TOP おでかけ 【和歌山】見られるのは今だけ?自然と伝統から生まれる「オレンジ色のカーテン」

【和歌山】見られるのは今だけ?自然と伝統から生まれる「オレンジ色のカーテン」

2022.11.05

柿の生産量1位(※)を誇る和歌山県。中でも和歌山県かつらぎ町には、“串柿”が作り上げる、伝統の風景があり、まるで青空に映える“オレンジ色のカーテン”のよう!

今回はそんな風景をみせてくれる串柿をご紹介。実は、日本神話にも出てくる“アレ”を模しているのだとか……!

※ 農林水産省 近畿農政局『令和元年産かきの結果樹面積、収穫量及び出荷量(主産県)』

■知ってる?「三種の神器」のひとつを模す串柿

画像:かつらぎ町

橙やお餅と一緒に鏡餅に添えられている串柿。古来、三種の神器のひとつとされている剣を表しているのだそう。それぞれ、お餅は御鏡、橙は勾玉を意味し、上から橙・串柿・鏡餅の順で飾られます。飾り終えたあと、昔は串柿も食べていたようですが、現在はお飾り用として利用されています。

串柿には主に『四ツ溝』という品種を使用します。一般的な柿は『富有柿』や『平核無柿』など、横に平べったい形のものが多いですが、『四ツ溝』はその名の通り、柿そのものに縦に4本の溝が通っている、丸い形をした品種です。

画像:かつらぎ町

串柿は、秋から冬にかけて手間暇をかけて作られています。『四ツ溝』を収穫したあと、まずは3~4日程度実を寝かせます。そうすることにより、形が安定し、綺麗な串柿になるそうです。寝かせたあとは、ひとつずつ専用の皮むき器で皮を剥いていき、実を乾燥させるために串を刺していきます。

干すことにより、渋みが抜け甘みが増し、保存に適した串柿へと変わっていきます。しかし、干すだけで“串柿の出来上がり”とはならず、実が雨に当たると、黒く変色してしまうため、天気が悪いときはすべて屋内へとしまうのだとか。すべて屋内にしまうだけでも、かなりの重労働ですよね。

画像:かつらぎ町

かつらぎ町では、約450年前から串柿が生産されていますが、現在は受注生産となりました。地域の高齢化や暮らしの変化と共に、後継者が少なくなってきたためです。

現在は地域おこし協力隊の方にお手伝いをお願いする等、他府県から担い手を呼び込む方法を模索中なのだそう。串柿は、身近な百貨店等に卸されているため、まずは鏡餅と一緒に購入することで、約450年続いてきた伝統を守る一歩に繋がりそうです。

■見頃は11月上旬~中旬まで!天気のいい日を狙って

画像:かつらぎ町

串柿は干されて水分が少しずつ抜けていくと、くすんだ色へと変わっていきます。そのため、“オレンジ色のカーテン”の見頃は11月上旬~中旬まで。その時期には、干したての丸くてツヤツヤした串柿が並ぶ景色を見ることができます。

串柿は農家の軒先に並んでいるため、誰でも見学可能。串柿の里となっている“四郷”の中で、道幅の広い“平地区”がおすすめです。平地区では、約300m程度串柿が並んでいます。

画像:かつらぎ町

『串柿の里』へ車で向かった場合、『平生活改善センター』を駐車スペースとして利用できます。駐車可能な台数は3台で、撮影場所までは、駐車スペースから上に道を上っていき徒歩5分程度で着くそうです。

道から串柿の撮影ができますが、串柿に触ると商品価値が落ちてしまいます。商品は触らず、個人宅の敷地内には許可なく入らないよう、マナーを守って撮影しましょう。

<スポット詳細>
平生活改善センター
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町平93

■やっぱり食べたい♡ 「くしがきの里」でお土産購入も

画像:かつらぎ町

“オレンジ色のカーテン”を見学したあとは、串柿を買って帰りたくなるもの。しかし、実際に串柿が販売されるのは例年12月下旬から。「串柿の販売時期まで待てない!」という方は、『平生活改善センター』から車で7分の場所にある『道の駅 くしがきの里』で食用の柿を購入することができますよ。

画像:かつらぎ町

すぐに食べることができる『富有柿』や『平核無柿(ひらたねなしかき)』のほか、干柿用の柿も販売されています。販売価格は時期にもよりますが、4個入で280円(税込)等、品種もさまざまなので、食べ比べ用に何種類か買って帰るのもいいですよね。

<スポット詳細>
道の駅 くしがきの里
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町滝53-1
電話番号:0736-25-0155
営業時間:9:00~17:00

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伝統が作り出した“オレンジ色のカーテン”。密集し整然と並んでいる串柿の光景は、まさに壮観です。ぜひ訪れてみてくださいね。(取材/文 ikeari)

【画像】
※ かつらぎ町

最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。





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