40代女性は不倫したくなる!? 動物行動学から見る「浮気しやすい女」

そうですね。

それでは、ここでツバメの例を出します。
ツバメも人間と同じく一夫一妻制で、ツバメのオスは、尾羽が長いほど免疫力が高く、モテます。尾羽の長いオスと結婚したメスは、他のオスに見向きもしないのですが、尾羽の短いオスと結婚したメスは、尾羽の長いオスが来たら、必ず浮気をするんですよね。

このようなツバメの繁殖戦略から分かることは、「いい男性を選べなかった女性は浮気をすればいい」ということです。浮気をして、より免疫力が高い子を産もうとすることは、子孫繁栄のための大事な行動と言えます。

実は女性は年代によって浮気のしやすさに変化があることが分かっています。イギリスの動物学者が調査した、年代別の浮気の確率が下の表です。

30代40代で浮気の確率がぐんと上がることが分かります。
そして、パートナーとの間に子どもが何人いるかによって、浮気をする確率にさらにはっきりとした違いが出ています。

夫との間に子どもが2人以上いる人の方が、浮気をする確率が高くなっていることが分かります。
ここでも、繁殖戦略が関わってきます。

子どもの人数が多くなると、夫は妻と妻の浮気でできた子どもを追い出した後、残された自分達の子どもの面倒を男1人では見きれなくなる。だから、妻が浮気をして他の男性との間に子どもができたとしても、 その子どもごと受け入れるしかなくなるのです。浮気した人たちはもちろん、無意識ですが、繫殖戦略に基づいた本能が、こういった結果を生み出しているのです。

女性の性欲は若い時より30代後半〜40代前半に高まります。ラストチャンスにいかに免疫力の高い、他の男の遺伝子を取り入れられるか、という本能で浮気をするのです。夫とうまくいっているか否かが問題ではなく、繫殖戦略を成功させるための体の仕組みなんですね。

たしかに男性は10代後半〜20代が性欲のピークです。男性の持つ遺伝子の質が、見た目で分かりやすいのがその時期です。遺伝子の質は生涯変わらないのですが、年を取るごとに見分けにくくなるので、おじさんには魅力を感じなくなるのです。30 代後半から40 代前半の女性には、若い男性がまばゆく見えるはずです。

一夫一妻制だと、とりあえず結婚するしかないので、浮気が大事になってしまうんですね。浮気は人間を含む、色々な動物が行っています。それを「倫理に反すること（不倫）」と言っているのは人間だけです。繫殖戦略の中で、ものすごく大事なことだから、浮気するのです。私は「（不倫は）この世からなくならない」と思っています。