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空中列車が行き交う橋梁が息づく町・余部を歩く

「たじま途中下車の旅」~餘部駅編~

兵庫県美方郡香美町にある余部(あまるべ)地域。
集落の中央にそびえる余部橋梁がシンボルです。
余部地区のどこにいても橋梁を感じることができるほどの存在感です。
高さ41mの上空に行き交う列車は、乗車すると空中を走っているような感覚にもなります。
そんな余部橋梁のそばにある「餘部駅」を途中下車して歩いてみましょう。

 

①餘部駅

餘部駅は、余部橋梁の西側、同じ高さ約41mのところにあります。

駅の開業は、昭和34年(1959年)と山陰本線の中では新しく、地域住民の強い要望により駅の設置が実現しました。
開業まで余部集落の住民は、列車の合間を縫って徒歩で余部橋梁を渡り、トンネルをくぐって隣の鎧駅まで行ったというから驚きです。
香美町香住区の余部地区にある駅ですが、駅名は旧仮名遣いの「餘部」が使われています。
これは、JR姫新線にある「余部(よべ)駅」(姫路市)との重複をさけたためだそうです。

 

無人駅で改札はなく、コンクリート造りの簡易な駅舎があるだけです。
とはいえ餘部駅は、とても人気のある駅だそうで
山陰本線のいくかの駅舎に置かれている「駅ノート」の書き込みは、一番多いようです。

 

旧余部鉄橋

約100年間JR山陰本線の運行を支えてきた旧余部鉄橋の写真です。(2008年撮影)
この鉄橋は、2年半の歳月と巨額の予算を投じて、のべ25万人の人々の手によって1912年(明治45)に完成しました。
高さが約41mもある巨大な橋梁で、険しい山と入り組んだ山陰海岸に、最短距離で鉄道を通すにはトンネルを多用するほかありませんでした。当時は掘削の技術も低く、なるべくトンネルの距離を短くするために標高の高いルートが選ばれ、谷間にあたる余部地区には、このような高さのある鉄橋が架けられることになったそうです。

餘部駅から浜坂駅の間にある桃観トンネルとあわせて、山陰線最大の難工事といわれ当時の最先端技術が結集しました。トレッスル式といわれる橋梁として日本一の規模を誇り、多くの鉄道ファンから愛されていましたが、列車運行の安全性向上などを理由に2010年(平成22)に現在のコンクリート橋梁に架け替えられました。

余部鉄橋の歴史は香住観光協会のサイトをご覧ください。

 

②余部鉄橋「空の駅」

旧余部鉄橋で使われていた線路や橋脚の一部が、現在の線路と並行して残されており
余部鉄橋「空の駅」として人気の観光スポットとなっています。

 

空の駅から見える絶景

余部鉄橋「空の駅」から眺める余部集落と日本海は絶景です。
余部集落は、日本海からの風除けのため屋根が同じ方向を向いて建てられていることがわかります。

 

③余部クリスタルタワー

空の駅と余部集落は、余部クリスタルタワーというエレベーターでつながっています。
エレベーターのわきには海をのんびりと眺めることのできるベンチが設置されています。

 

エレベーターは、全面ガラス張りのとなっており、乗りながら絶景を楽しむことができます。
約40秒ほどで、地上に到着します。

【余部クリスタルタワー】
利用時間:6:00~21:30(無休)
高さ:47m
定員:15名
※新型コロナウィルスの影響で定員が減少している場合があります。

 

余部クリスタルタワーのエレベーターを出て振り返ってみるとその高さがわかります。
エレベーターの周囲には、旧鉄橋の橋脚が3本残されています。

このエレベーターができるまで、駅を利用するためには急こう配の坂道を歩かなければなりませんでした。
クリスタルタワーは夜になると季節ごとに色を変えてライトアップされ、幻想的な雰囲気となります。

クリスタルタワーライトアップの様子

 

④橋梁の下の公園

余部クリスタルタワーを降りた余部橋梁の下には、子どもが遊具などで楽しめる公園があります。
公園に設置されているベンチは、旧余部鉄橋の一部を利用したものです。
真夏は激熱になることもあるようで注意が必要ですが、座って旧鉄橋を偲ぶことができます。
その他にも、旧鉄橋で使われていた線路の枕木なども公園で使用されています。

 

公園の一角に…

橋梁下の公園の広場の一角に怪しげな小屋があります。
なにかがいるのでしょうか?

 

そこには・・・

そこには、カメの余部鉄橋空の駅「かめだ そら」駅長がいました!
ケヅメリクガメという種類で、運が良ければお散歩やお食事タイムなどに出会えるそうです。

近くの道の駅の壁には、かめだそら駅長の時計がありました。
新型コロナウィルス対策のマスクもしっかりと着用していましたよ。
1時間おきに地元の幼稚園児が歌う童謡「うさぎとかめ」が流れて心が和みます。

 

