TOP グルメ 5年連続「日本のベスト50」に選ばれた、大阪の注目女性バーテンダーとは?

5年連続「日本のベスト50」に選ばれた、大阪の注目女性バーテンダーとは?

2021.07.14

関西で活躍する輝く女性にスポットライトを当てて紹介する『anna』の連載企画『あんな、ひと』。第2回目は、関西屈指のホテルバーに注目!

数々の大会に出場し、優秀な成績を収める女性バーテンダー・池上祐子さんに会いにいってきました。

■関西屈指の歴史を誇る「リーガロイヤルホテル」のバーとは?

画像:リーガロイヤルホテル

池上さんが働くのは、創業85年を超え、関西でも屈指の歴史を誇る大阪・中之島の『リーガロイヤルホテル』(旧:新大阪ホテル)。大阪を代表する格式の高いホテルです。

館内には、ショッピングギャラリー『パレロイヤル』のほか、ホテル直営レストランや老舗レストランの支店など、ショップやレストランが充実しており、宿泊者以外も充実した時間を過ごせます。

画像:anna

ホテル内には、2つのバーがありますが、今回お話をおうかがいした、池上さんが働く『セラーバー』は、英国調の重厚な雰囲気が漂うホテルバーです。1965年に開店、1971年には、それまで関西のホテルバーになかった、ボトルキープを初めて開始したバーだそうです。

画像:anna

広々とした店内には、多彩な世界の銘酒をラインアップしています。また『セラーバー』の中には専用キッチンがあり、シェフが常駐。

画像:anna

『セラーバー』に所属するバーテンダーは、現在6名。そのうちの池上さんと後輩の2名が女性です。これまで多くの女性バーテンダーが活躍していることも、『セラーバー』の特徴のひとつなんです。

■レジェンドバーテンダーに憧れて単身大阪へ

画像:anna

池上さんがホテルバーテンダーを目指したきっかけは、『リーガロイヤルホテル』のマスターバーテンダー・古澤 孝之さんの存在です。古澤さんは、大阪府が選定する『なにわの名工(平成28年度大阪府優秀技能者表彰)』にも選ばれた技術と実績があり、関西のバーテンダー界ではレジェンドと称される方。

当時、池上さんの働いていた地元、和歌山のバーを古澤さんが、たまたま訪問したことがきっかけで知り合ったそう。
古澤さんの著書も読んでいた池上さんは、古澤さんのいる『リーガロイヤルホテル』の『セラーバー』入りを決意し、面接に挑みます。

「一度決めたらすぐ行動する性格で、面接当日に大阪の住まいを決めていたんですよ」という池上さんの前向きな姿勢には、古澤さんも驚かれていたそうです。

■憧れのバーで働ける喜びで、勤務時間より早くお店に!?

画像:anna

「セラーバーで働けることがとにかくうれしくて、いつも勤務時間より早くお店にいました。貴重なお酒を豊富にストックするセラーバーの空間に、少しでも長く居たかったんです。最初は、掃除とかしか任せてもらえないのに(笑)」と22歳の自身を振り返る池上さん。

先輩の背中を見ながら基本から学び、1年後には、『HBA(一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会)』の資格を取得。「やっとスタートに立てた」という2年目から、少しずつカクテルなどを作り始めます。

『セラーバー』は、約140席という、大規模なキャパシティを誇ることもあり、多くの経験を積むには最適な環境。バーテンダーがフロアで注文を受けることが多いため、「お酒作りと同じように大切」とされる接客やコミュニケーションのスキルもアップしていったそうです。

■多くのカクテルコンテストに挑戦し、日本代表にも!

画像:anna

今では多数のカクテルコンペティションで受賞歴を持つ池上さんですが、「和歌山時代は、ウイスキーが好きで、カクテルはあまりやってなかったんです」と語ります。カクテルの注文が多い『セラーバー』だからこそ、受賞を支える技術が磨かれたんだそう。

ホテルでもカクテルコンテスト参加を応援してくれていること、ご自身のチャレンジ精神などから、年間5大会ほどのコンテストにエントリーしているといいます。

その結果、2017年に『HBA梅酒カクテルコンペティション2017』で優勝&ギャラリー賞を受賞したほか、世界的銘酒ブランドを有するRÉMY COINTREAU Limited主催の『LA MAISON COINTREAU 2017』では、国内大会で優勝し、日本代表としてアジア大会総合準優勝に輝いています。

画像:anna

さらに2020年には、世界的にも人気の高いリキュール『CAMPARI(カンパリ)』や『SKYY VODKA(スカイウォッカ)』などを取り扱うCT Spirits Japan株式会社が主催するカクテルコンペティション『CT SPIRITS JAPAN カクテルチャレンジ』において、ココカヌー部門にエントリーし、オリジナルカクテル『I&I(アヤナイ)』で最優秀賞を受賞されました。

