ビタミンCは効果あり?なし?感染学の専門家に聞いた「風邪の新常識」3つ
寒い冬の季節の大敵である風邪やインフルエンザ。今年も大流行していますよね。
病院に行くほどではないけれど、ちょっと風邪をひいてしまった……そんなとき、風邪の市販薬を飲んだり、ビタミンCをたくさんとったりなど、さまざまな方法に頼ることはあるのではないでしょうか。
でもこれまでは“常識”と考えられている治療法も、実は時代の変化とともに、その考え方が変わりつつあるんです。
そこで今回は、2018年11月20日に放送された読売テレビ『朝生ワイドす・またん!』の人気コーナー『まるトクZIP!』より、風邪をひいたときの新常識を、大阪大学 医学部付属病院の感染学の専門家・森井大一先生に教えていただきました。果たしてこの常識はウソ? ホント?
■常識1:市販の風邪薬で風邪は治る?
風邪を引いたらまず市販の風邪薬を飲む、という方も多いのではないでしょうか?
しかし実は、風邪薬には“治療効果”はないと言われているんです!
風邪薬には、熱を下げる、たんを多く出すなどの“症状を緩和する効果”はありますが、風邪そのものを治すというものではないのだとか。
それよりも、栄養・水分補給をしっかりとして、たっぷりと体を休めてあげることが何よりも大切です。
■常識2:ビタミンCをたっぷりとるのは効果あり?
とにかく「ビタミンCを摂取すれば風邪が治る!」と言われて、風邪のときは果物などを積極的に食べるという人もいるのではないでしょうか?
森井先生によると、実はビタミンCと風邪の治療には何も関係がないのだそう。
最近出た有名な医学専門誌の論文(※)でも、ビタミンCの有効性を示す証拠は無いとされています。そのため、現時点ではビタミンCが、風邪を治すことはないという結論です。
ただし、森井先生いわく、ビタミンCには抗酸化作用があるため、老化を防ぐ効果があるとのことです。
■常識3:無理矢理汗をかくと治る?
汗を出したら治るというのは、完全な勘違いだそう。ましてや、無理に運動して汗をかくのはやめましょう。
身体が風邪ウイルスをやっつけるとき、体温が上がり、汗をかきますよね。この回復の兆しである汗をを勘違いして、「無理矢理運動して汗をかいたら治る!」と思いこんでいる方も多いようです。
風邪をひいたときは、余計な体力を使わないようにして、ゆったりと身体を休めることに専念してくださいね。
いかがでしたか? 常識と思っていることも意外と間違っているものですよね。正しい知識で、健康的にこの冬を乗り切ってくださいね!(文/藤田真奈)
【参考】
※ 読売テレビ『朝生ワイド す・またん!』(月曜~金曜 5時20分~)
※ What treatments are effective for common cold in adults and children? - the BMJ
【画像】
※ 読売テレビ『朝生ワイドす・またん!』
※ leungchopan/Shutterstock
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