その差は10倍!? カップルで知りたい「月経」にまつわる話|女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第7回
なんとなくの不調、見過ごしていませんか?
月経のリズム、気持ちの波、ちょっとした体のサイン。
女性の毎日には、理由のわからない「ゆらぎ」がつきものです。
この連載では、企業で働く女性たちの健康を長年支えてきた産業看護師が、
女性ホルモンと心と体のつながりについて、やさしく、ていねいにひも解いていきます。
「自分をもっといたわる」きっかけに、今日のお話を読んでみませんか?
今回は月経に関するお話の2回目。
不機嫌な女性に戸惑う男性も、ぜひ読んでみてください。
現代女性の月経回数は明治時代の10倍!?
明治時代以前の女性より、現代女性の月経回数が驚くほど多いことを知っていますか?
現代女性の生涯月経回数は450〜500回ですが、昔の女性はなんと50回程度だったと言われています。その差は約10倍!
「本当に?」と疑いたくなる方もいるかもしれませんが、これは事実です。
昔の女性は5人以上出産することも珍しくなく(乳幼児死亡率が高かったため)、結婚年齢も10代後半から20歳頃と早めでした。初産も20〜22歳頃です。
妊娠・出産・授乳期は当然月経が止まります。授乳が終わり次の妊娠をすると、また1年以上止まる。そんなサイクルが繰り返されていました。
月経回数は少なかったものの、多産による体への負担は非常に大きかったのです。
月経が増えたことで生まれる新たな悩み
では現代女性はどうでしょうか。妊娠・出産回数が減り、体への負担は軽減されたように思えますが、一方で月経の回数が劇的に増えたことが、新たな不調を生んでいます。
現代の日本女性の平均初産年齢は30歳。
つまり初潮から30歳頃まで、休みなく月経が繰り返されることになります。
繰り返す月経が引き起こす“やっかいな疾患”とは
月経とは、子宮内膜が血液と共に剥がれ落ちる現象です。
しかし剥がれた子宮内膜はすべて体外に出るわけではありません。
一部は卵が通る管(卵管)を通ってお腹の中に逆流し、マクロファージや好中球といった捕食細胞が処理しますが、月経を繰り返すうちに“食べ残し”が出てしまうことも。
すると、お腹の中のどこかに子宮内膜が付着し、女性ホルモンの影響で子宮外の場所で内膜が厚くなり、出血が起きる。これが「子宮内膜症」です。
子宮内膜症は強い月経痛やお腹の癒着、不妊の原因にもなる、非常に厄介な疾患。しかも女性にとっては、気づかないうちに進行してしまうこともあります。
子宮内膜症にはどんな治療がある?
第一選択肢として、低用量ピル(OC)の使用です。身長の伸びが止まっていれば高校生でも使用できますが、処方には婦人科医の診察が必要です。
低用量ピルは女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を含み、排卵を抑制します。そのため避妊効果が高く、副効果として子宮内膜が厚くなりません。
結果、月経が非常に軽くなり、腹痛や頭痛などの症状もほとんど消えます。子宮内膜症に悩む方も、症状の軽減や進行予防が期待できます。月経周期もコントロール可能で、まさに女性の強い味方です。
もっと軽やかに生きるための選択肢
子宮内膜症の予防には、妊娠を希望する時期まで早めに低用量ピルを使うのも効果的です。
ただし「禁煙」は必須。
服薬開始1〜2か月は静脈血栓症のリスクがあるため、水分をしっかりと補いましょう。一時的に悪阻のような気持ち悪さが続くことがありますが、これも1〜2か月で自然に軽減します。
あなたの人生をもっと軽やかにするために、これまでマイナスイメージを持っていた方も、低用量ピルを上手に活用してみてはいかがでしょうか。
教えてくれた人看護師マリリン
在阪企業の産業看護師として活動中
女性の健康のサポートの必然性を感じ、セミナーなど多数実施
女性医学学会認定女性ヘルスケア専門看護師 女性心身医学学会認定専門看護師
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