TOP グルメ 予想外の食感に首ったけ! 「ミュルミュール 小川通店のガレット」【京都】【水曜15時のあまいもん】Vol. 02

予想外の食感に首ったけ! 「ミュルミュール 小川通店のガレット」【京都】【水曜15時のあまいもん】Vol. 02

2023.09.06

和菓子のみならず、洋菓子のあまいもんもハイレベルな京都。新店も次々と誕生しています。雑誌連載の「京都さんぽ部」部長として、そんな街のあまいもん情報を日々アップデートしているライターの大和まこさんが膨大なリストの中から選んだのは、姉妹が週2回だけ営む店の焼き菓子でした。

【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解のハズレなしのおいしさです。

「水曜15時のあまいもん」連載一覧

「ガリッ、ホロッの食感が魅力です」

ミュルミュール 小川通店の「ガレット」(京都・西陣)

日替わりで3~5種、店頭に並ぶ「ガレット」1個各300~350円。土曜限定で登場するフロマージュ山椒(左上)は、ユニークな実山椒入りで、大和さんが特にお気に入りのフレーバー。

「丸く厚めに焼き上げたガレットは、ガリリッとした食感が魅力。といっても、硬すぎるわけではなく、口の中でホロッと崩れます。ほかにないこの食感と、じんわりと広がっていく粉やバターのおいしさを噛みしめて、大切に、大切に味わいたいお菓子です。妹さんが何度も試作を繰り返してお菓子を作り、それをこよなく愛するお姉さんが売る。そんなお店のスタイルにも和みます」(大和さん)

姉妹が二人三脚で営む京都・西陣の菓子店。通販を皮切りに、2016年、北白川に初の実店舗を、2021年に町家を改装してこの場所に移転オープンしました。そんなミュルミュールの原点は、姉妹の実家が営んでいた喫茶店。そこで、妹の斉藤直子さんがお菓子を作るようになったのが、はじまり。製菓学校で基礎を学んだ後、自分たちが食べたい、おいしいと思うお菓子だけを、既存のレシピにとらわれることなく作ってきたと言います。だからこそ、ここのお菓子は唯一無二。ガレット・ブルトンヌのような見た目ながら、食感がまるで異なるガレットしかり、あんを入れることでしっとり感を出したパウンドケーキしかり。名前や形から想像したのとは違う思いがけない食感や、キリリとした味に出合えてうれしくなります。

編集部の「これも食べたい!」

ミルクレープ シトロン

焼き菓子を中心に、生ケーキも2~3種並ぶ。ミルクレープ シトロン(1カット 500円)は、寒くなると登場するタルトタタンと並ぶ人気者。

直子さんが作るお菓子のおいしさを知り尽くした姉・丸井優子さんいわく「いつも食べているミルクレープとは、全然違うと思いますよ」という生ケーキ。実は、シャンティクリームがあまり好きではないという直子さんは、手で一枚一枚枚焼いたクレープの間に、レモンカードとディプロマットクリーム(生クリームとカスタードを合わせたもの)の2種を塗って重ねています。この2つのクリームのバランスが絶妙で、レモンの風味がしっかりありながらも、強すぎず、小気味よい爽やかさです。

教えてくれた人大和まこ/Mako Yamato

京都在住のライター&コーディネーター。三重県生まれながら、京都に拠点を移して、かれこれ25年以上、京都について取材・執筆。雑誌『&Premium』にて、創刊から「& Kyoto」を連載するほか、雑誌を中心に細やかな情報を発信している。

Address京都府京都市上京区挽木町518

DATA

ミュルミュール 小川通店
営業時間:11:30~17:00
※木・土曜のみの営業

\from Editor/
小川通を北へ北へ。「エッ、こんなところに?」という場所に、お店はありました。それでも夕方には売り切れてしまうというのは、食べてみて納得です。フランス菓子など、お菓子を食べ込んでいる人ほど、いい意味で予想を裏切られるかも、という味と食感。味の骨格もはっきりしていて、ふと、東京・等々力にある「ASAKO IWAYANAGI」に通じるものを感じました。いつか、姉妹が提供するパフェを食べてみたいなぁ。

「水曜15時のあまいもん」連載一覧

※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。



Recommend あなたにおすすめ