【星野リゾート×出雲大社】ご当地温泉で身を清め、神話を楽しむ。「界 出雲」で過ごす “お詣り支度”
普段の週末をちょっと特別な日にしたい。そんなときはふらりと旅にでかけたくなります。「どんな観光スポットに行こうかな」なんて計画は後回しにして、星野リゾートが手掛ける温泉旅館ブランド「界(かい)」を目指す。それだけで旅先の風土や歴史、美食に温泉まで、特別な体験や新しい発見と出合えるはず。
今回、アンバサダーの大橋あゆみさんとannaが旅する目的地は、灯台と日本海を望む宿「界 出雲」です。こちらの温泉は塩化物を多く含んだ強塩温泉。塩には浄化の力があるとされ、心身がお清めできるかも。「お清め後に出雲大社に行けばご利益アップしそう!」なんて気軽にでかけた「界 出雲」では、悠久の出雲神話の世界に触れ、冬の美味・蟹づくしを堪能し、絶景に心を奪われる、圧巻の体験が待っていました。
神話の舞台である聖地、島根・出雲へ
島根県西部にある「界 出雲」へは、伊丹空港から飛行機で約50分、出雲縁結び空港から車で約40分の行程が最善ルート。移動に時間も体力も使いたくない週末旅にとって、空港での待機時間を含めても3時間ほどで行くことができる好アクセスはかなり魅力的です。
出雲縁結び空港2階で見つけた水引モニュメントと共に写真をパチリ。島根初上陸のあゆみさんは、「出雲のことはよく知らないので、めちゃくちゃ楽しみです!」とワクワクを隠し切れません。
その土地について知っていても知らなくても、ご当地ならではの魅力を満喫できるのが「界」に泊まる面白さ。温泉、食事、体験、空間など、宿で過ごす時間すべてでご当地の歴史や風土に触れる機会を演出してくれます。
道中、パノラマに広がる日本海が見えたら「界 出雲」はもう目前。島根半島最西端に立つ「出雲日御碕灯台(いずもひのみさきとうだい)」を望む、高台の宿に到着です。
知っておきたい、悠久の“出雲神話”
出雲は日本最古の歴史書『古事記』の舞台でもあり、八百万の神々が登場する物語は今も“出雲神話”として語り継がれています。
例えば、サメをだまして海を渡るウサギを描いた『因幡の白兎』。8つの頭を持つヤマタノオロチを退治する須佐之男(スサノヲ)の武勇伝。亡くなった妻・伊邪那美(イザナミ)を黄泉の国まで追いかけていく伊邪那岐(イザナギ)の悲恋話など、あの昔話も、この物語も、実は出雲神話だったんです。
“たそがれ”と“かわたれ”で魅力が異なる絶景ステイ
「界 出雲」には、窓を西に配した灯台ビューの客室と、景勝地・出雲松島を望む東向きの客室の2パターンがあります。どちらも日本海を見渡せる絶景が自慢ですが、ある時間帯になると景色と客室が一体となって新しい美景を生む、神秘的な空間になっています。
白亜の灯台と沈む夕陽が美しい“たそがれルーム”
こちらは西側に窓を配した、出雲日御碕灯台を望む客室です。窓辺のソファや壁紙などは落ち着いた紺色でコーディネート。日本海に陽が沈む薄暮の“たそがれどき”になると、鮮やかなオレンジ色が紺色にとろけるように差し込み、刻一刻と変化する夕陽の色味に合わせるように客室の趣も移り変わっていきます。
室内のどこにいても温かい光を感じられる、奥行き感のあるレイアウト。波音をアンビエントに本を読んだり、ただベッドに横になってみたり、リラックス感のある至福の時間が過ごせそう!
