TOP ライフスタイル 涙の理由が明らかに。激やせ新人OLが抱えていたものとは? 女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第3回 

涙の理由が明らかに。激やせ新人OLが抱えていたものとは? 女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第3回 

2025.09.27

なんとなくの不調、見過ごしていませんか?
月経のリズム、気持ちの波、ちょっとした体のサイン。
女性の毎日には、理由のわからない「ゆらぎ」がつきものです。

この連載では、企業で働く女性たちの健康を長年支えてきた産業看護師が、女性ホルモンと心と体のつながりについて、やさしく、ていねいにひも解いていきます。

「自分をもっといたわる」きっかけに、今日のお話を読んでみませんか?

前編はこちら

第3回 激やせ新人OLの悩み 後編

前回ご紹介した美保さん(仮名・30代女性)。
20代前半で子宮頸がんを経験し、子宮と卵巣を摘出する手術を受けた方です。初めて健康管理室を訪れたときは涙ぐんでおられましたが、その理由は最後まで明らかにならず、私はもやもやとした疑問を抱えていました。

2回目の約束の日。美保さんは再び来室されました。
4人家族のご実家で暮らしていること、3か月に1回受診していることなどを話しながら、時折言葉を詰まらせて涙ぐみます。
「たくさん食べても太れないんです」とも口にしました。

「話を聴いてほしいことが、来室の一番の理由なのかもしれない」
そう感じながら、「これまでよく頑張ってこられましたね。困ったときはいつでも相談してください」と伝えて、この日の面談を終えました。美保さんはどこか満足そうな表情を浮かべていました。

健診結果が示したもの

しばらくして届いた美保さんの初めての健康診断結果を見て、私は驚きました。
低体重に加えて貧血、肝機能障害があり、中性脂肪やコレステロール値は異常に高い! まさに「飢餓状態」といえる結果だったのです。

保健指導でその点を伝えると、美保さんは静かに告白しました。
「大量に食べて、あとで隠れて吐いているんです。両親は、私が太らない体質だと思っています」

最初に見たとき、下膨れのように見えた頬。その正体は、繰り返す嘔吐によって唾液腺が腫れていたためでした。

――そうか。そうだったのか。
私はもっと早く、食事行動の問題を疑うべきだったのです。

彼女が求めていたもの

健康管理室に来た理由は、
「自分に注意を向けてほしい」「味方でいてほしい」
――そんな思いだったのかもしれません。

過食嘔吐は命に関わる危険な行為です。けれども、一人では抱えきれないようなストレスを支えるために、その行為に頼ってしまうこともあります。だからこそ、簡単に「やめましょう」と言うことはできません。看護職として無力さを痛感する瞬間です。

企業内の医療職にできることは、体調に注意を払いながら「見守っている」と伝えること。相談したいときにはいつでも向き合うこと。そして必要に応じて専門医につなげることです。

体重より大切なこと

体重の数字にこだわりすぎると、心と体のバランスを崩してしまいます。心身がバランスよく元気でいられる体重は、BMIという指標で表されます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)² で算出し、18.5以上25未満を「標準」としています。

BMIが18.5を下回ると、慢性的な低栄養による貧血、ホルモン異常による月経不順や骨粗しょう症、メンタル不調などのリスクが高まります。

体も心も健やかに保つには、何よりも栄養が欠かせません。
一度、ご自身の適正体重を見直してみてください。

【関連記事】激やせ新人OLが流した涙の理由とは? 女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第2回 

教えてくれた人看護師マリリン

在阪企業の産業看護師として活動中
女性の健康のサポートの必然性を感じ、セミナーなど多数実施
女性医学学会認定女性ヘルスケア専門看護師 女性心身医学学会認定専門看護師

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