ヘラでギュウギュウ押すのはダメ?科学的に検証「お好み焼き」の正しい焼き方
お好み焼きを焼くときに、「ヘラでギュウギュウ押しちゃうのはダメ」って言いますよね。押してしまうと、空気が抜けてふんわり感がなくなってしまうイメージですが、でも、これって本当なのでしょうか?
2019年1月3日(木)放送の読売テレビ『超絶!食べテク レボリューションいただきマスターズ!!』では、なんとなく信じてしまっている、お好み焼きの“食の通説”を科学の力で解明!
果たしてお好み焼きは本当に押さないほうがいいのでしょうか?
■まずはお好み焼き店での焼き方をチェック!
まずは、東京都内のお好み焼き人気店『ろくもんや』で、プロによる作り方を調査!
たしかに、お好み焼きをひっくり返した後は、ヘラで全く押すことなく完全放置していますね。
お店の方によると、お好み焼きは空気を入れて、ふんわり焼くのが基本だそう。ヘラでギュウギュウ押すと、形が崩れ空気が抜けて、おいしくなくなってしまうそうです。
■「CTスキャン」でお好み焼きの内部に含まれている空気を確認!
果たして本当に潰してしまうと空気が抜けてしまうのか!?
そこで科学的に検証するために、先ほどの『ろくもんや』さんで、通常のお好み焼きとヘラで潰して焼いたお好み焼きの2種類を用意してもらい、都内の病院へ。なんと『CTスキャン』でお好み焼きの内部を調査することに!
CT断面の画像を確認。この黒い断面が“空気”なのですが……たしかに、潰さずに焼いたお好み焼きは空気がたっぷり入っていることがわかります。
一方、ヘラで潰して焼いたお好み焼きの中の空気は、明らかに少ないことが明らかに!
やはり、ヘラで潰さずに焼いたお好み焼きのほうが、中に空気が残り、ふんわり仕上がるようです。
■時間がたつと「ふんわり」しなくなる!?
しかし、街にはお好み焼きを“ヘラで潰して焼く”派も多数存在。ふんわりしたものよりも、ペタッとしたほうがおいしいと感じるのだそう。
そこで今度は、群馬県の高崎健康福祉大学へ。調理科学の権威である綾部園子教授にお話を伺うと、「ふっくらしているのは焼き上がり数分だけ」なのだそう。つまり、時間がたつとふんわりしなくなるのだとか!
そこで、『テクスチャー プロフィール ユニット』という固さと弾力を数値化するハイテクマシンを使って、ふんわり焼いたお好み焼きと、ヘラで潰したお好み焼きを調べます。10分おきに2種類のお好み焼きの固さと弾力を見ていきます。
すると、ふんわり焼いたお好み焼きは、時間がたつとともに、凝集性の値が上昇。これは生地が固まってふんわりとした食感が失われていくことを表しています。お好み焼きの“通説”の弱点を発見。
一方で、ヘラで潰して焼いたお好み焼きは、凝集性の数値がほとんど変わっていません。生地の固さの変化はほとんど見られず、さらに2つのお好み焼きのやわらかさは時間とともに近づいていくという結果に!
綾部教授にその理由を窺うと、加熱されたキャベツから出た水分には糖分が含まれているからとのこと。小麦粉などのでんぷん性のものは糖分を加えると食感が持続するという性質を持っているのです。
そのため、潰したことで食感が持続したと考えられます。またヘラで押した方が保温状態がよいという結果も出ているのだそう。
■結論:すぐ食べるなら「潰さない」、長時間楽しむなら「潰す」のがおいしいお好み焼きの食べ方
以上の実験から、潰さずに焼いたお好み焼きは、出来立てのふんわり感を楽しむのに適していることがわかりました。
しかし、時間とともに固いお好み焼きに。お酒と共に長時間楽しみたい方、持ち帰って食べたい方はヘラで押して焼くのがおすすめです。
いかがでしたか? 意外な結果に驚きですよね。今後お好み焼きを焼く際は、出来立てをすぐに食べたいのか、長時間かけて味わいたいのかによって、焼き方を変えて楽しんでみてくださいね。(文/anna編集部)
【画像・参考】
※ 読売テレビ『いだだきマスターズ!』(2019年1月3日(木) 23時00分~)
この情報は記事公開時点のものです。