日本一高い灯塔を誇る出雲日御碕灯台は、明治36年から現在も海の安全を守っています。陽が落ちたあとは、灯台のやさしい灯りにも目を向けてみてください。
朝日の清々しさを体感する“かわたれルーム”
一方、東側に窓を配した客室は朱色に近いやさしいオレンジ色がベース。陽が昇る直前から朝日が昇る時間帯である“かわたれどき”に、最も美しく映えるよう設計されています。
窓から見えるのは、断崖絶壁に小さな島々が浮かぶ出雲松島。山の稜線から朝日がまっすぐに差し込んでくると、朱色はいっそう鮮やかに浮かび上がり、なんだか神々しさすら感じる空間になりました。
集めたくなる、「界」のおもてなしアイテム
「界」の客室には、ほかの宿では見かけない風呂敷が置いてあります。中には歯ブラシなどのアメニティが包まれているのですが、この風呂敷自体もバッグ代わりになる優れもの。大浴場や食事に向かうときにはぜひ使いたいですね。
この風呂敷は、全国22施設の「界」それぞれで色違いのデザインを提供。各地の温泉と「界」を巡り、コレクションしたくなるかわいさです。
芯から温まる強塩温泉を、参拝前のみそぎ湯に
温泉旅館「界」の神髄は温泉にあり! 「界 出雲」では塩分濃度の高い“ナトリウム-塩化物強塩泉”・出雲ひのみさき温泉が楽しめます。神さまに参拝する前のみそぎとして、しっかりと温泉で身を清めておきましょう。「めっちゃ良さそうなのでゆっくり楽しみたいですね!」と、あゆみさんも興味津々でした。
「温泉いろは」で効果的な入浴方法を知る
神社に正式な参拝作法があるように、温泉にも心身により効果的な入浴方法があります。そんなうれしい情報を教えてくれるのが「温泉いろは」です。界スタッフさんが、出雲の歴史も織り交ぜながら、紙芝居で温泉の効能や入浴方法を伝授してくれるので、ぜひ参加しておきましょう。
入浴前や入浴中に試してみたいストレッチや呼吸法などもレクチャー。温泉の効果を最大限に高めたいあゆみさんも真剣に取り組んでいました。
絶景を眺め、心身を浄化する清めの温泉
目の前には海と空。少し寒いくらいの潮風が心地良い、開放感抜群の露天風呂です。写真奥には寝湯もあり、青空から夕焼け、星空など、時間のうつろいで印象を変える景色を眺めていると、あっという間に時間が経ってしまいそう。
内湯には、源泉かけ流しのぬる湯(約37℃)と、あつ湯(約42℃)の2つの浴槽があります。全身を洗ってかけ湯をしたら、まずはぬる湯に浸かるのがおすすめ。源泉の濃密な塩のベールが肌を包んでくれます。その後は、露天風呂やあつ湯で芯から温まり、浴室を出る前に真湯のシャワーを浴びれば、癒やしとみそぎのプロセスは完了です。
大浴場には、“禊風呂”の由来や温泉の入り方を紹介するパネルを設置しているので、ぜひチェックを。もちろん、マナーさえ気をつければ、お気に入りの過ごし方を探すのも楽しいもの。あゆみさんはぬる湯のじんわり温まる感覚にハマり、ぬる湯メインで楽しんだそうです。
湯上がり処で最高のリラックスタイム
入浴後の水分補給や休憩は、湯上がり処でまったりと過ごして。「界 出雲」では“湯上がりドリンク”として、出雲産の麦を使った「出雲麦茶」、出雲生姜とはちみつ、レモンを合わせた「出雲生姜ドリンク」がスタンバイ。
さらに、3種のアイスミルクも自由に食べてOK。「白バラコーヒーミルクバー」をチョイスしたあゆみさんも速攻でパクリ。その後、チェックアウトまでに全種類制覇したのは言うまでもありません!
名物と伝統と。出雲ならではの特別な食事を味わう
「界」でいただく夕食、朝食は、食材から調理法、盛り付け、器に至るまで、あちこちにご当地のエッセンスをプラス。今回は、2023年冬に初登場した蟹づくしの会席料理と、神さまに捧げる食事の要素を再現した神饌(しんせん)朝食をいただきます。
タグ付き活松葉蟹が楽しめる「八雲立つ蟹会席」
冬の日本海を訪れたなら、味わうべきはズワイガニ。「界 出雲」に新登場したのは、出雲神話でスサノヲが詠んだ和歌の枕詞“八雲立つ”になぞらえて8品の料理が並ぶ「八雲立つ蟹会席」。そのメニューの全貌をご紹介します。
会席料理の幕開けに登場したのは、先付け「松葉蟹の灯台盛り」。出雲日御碕灯台をイメージして蟹のほぐし身を高く盛り付けています。さらに、付け合わせには、雲丹(うに)、キャビア、蟹味噌が並び、橙酢(だいだいす)醤油と煎り酒を用意。
最初のひと口は蟹だけで、次は醤油と煎り酒、次はキャビアを乗せて……と、お好みでアレンジしながらいただきます。
こちらが雲丹、キャビア、蟹味噌をすべてトッピングした贅沢盛り! 雲丹と蟹味噌のまったりと濃厚な味わいにも負けない蟹の風味に、キャビアの塩気やプチプチの食感が絡み、複雑で魅惑的なおいしさが広がります。