■未来のレシピのために、休日はインプットの時間

「休日は映画を観たり、本を読んだり……。お酒は飲みますが、カクテルを作ったりはしませんね。食事を作るのも面倒なくらい(笑)」という池上さん。

バーめぐりなどを想像していましたが、お酒を“作る”行為とはちょっと距離を置いているそうです。

画像:anna

しかし、映画鑑賞や読書の趣味はカクテル作りにもつながっているそうで、「映画や小説のストーリーがオリジナルのレシピを創作するときのヒントになることもあるんですよ」と池上さん。

「たとえば、今回『I&I(アヤナイ)』を披露した大会では『ココカヌー』というジャマイカンラムをベースに作られたココナツリキュールを使用することが条件でした。そこで、現地でよく飲まれている『ローゼル』(ハイビスカスティー)やジャマイカの郷土料理『ジャークチキン』をイメージしたスパイスを加え、カリブ海地域を彷彿させるカクテルに仕上げています」

このような発想力は、映画や本といったエンターテイメントを楽しむことで醸成し、引き出しとして蓄えているそうです。

■世界最大級の大会でさらなる挑戦へ

画像:anna

「バーテンダーにとって、お酒を作るのは、当たり前、一番大切なのは、お客様との空間を作ること」という池上さん。誕生日や記念日、プロポーズの瞬間など、数多くの人の幸せな場面に立ち会えることは、ホテルバーだからこそできた経験です。

「お客様がこれまで体験されてきたドラマチックなお話をうかがうことも多く、会話が一番の楽しみ」と笑顔で語り、希望や情熱にあふれた入社直後に負けないくらい、今でもカウンターに立つのが楽しいそうです。

画像:anna

「今、目指しているのは、カクテルの出来映えや技術のみならず、プレゼンテーションスキルやホスピタリティ能力、バーテンダーとしてのパーソナリティ全てが審査の対象となる世界最大規模のコンペティション『DIAGEO WORLD CLASS』で、過去の成績を超えること」 2020年は中止だったものの、56の国と地域を代表するバーテンダー25,000人以上が参加するこの大会で、池上さんは初めてエントリーした2017年以降、連続して国内TOP50に選出されています。「さらに上に突き抜けたい」と今後の意気込みを語ってくださいました。

これからも歴史あるホテルバーで貴重な経験を積んで技術力を磨き、お客様との出会いや新しい発見から創作力を高めて夢や目標を叶えていくことでしょう。池上さんの輝き続ける姿や生み出すカクテルから今後も目が離せません!

画像:anna

<詳細情報>
セラーバー
住所:大阪府大阪市北区中之島 5-3-68 リーガロイヤルホテル 地下2階
電話番号:06-6448-0327
営業時間:14:00~20:00(L.O.19:00)
定休日:日曜日~木曜日
※営業時間は変更、臨時休業の場合があります。HPで最新情報をご確認ください。

■池上さんが最優秀賞を受賞したオリジナルカクテルはこちら

『I&I(アヤナイ)』(2,420円・税、サービス料込)

画像:anna

ジャマイカ発祥として知られるレゲエ音楽によく登場する『I&I』という言葉をモチーフに、ココナッツフレーバーの熟成ホワイトラム『ココカヌー』とカリブ海地域の食材などを組み合わせて仕上げられたカクテルです。

フローラルな香りとひと口目の甘い味わいが特徴で、ハイビスカスティーの爽快な酸味の余韻が心地よい一杯です。

※季節により内容や装飾を変更する場合があります。

■「セラーバー」にはおすすめメニューがたくさん♡

『織陣(おりじん)85』(3,025円・税、サービス料込)

画像:リーガロイヤルホテル

リーガロイヤルホテルのマスターバーテンダー・古澤孝之さんがホテルの創業85周年を記念し、生み出したオリジナルカクテルです。

鮮やかな朱色の層は、パッションフルーツリキュールがメインの『コーディアル』に、トロピカルフルーツやトマトのジュースを合わせた、爽やかで優しい味わいのスムージー。その上に、ハーバルな香りのチーズフォームを浮かべています。ホテルメインロビーの大絨毯からイメージしたという、鮮やかな紅葉模様が美しく、目でも楽しめますね。

『茶そばサラダ』(1,936円・税、サービス料込)

画像:リーガロイヤルホテル

海老やキュウリなど具材がたっぷりのった茶そば、セラーバーオリジナルの和風ドレッシングをかけた一品。お酒を楽しんだ後のシメとしても人気のメニューです。

画像:anna

今回は『リーガロイヤルホテル』にある大人の贅沢な秘密基地、『セラーバー』でシェーカーを振る池上さんの素顔に迫りました。

【関連記事】おいしいだけじゃない!1個3,000円台「究極のショートケーキ」を作るパティシエの素顔

『あんな、ひと』では、次回も関西で活躍する女性にスポットライトを当て紹介します。お楽しみに!(取材・文/高田強・撮影/井原完祐)

【画像・参考】
※リーガロイヤルホテル
※anna





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