゲットに、ハムの旨味とチーズのコクが好相性。「一度食べるとまた食べたくなる、リピート率の高いパンです」と中村さん。このバゲットサンドができる時間を目指して買いに来る人も多いそうです。

レーズンパン260円(税込)

「レーズンパン」は、大粒で甘味も濃厚なウズベキスタン産プレミアムサヤキレーズンと、甘味と爽やかな酸味のあるカリフォルニアレーズンの2種類をラム酒に漬け、たっぷり練り込んだもの。見た目は素朴ですが、もちもちとした食感とレーズンの芳醇な味わいが絶妙です。

地元で愛される小さなベーカリーを目指して夫婦で企業

朝5時から仕込みをスタート。営業時間までに約30種類、オープンしてからも休む間もなく焼き続けます。

パンづくりをメインで担当している妻の朋子さんは料理人を目指し、イタリアのレストランで1年間働いたことも。

「ゆくゆくは地元で愛される小さなお店をやりたくて。ケーキかパンで悩みましたが、パンの方が毎日食べてもらえるのでは」と帰国後はパン職人に転身。大阪市内や福岡の有名店で5年ほど修行したのち、朋子さんが生まれ育った吹田市・豊津で「花パン製作所」をオープンしました。

夫の大河さんは190cm。身長差約40cmの仲良し夫婦です。

笑顔が素敵な2人。夫の大河さんは企業に勤める会社員でしたが、朋子さんの熱心な誘いもあって、未経験ながらもパン職人を目指すことに。「最初は夫婦で同じ商いをすることはリスクがあるのでためらいました。でも自営業だと、定年を気にせず長く続けることができそうなので、長い目でみればプラスになるのでは」と考えを改めたそうです。

現在は朋子さん指導のもと、日々パンづくりに励んでいます。「今後はもっとデニッシュやパイを充実させていきたい」と笑顔で話す2人。店頭での微笑ましいやりとりに癒される常連客も多いそうです。平日15時には完売することが多いので、早めの時間帯に行くのがおすすめですよ。

花パン製作所はなぱんせいさくじょ

住所:大阪府吹田市山手町2-7-3

TEL:06-6836-7533
営業時間:11:00~売り切れ次第終了
アクセス:阪急千里線「豊津駅」東出口から徒歩すぐ
定休日:日・月・火
Instagram:https://www.instagram.com/hanapanseisakusyo/

豊中 【LeBoulanger YOSHIHIRO IKEDA】店主のストイックな姿勢が生み出す、約70種類のパン

百貨店クオリティの食パンと、バラエティ豊かな総菜パン

3人入ればいっぱいになる小さな店舗ながら、約70種ものパンがそろいます。

阪急豊中駅から徒歩約15分、ホームページはなくSNSでの情報発信もしていないものの、切れ目なく人が訪れるベーカリー「LeBoulanger YOSHIHIRO IKEDA(ル ブーランジェ ヨシヒロイケダ)」。

小さな店頭には、食パン、総菜パン、バケットやカンパーニュなどのハード系と、約70種類のパンがそろいます。

全粒食パン1本583円、1/2本291円(すべて税込)

数あるパンの中でも注目したいのが、梅田の百貨店でも販売していた食パン。山食、角食、全粒粉、季節限定など食パンだけでも7種類がそろいます。

健康志向の方に人気な全粒食パンは、生地の50%を国産の全粒粉を配合したもの。「全粒粉は小麦の粒をまるごと挽いて、粉には表皮や胚芽も含まれるため食物繊維やミネラルが豊富。ぎゅっと詰まった生地は、砂糖もバターも使っていないため、全粒粉独特の香ばしさが際立ちます」と話すのは店主の池田義弘さん。

スーパーフードであるチアシードをいっしょに焼き込んでいるので、栄養価も高く、食べ応えも抜群です。

店頭で焼き上がった山型食パン。

食パンはそれぞれ使用する小麦粉も製法も異なります。「たとえば角食は湯種製法でつくっているためしっとりもちっとした食感。耳までやわらかいのが特徴で、砂糖とハチミツが入って甘みがあるので、そのままでもおいしく食べられます。

山食は表面がパリッと、中はもっちりした食感で、角食のような甘さはなくトースト向きにつくっています」と池田さん。誰が食べても違いがわかるほど個性がはっきりしているので、それぞれのパンにファンがいるそうです。

カレーパンになりきれなかったカレーパン324円(税込)

テレビ番組の企画で考案したカレーパンは、とあるお笑い芸人から「カレーパンになりきれなかったカレーパン」と命名されて、一躍有名に。

パン生地にビーフカレーを塗り、ブラックペッパーが効いた大きなソーセージをのせて包まずに焼き上げたパンで、端はチーズが焦げてカリカリに。まったく見たことのないビジュアルに驚かされます。

タルティーヌ248円、クロワッサン248円(すべて税込)