その後も自由に味変を楽しんだ結果、「主役の蟹の旨みがめちゃくちゃ強いので、なにを組み合わせても最後は蟹が勝ってぜんぶおいしい」という結論になりました。
3品目には、縁起物を描いた陶器のお重が運ばれてきました。期待感いっぱいのあゆみさんがゆっくりと蓋をあけると、芸術的なひと皿がお待ちかねです。
真っ白く美しい湯引きした松葉蟹の上にエディブルフラワーを散らし、見た目の華やかさも抜群の「松葉蟹湯引き刺し」。蟹の甘さを存分に堪能できます。
お重の2段目にはどんなお料理が隠れているのか、ほかにはどんな蟹料理が食べられるのか、そのすべてはスライドでご確認ください。
神さまと同じ食事をいただき、身体の中から整う「神饌朝食」
「界 出雲」では、通常のあさごはんに加え、プラン予約限定で「神饌朝食」をいただくこともできます。“神饌”とは、神さまに献上する食事のこと。神さまと同じ料理を食べることで、さらに浄化のパワーが高まりそうです。
ラインナップは、右の三宝上段に玄米、公魚(ワカサギ)、ラディッシュ、下段に餅、海士の塩、合鴨。左の三宝には、白米、しじみ佃煮、めかぶ酢、日本酒、鶏照り焼き、果物が並びます。
「神饌朝食」は、おいしく食べるというよりも厳かな気分にさせてくれるもの。なんだか背筋が伸びるような気持ちになれる、不思議な食事になりました。
神饌朝食を終えると、通常のあさごはんの時間。サワラの焼き魚をはじめ、あご野焼き、赤天、しじみ汁など、出雲の名産・名物の数々を取り入れられています。
中でも驚いたのは、「あらめ磯鍋」。“あらめ”とは、昆布にも似た海藻で、出雲ではおうちの食卓に上がるほどポピュラーな食材なのだそう。シャキシャキとした歯ごたえが面白く、豚ロースやサザエ、煮アナゴ、わかめと一緒に卵でとじていただきます。
神饌朝食後でも、あさごはんは全員ペロリと完食。ごはんとお味噌汁はおかわりもできます!
神話を感じ、想いを馳せる「界 出雲」だけの体験
ここまで客室と温泉、食事と、宿で楽しむ3つを紹介してきましたが、「界 出雲」はまだまだ終わりません。出雲を見て、体験して、知ることができる企画が目白押しです。
島根に伝わる伝統芸能「石見神楽」を鑑賞
「界」のお楽しみといえば、ご当地の魅力を発信するおもてなし「ご当地楽」。「界 出雲」では、伝統芸能「石見神楽」を界スタッフさん自らが演じてくれます。実際に神楽を伝承する人から直接指導を受け、本物さながらの迫力です。
物語は、出雲神話「国譲り」の名場面。大国主神の息子・建御名方神(タケミナカタ)と、天照大御神(アマテラス)の使者・建御雷神(タケミカヅチ)が戦います。ネタバレは避けますが、アッと驚くような演出やアクロバティックな動き、躍動感に圧倒されっぱなしの30分でした。
冬季は室内で上演されるのですが、演者の息遣いが感じられるほど近いんです。初めて神楽を観たあゆみさんは、その迫力と感動に少し泣きそうになっていました。
上演後には、登場した神さまと一緒に写真が撮れる撮影会もあるので、スマホやカメラを忘れずに持って行ってくださいね。
自然の美しさを眺める特等席「かわたれテラス」
「界 出雲」を訪れた際に何度も足を運びたくなるのが、2階に位置するライブラリー「かわたれテラス」です。写真は日の出時刻を少し過ぎたころ。深い青色をしていた空が少しずつ明るくなりはじめ、雲の隙間にはオレンジ色の太陽の光が漏れています。
この早朝のタイミングが、「かわたれテラス」が最も美しい時間だそう。「早起きしたかいがありましたね!」とあゆみさんもうれしそうです。
「かわたれテラス」屋外のカウンター席やテラス席のほか、室内にもソファスペースを完備。ライブラリーの本を読んだり、コーヒーや紅茶を淹れてホッとひと息ついたり、思い思いの時間が過ごせます。
スライドでは、実際にその目で見たくなる、「かわたれテラス」の空の色の移り変わりをご紹介します。
身体を目覚めさせる「現代湯治体操」
「界」では、全国の宿ごとにご当地色を取り入れて考案した現代湯治体操を実施しています。あゆみさんが体験する「稲佐の浜 神の渡り体操」は、毎年11月になると全国から神さまが海を渡って出雲を訪れる伝承がもとになっているそうです。
腰を落とし、腕を広げてゆーらゆら。そして、左右に体重を移動します。この動きは、出雲へと向かうため、海にぷかぷかと浮かんでいる神さまをイメージしたものなのだそう。
海上から稲佐の浜を探したり、波をかき分けて泳いだり、連続で行うと思いのほかハード。全力で挑んで少し汗をかいたあゆみさんは、そのまま大浴場に消えていきました。
「界 出雲」を訪れたら見ていただきたい意匠や、館内のポイントをスライドでまとめました。ぜひチェックを!
