気象予報士・蓬莱さんが教える「今年の台風の特徴と注意点」
毎年8月、9月に多い自然災害といえば、台風。日本に上陸すれば、大きな被害をもたらすこともあるため、十分注意したいものです。
そこで今回は、読売テレビ『かんさい情報ネットten.』のお天気コーナー『スケッチ予報』でおなじみの気象キャスター・蓬莱大介さんに9月以降に発生する台風の特徴と注意点を教えていただきました。
■秋の台風は風に勢いがある上に速い!
──これからの時期に多い台風の特徴を教えてください。
9月以降の台風は秋台風と呼ばれ、速度が早く、風に勢いがあることが特徴です。8月に多い、比較的ゆっくりと時間をかけて進む夏台風とは特徴が異なるため、油断は禁物です。
──9月の台風はなぜ風に勢いがあるのでしょうか?
上の図のように、西から東に吹く偏西風が秋にかけて太平洋高気圧南に下がる影響で、日本のちょうど上空で強い風が吹くことが原因です。その風に引っ張られて、台風が速度を上げて接近してくるんです。
勢いがある分、上陸すれば、様々な災害を招く危険があるので要注意です。
──8月の台風とは種類が違うんですね! 暴風によって引き起こされる様々な災害に注意が必要ですね。
■台風発生から3、4日で上陸する可能性大! こまめに進路の確認を
──前回の台風15号のように台風発生から数日で上陸することも考えられますか?
あり得ます。通常、台風のもととなる熱帯低気圧は赤道付近の海上で発生して、台風へと形を変えて日本にやって来るのですが、今年は海の温度が平年よりも高く、日本の近くの海上でも発生しやすい状態にあります。
日本の近くの海上で台風が発生した場合、日本への接近・上陸までの時間が短く、台風15号のように3、4日で上陸する可能性も十分考えられるため、気象庁のホームページやテレビの天気予報などで台風の進路を確認するようにしてくださいね。
──台風の進路を確認する時には、進路予想図のどこを見たら良いのでしょうか?
予報円を見てください。予報円は、台風の中心がどこを通るかを予想したもので、70%の確率でその中を通過すると言われています。速度を上げてやってくることもあるため、台風が発生した情報がわかったら、毎日進路をチェックするようにしてくださいね。
■台風の被害を抑えるためにできることは?
──台風が近畿地方に上陸した場合には、昨年9月に上陸した台風21号の時と同じような被害が想定されるのでしょうか? 対策として事前にできることを教えてください。
昨年の台風21号はまさに秋台風そのものですね。9月以降に台風が上陸すれば、強風や高潮、停電など様々な被害が予想されます。
対策として出来ることは、ベランダなど家の周りに置いてある物の整理です。もし飛ばされやすい物があれば、家の中に片付けるなどしてください。あと、外部から物が飛んで来ることを考え、雨戸を閉めることも大切です。雨戸がついていないお家では、段ボールを内側に貼ったり、カーテンを閉めるなどして対応してください。
──自分自身や家族の身を守れるだけでなく、誰かを怪我や事故に巻き込まないためにも、事前の備えは必須ですね。
■警報や交通手段に影響がないか調べたい時は一括検索がおすすめ
──住んでいる地域で警報が出ていないか、交通手段に影響が出ていないか確認したい時におすすめの調べ方を教えてください。
おすすめは、上記の画像にあるウェブサイトです。警報・避難所・道路・交通・ライフラインの情報が一つのページで検索できて、とても便利ですよ。
──避難情報や交通情報が一括検索できるのは、いざという時に便利ですね。
風に勢いがあり、上陸すれば様々な災害が予想される9月以降の秋台風。万全の備えで被害を最小限に抑えたいですね(文/原田静香)
【取材協力】
※ 蓬莱大介さん・・・2011年より読売テレビの気象キャスターを担当し、現在は『情報ライブ ミヤネ屋』、『かんさい情報ネット ten.』、『ウェークアップ!ぷらす』に出演中。翌日の天気のポイントをイラストで教えてくれる『スケッチ予報』では、ユーモア溢れるイラストが大人 気!
【画像・参考】
※ 読売テレビ『かんさい情報ネットten.』(月曜~金曜 夕方4時47分~)
※ 蓬莱大介/ウェザーニューズ/anna