⑤道の駅あまるべ

橋梁下の公園から、歩いてすぐのところに道の駅あまるべがあります。

旧余部鉄橋の模型やパネルを展示していたり、海産物などのお土産のほか食事処では地元特産の新鮮さ素材を生かしたメニューを楽しめます。

こちらは道の駅あまるべならではの人気のお土産で旧余部鉄橋の鋼材を使ったペーパーウェイトです。。
かなりずっしりきます。。歴史の重みといったところでしょうか

道の駅あまるべのイチオシグルメといえば「たじま魚(とと)カツバーガー」です。
地元でとれたニギスのすり身をフライにしたものを挟んだバーガーで、魚の臭みはまったくなくおいしいです。
ランチでも小腹がすいたおやつにもぴったりです。

【道の駅あまるべ】

住所:兵庫県美方郡香美町香住区余部1723-4
電話番号:0796-20-3617
営業時間:9:00~18:00(夏期19:00まで)
食事:11:00~15:00
定休日:無休

 

五反畑橋

道の駅あまるべの前の道路を渡ると、五反畑橋があります。
この橋を渡った先を右折すると「JR鎧駅」に通じる「たかのすの森遊歩道」があります。
約3kmを1時間の道のりで歩くハイキングコースで途中には展望台があり、余部橋梁や日本海を眺めることができます。
今回は、左折して川を河口方面に下っていきます。

たかのすの森遊歩道散策の記事はこちら

 

⑥弁天橋

余部橋りょうの下をくぐって、川沿いを河口に向けて歩いていくと、旧鉄橋を彷彿とさせる朱色の欄干の橋が見えてきます。
橋のたもとの岩の上には、小さな祠が祭られています。
これは漁業の繁盛と安全を祈願する弁天さんで、この橋も弁天橋と名付けられています。
この橋から、日本海がのぞむことができます。

 

⑦旧余部鉄橋の橋げた

弁天橋を渡って、少し川沿いに上った余部橋梁の真下に旧余部鉄橋の橋げたが保存されています。
看板も設置されていて旧余部鉄橋について詳しく知ることができます。

旧余部鉄橋は、朱色に統一された色合いが特徴で、日本海から吹く潮風でさびないように「橋守」と呼ばれる人が常駐し何度も塗料が塗りなおされていたそうです。

 

海沿いを歩くと…

河口へ向けて歩き海沿いを歩いてみると
右を見ると日本海、左を見ると迫力の橋梁で景色に飽きません。
余部湾の東側にある半島を「さわり鼻」といい、日本海が形成されたころの大昔の地層がバームクーヘンのような美しい縞模様を見せています。

 

平家のかくれ里「御崎地区」へ向かう分岐

余部集落を海沿いにそって歩くと、海方向へ向かって右折する道路に出会います。
この道路にそって車で10分ほどいくと陸の孤島で、平家のかくれ里といわれる御崎地区に行くことができます。
今でも1月28日には、平家の再興を願う「百手の儀式」が行われています。

「百手の儀式」の記事はこちら

また余部埼灯台は、日本一の高さ(海面から光源までの距離)の灯台として有名です。
さすがに歩いていくのは遠いので、少し歩いたところにある伊伎佐神社へ行きます。

 

⑧伊伎佐神社

集落の氏神である伊伎佐神社は、歴史が古く文武天皇の時代に疫病を鎮めるために創建されたといわれています。

伊岐佐神社の狛犬は牙や爪、目、咥えている玉などが金色に装飾されていました。
口の中の玉は、ころころと動きます!!
ちなみにもう一対の狛犬は、銀色の装飾がされていました。

 

伊岐佐神社から余部橋梁をのぞみます。
少し離れましたが、橋梁の存在感は健在です。

 

橋梁撮影スポット

伊伎佐神社から餘部駅に戻る前に、少し国道を右にそれると、田んぼと集落、橋梁、クリスタルタワーの全景がおさめられる撮影スポットがあります。
稲刈り前の時期に撮影したので、田んぼが金色の絨毯みたいですね。
四季折々の風景が楽しめそうです。

 

⑨余部集落

帰りは余部集落の中を通って餘部駅に戻ってみましょう。
海沿い集落特有の焼き杉板の家並みと隙間から見える余部橋梁が楽しめます。
集落周辺には、何軒か民宿もあり地元の海の幸を堪能できます。

 

徒歩で餘部駅へ…

帰りも余部クリスタルタワーのエレベーターに乗って上がれば楽ちんですが、駅まで歩いてのぼる道もあります。
この道は、今はきれいに整備されていますが、余部駅が建設される際、少しでも経費の負担を減らすため地域の大人や子どもたち総出で作られた道で、ホームの基礎石も、この道を通って浜から運び上げられたとのことです。
今回は、がんばってここから登ってみたいと思います。

 

分岐点

途中に分岐があり、駅に向かう道と展望台(撮影スポット)へ行く道に分かれます。
今回のゴール地点である展望台に向かいたいと思います。

 

⑩展望台

120mほど行くと見晴らしのいい高台の展望台に到着します。

展望台からは、余部橋梁と鉄道、余部集落、青い空、青い海すべてをフレームに収めることができます。
鉄道の写真を趣味にされる方からは人気の撮影スポットとなっているようです。

 

集落のどこにいても、余部橋梁の存在を感じることのできる余部地区、まさに「橋梁が息づく町」です。
橋梁をいろいろな場所から眺めたり、歴史ある旧鉄橋の面影に触れたりと、餘部駅は途中下車するには最適の駅でした。

 

たじま途中下車の旅~余部駅編~散策マップ

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