【詳しく解説!】気象予報士が教える「猛暑やゲリラ豪雨の原因」
連日猛暑が続いたり、ゲリラ豪雨や雷雨などが突然起こったりなど、天気に関するニュースがとても多いですよね。異常気象の原因が気になっている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、annaのSNSで募集した“天気に関する質問”について、気象予報士の蓬莱さんに回答していただきました! 何気なく起こる天気の変化や、最近話題になっている気象情報まで、ぜひ参考にしてみてください。
■猛暑続きの原因は?
Q:九州地方が暑いというのはなんとなくわかります。でも毎年最高気温を記録するのは関東地方。これはどうしてですか? 都会はコンクリートやエアコン室外機が多いからなども関係あるのでしょうか?
夏の高気圧は、小笠原高気圧と呼ばれます。つまり、関東にある小笠原諸島あたりに高気圧の中心があるということで、九州より関東の方が暑くなりやすいんです。
また、都心部は人の多さ、街の排熱などからヒートアイランド現象も他の地域より強く効果があります。これが一番の理由だと思います。
■なぜゲリラ豪雨や夕立が起こるの?
Q:なぜ場所によって雲が沸き立つ違いが出るのでしょう? ピンポイントでゲリラ豪雨になる仕組みが知りたいです!
空気が上昇すれば、空の高いところで冷やされて雲が発生します。山があれば、風が吹く時、空気が助走台のように駆け上がりやすくなります。なので、山の近くでは上昇気流が強まり、平地よりも雲が発生しやすくなります。平地でも風と風が違う方向からぶつかり合ったら上昇気流が強まって、雲が発達しやすくなります。
積乱雲は、水平の規模は直径数キロから大きくても10キロくらい。背の高さは12キロくらい。雨が降り出すとその雲の水分が地面にどんどん落ちて、雲自体は数十分で消えてしまいます。
狭い範囲でかつ短時間、しかも暑くなったエリアでは神出鬼没に現れる。奇襲攻撃のような雨の降り方からゲリラ豪雨と呼ばれるようになりました。ゴリラげいうと間違えて言っちゃう人もいますので、ご注意を。
Q:
午前中から空を見渡して入道雲が出ていれば、その日は“大気の状態が不安定”です。午後、さらに気温が上がれば、お鍋が沸騰したときにボコボコできる泡のように、至る所で入道雲(積乱雲)ができやすくなります。
さらに、空が暗くなってきたら雨粒をたくさん含んだその雲が真上に来始めている証拠。その後、冷たい風が強まってきたら、まもなく空から雨が降ってくるサイン、ゴロゴロと雷の音が聞こえたら、大粒の雨が大量に降ってくるサインです。もわっとした湿った空気感も雨の前兆ですね。
Q:なぜ、夏には光化学スモッグが発令されるのでしょうか? そして、ゲリラ豪雨はなぜ夏の方が多いのでしょうか?
光化学スモッグは大気中の化学物質が紫外線に反応して発生します。初夏に発生することが多いですがら風が弱く大気が淀んでいるときは真夏でも発生することもあります。
ゲリラ豪雨は、暑くなって上昇気流が起こりやすく入道雲(積乱雲)が発生しやすい夏が多いです。
Q:ゲリラ豪雨の発生しやすいのは気温がどのくらいのときですか?
地上の気温だけでなくて、上空との温度差や風の向きなども重要になってきますので、一概には言えません。ただ、経験上発生しやすいのはだいたい30℃以上のときです。
天気予報で“大気の状態が不安定”というキーワードが出ていれば、その日は要注意と思っておいてください。特にゲリラ豪雨が発生しやすい時は、降水確率が30%以上になります。傘マークがなくても30%なら怪しいと思って下さい。
■夏に起こるあの現象は?
Q:陽炎(かげろう)と蜃気楼は、夏に見えるんですか? また、あのボヤ~ンと出現する仕組みを教えて下さい。
陽炎は、太陽によって地面が熱せられて、周辺の空気の温度が高くなり、炎の時のように空気がゆらめく現象。夏だけでなく、春でも地面とその上の空気の温度差が大きくなった時に、地平線や水平線の近くで見られることがあります。
蜃気楼も温度差で見られる現象です。春でも夏でも見られます。夏の蜃気楼は、道路の地平線とその上の空気との境目で温度差が大きくなり、目に届く光が屈折し、空の景色や周りの木が、地面に水たまりのように映って見えます。近づくほど離れていくので「逃げ水」といいますよ。砂漠であるはずもない幻のオアシスを追いかけてしまうシーンを思い浮かべてもらえればいいですね!
