
【大阪・関西万博】シグネチャーパビリオンのプロデューサーたちが語る制作秘話とは?
「シグネチャーパビリオン」とは、大阪・関西万博会場の真ん中に設置された、各界で活躍する8人のプロデューサーが主導するパビリオンのこと。2025年4月2日(木)には、そのシグネチャーパビリオンの内覧会が行われ、8人のプロデューサーが集結。それぞれの思いや見どころを語りました。
各プロデューサーがそれぞれの思いを伝える

映画作家 河瀨 直美氏のパビリオンは「Dialogue Theater -いのちのあかし-」。河瀨氏は、パビリオンは建物が3棟あること、150名がシアターに入り、対話を繰り広げるものであることを明かします。建物は廃校になった校舎を移築していて、古いものと新しいものの融合でできていると説明。古い時代、育んでくれたものたちにフォーカスして、記憶を移築して新しい未来に重ねていく、そんなパビリオンになったと胸を張りました。

そして、開幕の日は世界中の人がここに集まり、リアルに集まれることを喜び合う日に、そして最終日には自分たちの場所でしっかりと生きてまた会おうね、といってお別れできるのでは、と話すと、この先私たちが進める一歩をどの方向にするのかを考える場、そういう豊かな場にしたいと力を込めました。

放送作家、京都芸術大学副学長 小山薫堂氏のパビリオンは、「EARTH MART」。小山氏は、命をつむぐために、どれくらいの命をいただくのか、それを体感していただくパビリオンと話すと、未来に向けて人間がどういう食べ方をしていけばいいのか、それに気づいて、考えてもらうと話しました。そして来場者全員に25年後に受け取れる「タイムカプセルのような」梅干しをプレゼントしようと思っていると明かしました。

万博にかける意気込みについては、一人でも多くの子供たちに来場していただき、命のことをいろんな視点から考える、いろんなことに気が付く、そういう場になれば、と話しました。そして、命をつきつめれば感謝の気持ちが生まれる、そういうものをこの会場から持ち帰ってもらって、行動変容につながればいいと続けました。

アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエーター 河森正治氏のパビリオンは「いのちめぐる冒険」。たくさんの命がどんな形でつながり、共鳴し合っているのかをテーマにしていると河森氏。命は合体、変形がコンセプトと話すと、魚を食べれば魚と合体、太陽の日差しが暖かければ太陽と合体、そうして自分というものが形成されていると説明。パビリオンについては、直接体験していただかないと伝わらない、ぜひ来場して体験をと呼びかけました。

さらに河森氏は、自身が子どものころに万博に行ったことで現在の仕事についたことを明かし、新しい時代に向けての何かのヒントになればと話します。そして、進歩や発展と命の輝きは別の軸だと思う、それを立体的に組み上げて、新しい時代をつくっていけるような、そんな時代がくればと思っていると話しました。
万博にかける意気込みについても言及

命とは何かに真正面から取り組んだと話したのは、生物学者、青山学院大学教授の福岡伸一氏。福岡氏のパビリオンは「いのち動的平衡館」。動的平衡とは、命は流れの中にあるということ、自分の命をつくりつつ、絶えずそれを他の生命に手渡す流れのことと話し、世界初の立体シアターで、それを体験できるとアピール。命がどこから来て、どこへ行くかの気づきにもなると考えていると話しました。

そして、命が輝くのは有限だからと考えていると話し、命の問題を問うとき、死の問題も問い返さなければならないと伝えると、パビリオンでは死の意味を肯定的に捉えるよう提案している、見てのお楽しみなので、いっしょに死の意味を考えていきたいと語りました。

メディアアーティスト 落合陽一氏のパビリオンは「null²」。落合氏は「いのちを磨く」がテーマであり、「全体が鏡でできたどでかい彫刻になっている」と話すと、こういう建築物は万博でしか作る機会がないと発言。そして外は鏡の彫刻のような感じで、中は日本最大級のLEDシアターと明かし、パビリオンの中身についても、現実とデジタルの境界線があやふやになる、自分のコピーと対話する体験、そのコピーを持ち帰って会話できると説明。不思議な体験が待っているのでぜひご来場いただければと話しました。