折り込み系のパンはクロワッサン、パンオショコラ、クロワッサンダマンド、クロッカンなど顔ぶれが多彩なラインナップ。旬の食材を盛り込んだ総菜パンも豊富で、ひとめ見るだけで、何が主役なのかがわかる大胆な素材使いが印象的です。

安定しておいしいパンをつくり続けるために

店主の池田さん。

池田さんは、ベーカリーレストラン「神戸屋レストラン」 をはじめ、京都や神戸の店で約25年働き、2016年に独立。

オープン当初、パンの品ぞろえは30種ほどだったそうですが、「いろいろ選べた方がいいと思っているうちにどんどん数が増え、今では70種くらいになりました」と話します。仕込みを手伝う製造スタッフはいるものの、池田さんがほぼすべてのパンと手掛けているというから驚きです。

気になる素材を見つけたら試作に励むストイックな姿勢が、約70種ものパンを生み出すのです。

「安定しておいしいパンをつくり続けるためにできることを常に考えています」と話すように、パンに合わせて小麦粉を選定し、発酵種も試行錯誤。チャレンジを繰り返し、真摯に向き合い続ける池田さんの今後に目が離せません。

LeBoulanger YOSHIHIRO IKEDA(ル ブーランジェ ヨシヒロイケダ)

住所:大阪府豊中市本町6-7-9
電話番号:06-6151-2729
営業時間:7:30~19:30
定休日:金
アクセス:阪急宝塚線「豊中駅」から徒歩約15分
公式HP・SNS:なし

高槻【丹青】 梅田で爆発的な人気を誇った名店が屋号を新たに高槻でリスタート

さらなるおいしさを求め、すべてを一新

粉の配合から見直し、ラインナップを一新。新作パンも登場。

2023年5月、高槻にオープンした「丹青(たんせい)」。
「丹青」という名は初耳でも、元「ROUTE271」と聞けば「あの!?」となる人も多いはず。梅田にも出店し、人気を博していたベーカリーが屋号を一新し、リスタートを切ったのです。

前身となる「ROUTE271」は、大阪や兵庫の錚々たる名店で約10年腕を磨いた船井高志シェフが、「よそにはない、おいしいものを」をテーマに、2009年に高槻にオープンしたベーカリーです。

2015年には梅田にも出店し、ビストロ系と称される総菜パンを武器に、連日行列をつくる注目店として大きな話題を呼びました。

シェフの船井高志さん。

北摂の顔から大阪を代表する名店へと順風満帆な「ROUTE271」でしたが、2023年2月末に突如梅田店を閉店。「人材難など、いろいろありまして。パンづくりに没頭できなくなったのが主な理由です」と船井さん。

さらに、高槻店の店名を変えたのには、「またイチからおいしいパンをつくりたくて」との決意が込められています。

真骨頂のビストロ系からスイーツ系まで多彩なラインナップ

うめ明太324円(税込)

その言葉どおり、約40種そろうパンは具材のレシピを変えただけではなく、粉から見直し、発酵する温度や時間をさらに追求することで、生地の口溶けからブラッシュアップ。

酸味の強い梅肉を使った「うめ明太」は大葉やベシャメルソースを合わせることで、明太パスタのような仕上がりに。

マカダミアオレンジとホワイトチョコ432円(税込)

モチッとした生地とオレンジの爽やかさに、ホワイトパールチョコのサクッとした食感が彩りを添える「マカダミアオレンジとホワイトチョコ」はスイーツ感覚で楽しめます。

エビチリサンド540円(税込)とタマゴサンド380円(税込)

また、「ROUTE271」からの人気メニュー、自家製のチリソースが決め手の「エビチリサンド」や、食べ進めるとダシ醤油漬けの卵黄がひょっこりと現れる「タマゴサンド」も、ほんのりと甘いパン生地が、ピリッと辛いチリソースやボリュームある卵のおいしさをより一層引き立てています。

熟練の技と探究心で、さまざまなパンを生み出しています。

「作業は毎日夜の2時から。おいしいパンを追求できるので、今は本当に楽しいですね」と船井さん。真骨頂のビストロ系だけではなく、今後はハード系も徐々に増やしていきたいとのこと。

「自分の中の納得度で言うと、今はまだ50%ぐらい。周りもレベルアップされているので、負けないように。自分らしさを出しながら、もっともっとおいしいパンをつくっていきたいですね」と話すように、おいしいパンをつくるためのリスタートは、はじまったばかりです。

丹青

大阪府高槻市上田辺町18-5
TEL:072-600-2233
営業時間:10:00~15:00(売切れ次第終了)
定休日:不定休
アクセス:
JR京都線「高槻駅」、阪急京都線「高槻市駅」より徒歩約7分
X:https://twitter.com/ROUTE271ff
Instagram:https://www.instagram.com/route_271/

朝食に食べたい食パンから、ビストロさながらの総菜パンまで、店主のこだわりが詰まった北摂のベーカリー。花見やショッピングのついでに、自分好みのパンも探してみませんか。

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