Q:最近空が真っ白ですが、毎日空を見て不安です。これは大気汚染ですよね? 琵琶湖の対岸が真っ白で何も見えません。こんなのは初めてな気がします。
去年から活動が活発な小笠原諸島にある西之島という火山の噴煙が、太平洋高気圧のふちをぐるっと回って、西日本に飛んできていたのではないかと言われています。夏に空が煙るのは、珍しかったですね。この夏はまた、空が白くなることがあるかもしれません。
■夏の熱中症予防対策も要チェック!
Q:小さい子どもが居て、特に暑がりなので家ではクーラーをずっとつけています。夜もタイマーで1度は消すものの暑くてまたつけてしまいます。身体に良くないんだろうなぁと思うものの、暑さには勝てません……。おうちでの夏の暑さとの上手な付き合い方を教えて欲しいです。
うちでも昼間はエアコンをつけっぱなしにすることが多いです。つけたり消したりが一番電気代がかかると聞いたことがあります。
夜は、お風呂に入っている間に寝室のエアコンを最強に冷やして、寝る時に冷たい部屋で布団にくるまって寝るのが気持ちいいです。寝る時には一旦切りますが、4時間後くらいにタイマーで弱いエアコンが入るように設定します。
Q:熱中症対策用にハンディファンや首掛けの扇風機、首に巻く保冷剤を準備しました。
首掛けの扇風機は羽根があるものは、髪の毛が絡まないように気をつけて下さい。首掛け扇風機の羽根なしも今は低価格でありますね。
保冷剤を持ち歩いて体を冷やす時は、太い血管のある、首、わきを冷やすと効率よく体が冷えると思います。ちなみに、僕はお腹には冷たいものを当てません。胃腸が弱いからです。
【関連記事】マスク必須の夏に使いたい!気象予報士がおすすめする熱中症対策に欠かせないアイテムとはQ:雨の日になると、頭が痛くなるのですが、どうしたらいいですか?
耳をマッサージするといいそうです。気圧の変化を感じているのは、耳だからです。横に、前後に、10秒ずつ引っ張るのを2セットやるだけでもちょっと軽くなりますよ。
あとは、手首のしわから指3本分の真ん中あたりのツボや親指と人差し指の間の柔らかい所のツボを押したりします。
Q:
しんどくなる前に休憩と水分補給をするのが一番ですかね。子供は自分の限界まで頑張ってしまうので、特に周りの大人の声かけが大切かと思います。
【関連記事】ニトリでも買えちゃう♡気象予報士もおすすめする今話題の「ストームグラス」って?暑い日が連日続いていますが、体調管理のために今回の蓬莱さんからのアドバイスを参考にしてみてくださいね!(文/吉村すみれ)
【取材協力】
※ 蓬莱大介さん・・・2011年より読売テレビの気象キャスターを担当し、現在は『情報ライブ ミヤネ屋』、『かんさい情報ネット ten.』、『ウェークアップ!ぷらす』に出演中。翌日の天気のポイントをイラストで教えてくれる『スケッチ予報』では、ユーモア溢れるイラストが大人気!
【画像・参考】
※ xiangtao、momo、murara-555、まちゃー、CORA、iLand、Fast&Slow、Pangaea、Pinkomelet/PIXTA(ピクスタ)
※ Stephen Clarke/Shutterstock
※ 蓬莱大介/anna
必見!annaとっておき情報をご紹介♡【AD】
■【秋冬の肌ケア提案】乾燥しがちな大人肌をワンランク上のスキンケアで解決
■おうちで簡単ケアが魅力! 秋のキレイ髪は「セグレタ」&「ブローネ」で叶えよう
■大阪から往復7,800円で城崎日帰り旅!? オトクが満載の気軽な女子旅へ出発進行♡