界 出雲かい いずも
島根県出雲市大社町日御碕604
050-3134-8092(界予約センター/9:30~18:00)
IN15:00/OUT12:00
料金:【季節の会席プラン】25,000円~ 【八雲立つ蟹会席プラン】38,000円~(各2名1室利用時1名料金/夕朝食付き/税・サービス料込)
神話の地・出雲で神々の足跡を巡りたい
「界 出雲」で“お詣り支度”をすませたら、神話の国・出雲ならではの神さまの足跡を辿るスポットにでかけましょう!
日本の夜を守り続ける「日御碕神社」
「日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)は、天照大御神を祀った“日沈宮(ひしずみのみや)”と、素戔嗚尊を祀る「神の宮(かみのみや)」の2社を有する古社。江戸時代に造営された社殿のほとんどが国の重要文化財に指定されています。
日本の昼を守る三重・伊勢神宮に対し、日本の夜を守るという神勅を授かった日沈宮は夕陽を祀る聖地として知られており、すぐ目の前の海から眺める夕陽も絶景です。
厄除開運などのご利益がある神の宮。ぜひ2社とも参拝しておきたい神社。高台にある神の宮から見渡す境内や、普段見られない位置から眺める社殿の装飾はとても美しいので、ゆっくりと時間をかけて滞在したいスポットです。
日御碕神社ひのみさきじんじゃ
島根県出雲市大社町日御碕455
0853-54-5261
参拝時間:自由(御守所 8:30~16:50)
https://www.izumo-kankou.gr.jp/special/678
神を迎える“神迎の道”の起点、「稲佐の浜」
「界 出雲」で観た神楽「国譲り」の舞台となった場所が、稲佐の浜です。11月に神々が出雲を訪れる際はここから上陸するとされ、稲佐の浜から出雲大社に続く道は“神迎の道”といわれています。
そんな霊験あらたかな砂浜には、ポツンと島が……。
絶壁に鳥居が立つこの島は、弁天島。以前は弁財天が祀られていましたが、現在は神武天皇の祖母にあたる豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。
稲佐の浜の砂は、出雲大社の「素鵞社(そがのやしろ)」に参拝するとお清めの砂(神の砂)と交換できます。おうちに持ち帰りたい人は、ビニール袋など、砂を入れられる容器をお忘れなく。
稲佐の浜いなさのはま
島根県出雲市大社町杵築北2711
https://www.izumo-kankou.gr.jp/213
神が集まり、縁を結ぶ「出雲大社」
大国主大神を主祭神に祀る出雲大社は、神々の国・出雲を代表する聖地であり、縁結びのご利益としても有名です。せっかく身を清めて訪れるからには、出雲大社の正門である勢溜(せいだまり)の大鳥居から入る正式ルートでの参拝がおすすめ。すべての社殿の参拝作法は、“2礼4拍手1礼”となります。
出雲大社の御本殿は1744年に造営され、1952年に国宝にも指定されています。その高さは約24メートル。出雲の地に伝わる最古の神社建築様式“大社造”で建てられた、日本を代表する木造建築のひとつです。
神楽殿・拝殿には大注連縄(おおしめなわ)が飾られており、神楽殿の大注連縄は長さは約13.6メートル、重さは約5.2トンもの大きさを誇ります。注連縄は結界を表す神聖なものなので、お賽銭を投げたりする行為はマナー違反です。
出雲大社いづもおおやしろ/いづもたいしゃ
島根県出雲市大社町杵築東195
0853-53-3100(8:30~17:00)
参拝時間:6:00~19:00、宝物殿8:30~14:30、ご祈祷9:00~16:00(受付開始8:30)
https://izumooyashiro.or.jp/
日本有数のパワースポットで特別な体験を
“日が沈む聖地”“神話のふるさと”と称される出雲は、神話と現実がつながる場所。「界 出雲」で聖地参拝に向けての“お支度”をすると、気持ちがリセットされて、なんだか視界がクリアになった気がします。
出雲大社の参拝を終えたあとは、しっかり休んで明日への英気を養ったり、出雲での体験を反芻したり、引き締めた気持ちをもう一度リラックスさせたいところ。そこであゆみさんとannaは、日本最古のひとつとされる美肌の湯、玉造温泉にある「界 玉造」を目指します。島根の魅力をさらに深堀りする、星野リゾートの旅第2弾は、2024年1月11日(木)ごろの公開予定です。お楽しみに!
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