【べきの呪い】があなたを傷つけるとき|女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第10回
なんとなくの不調、見過ごしていませんか?
月経のリズム、気持ちの波、ちょっとした体のサイン。
女性の毎日には、理由のわからない「ゆらぎ」がつきものです。
この連載では、企業で働く女性たちの健康を長年支えてきた産業看護師が、女性ホルモンと心と体のつながりについて、やさしく、ていねいにひも解いていきます。
「自分をもっといたわる」きっかけに、今日のお話を読んでみませんか?
静かに忍び寄る「心の縛り」
前回のコラムでは、私たちの心をひそかに縛ってしまう「べきの呪い」についてお話ししました 。「こうあるべき」「こうしなきゃいけない」と、いつの間にか自分に厳しくなりすぎてしまうあの感覚です。
実は、この「べきの呪い」にとらわれていると、デートDVやモラルハラスメントといった、心をじわじわと傷つける関係性に巻き込まれやすくなるという、大きな危険があります。今回は、なぜそんな関係に陥ってしまうのか、そして苦しさから抜け出すための「魔法の言葉」をお伝えします。
「べきの呪い」が、危険な人を引き寄せてしまう理由
「べきの呪い」にとらわれている人の多くは、自分より相手を優先しすぎてしまう傾向があります。たとえば、パートナーから「○○しなきゃダメだよ」「○○できないあなたがおかしい」と強く言われたとき、以下のように考えてしまいませんか?
「私が至らないのかな」
「もっと合わせなきゃいけないのかもしれない」
このように自分の気持ちより相手の希望を優先してしまうと、モラハラ気質の人は「この人はコントロールできる」と感じ、要求がどんどんエスカレートしていきます 。
「おかしい…苦しい…」それでも抜け出せない理由
モラハラの渦中にいると、
「なんかおかしい」
「苦しい……けど理由がわからない」
そんな状態になりがちです 。
理不尽に怒られても、
• 自分が悪いのかもしれない
• もっと相手の望みに応えなきゃいけないのかも
と、自分を責める方向に考えてしまいます。
「ちゃんとしろ!」と言われても、何をどう「ちゃんと」すればいいのか本人もわかりません。
それなのに、「自分がダメだから怒られるんだ……」と感じてしまうのです。
これは心理的な支配による無力感や、支配からの共依存と呼ばれる心理状態で、そんな状態に長くいたら抜け出せなくても当然です。
まず最優先で必要なのは「逃げること」
ここまで追い込まれてしまったときに必要なのは、相手を変えることではなく、距離を置くことです。
あなたが悪いわけではありません。あなたの努力が足りないのでもありません。ただ、その関係性があなたを壊してしまうだけなのです。
相手は、残念ながら変わることのできない人です。
つらいときに思い出してほしい「魔法の言葉」
窮地に陥ってしまったとき、このシンプルな言葉を唱えてみてください。
「私の心と身体は、私のもの」
人は、誰かに感情をコントロールされる義務はありません。誰かの自己嫌悪や劣等感を癒すための「道具」として、あなたを差し出す必要なんてないのです。
あなたが感じること。 あなたが決めること。 あなたが望むこと。
これらはすべて、あなた自身のものです。誰かの都合に委ねていいものではありません。もし今、苦しさの渦中にいるのなら、どうかこの言葉を思い出してください。それが、一歩抜け出すための確かな力になります。
教えてくれた人看護師マリリン
在阪企業の産業看護師として活動中
女性の健康のサポートの必然性を感じ、セミナーなど多数実施
女性医学学会認定女性ヘルスケア専門看護師 女性心身医学学会認定専門看護師
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