万博への意気込みについては、万博にしかないもの、万博でしかできないようなスケールのものを作るのが一番重要と改めて力説。ここでしかない、ここでしか体験できないものを見極めて、展示を見てもらえたらと話すと、なぜここに展示されているんだろうと問いかけて、それに応えられるものはいいものがほとんど、と話しました。

「いのちの遊び場 クラゲ館」のプロデューサーは、音楽家、数学研究者、STEAM 教育家の中島さち子氏。中島氏はパビリオン内部について説明しつつ「遊びながら体験してもらえるものがそろっている」と話すと、「ワークショップやライブをして、世界中の人とつながり会える場所を目指している」と期待を込めました。

そして万博にかける意気込みを問われると、「弱かったり、小さかったり、少なかったりするものの価値が爆発する万博にしたい」と希望を語ります。さらに、いろんな文化、立場の人が混じり合って、何が生まれるか、そういうワクワクを持ち帰られるような万博にしたいと訴えました。
「いのち」をテーマにそれぞれのアプローチでつくられたパビリオン

大阪大学教授、ATR 石黒浩特別研究所客員所長 石黒 浩氏のパビリオンは「いのちの未来」。石黒氏は、パビリオン内が3つのゾーンに分かれていることを明かすと、メインはゾーン「2」であることを明言。2075年にどういうプロダクトが登場して、どういう生活を営むことができるのかを、感動的な物語の形式で展示していると話し、期待してくれれば、とメッセージ。

さらに石黒氏は、万博のいちばん大事な意義は、みんなが責任を持って人間社会の未来を考えることと話すと、一人ひとりが未来をどうしていきたいのか、具体的なイメージを持って次の50年に引き継いでいく、そのヒントがこの万博に隠されていると話しました。

屋根も天井もないパビリオン「Better Co-Being」のプロデューサーは、慶応義塾大学教授 宮田裕章氏。宮田氏はパビリオンについて、五感を通して感じてもらえればと説明。そしてその場で虹を立ち上げるという仕組みがあることを明かすと、雲が少しでも入ると虹が出ない、虹をいっしょに作ることから未来をどう歩むのか、それを体験してもらえればと話しました。

万博にかける意気込みを、という声には、1970年の万博と違うのは、世界中がどんな未来になるのか混迷のなか、誰も未来を提示できていない、未来はなんなのか? 世界中の国が持ち寄る万博になっていると説明。未来に向けて何が新しい価値を作るのか、それを考える万博になっているのでは、と話しました。
\from Writer/
8人のプロデューサーが手掛けた「シグネチャーパビリオン」。建物も内容もまったく違ったそれぞれのパビリオンですが、万博会場の中央に位置していて「いのち」をテーマにしていることは共通しています。世界を牽引するプロデューサーたちの思いが詰まったパビリオンは必見ですよ!
EXPO 2025 大阪・関西万博
開催期間:2025年4月13日(日)〜10月13日(月)184日間
開場時間:9:00〜22:00
開催場所:大阪・夢洲(ゆめしま)
交通:Osaka Metro中央線「夢洲駅」すぐ
公式サイト:https://www.expo2025.or.jp/
現在開催中の「大阪・関西万博」の様子をもっと深く知りたい方には、「anna厳選!万博ニュース」をチェック!
現地取材を通じて、各パビリオンの魅力や最新情報を詳しくお届けしています。

また、annaでは万博特集「大阪・関西万博まるわかりガイド」も公開中!
これからも続々と公開される「anna厳選!万博ニュース」とあわせてご覧ください ♡
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
必見!annaとっておき情報をご紹介♡【AD】
■今大注目!大阪・関西万博でライブを披露したタイのボーイズグループ「BUS」に初インタビュー!
■【2025年おでかけ】神戸・ベイサイドで「アトア」と最新スポットをハシゴめぐり♡