TOP ローカル 奈良 〈奈良名物〉修験の山・大峯山の麓で古から受け継がれてきた胃腸の妙薬『陀羅尼助丸(だらにすけがん)』

〈奈良名物〉修験の山・大峯山の麓で古から受け継がれてきた胃腸の妙薬『陀羅尼助丸(だらにすけがん)』

自然の宝庫、世界遺産「大峯山」の麓で役行者が伝授・継がれてきた妙薬

「良薬は苦し」の代表、胃腸の妙薬『陀羅尼助丸』をご紹介します。

おなかが痛いとき、胃もたれや吐き気、腹下しをしたら、関西圏では「だらにさん」「だらすけ」の世話になって大きくなった人が多いといい、家庭の常備薬として重宝されていた「陀羅尼助」。

この「陀羅尼助」は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道・大峯奥駈道」の拠点・大峯山(1720m)の麓の洞川(天川村)で作られてきました。大峯山は、修験道の祖と言われる役行者(飛鳥時代)が開山、白鳳年間に疫病がはやったとき、山中のキハダという木の皮を煎じて薬を作り、人々を救ったと伝わります。その製法を洞川の村人に伝授し、江戸時代には和漢胃腸薬の妙薬として民衆に広まっていったとされています。

雪の大峯山

自社抽出エキスを手作業で煮詰めた名薬
昔ながらの成分・製造法による陀羅尼助

現在、洞川では13軒の販売店がありますが、昭和56年まで個人製造していたのを、薬事法制定・品質管理のため、大峯山陀羅尼助製薬有限会社を設立し共同製造、それぞれ屋号を入れた独自のパッケージで販売しています。

陀羅尼助の主な原料は、オオバク(黄柏)というキハダの樹皮。このオオバクから大峯山系の寒水でエキスを抽出、4日かけて煮詰め、整腸薬・ガジュツや芳香性健胃薬・ゲンノショウコを配合し、製丸・乾燥させたものが「陀羅尼助丸」です。

3番釜まで手作業で煮詰めていく

その名の由来は、『陀羅尼経』のようにありがたい薬効があるから命名されたとか。陀羅尼助丸は、洞川以外でも製造されていますが、洞川のそれは唯一、自社抽出エキスを使ったもの。原料は先の生薬3種のみ、昔ながらの成分と製法で作っている。「○○○陀羅尼助丸」ではなく「陀羅尼助丸」と記せるのは同社のものだけなんです。

“だらすけは腹よりはまず顔に効き”川柳や文楽からSNSへ

「だらすけは腹よりはまず顔にきき」という川柳があるぐらい陀羅尼助は苦いとされていますが、それは元来の板状のもので、今は服用しやすい小粒状が主流。食べ過ぎ・胸やけ・下痢・二日酔い・悪酔いなど、胃腸の諸症状に効果を発揮します。

■効能・効果:食欲不振、胃部・腹部膨満感、消化不良、胃弱、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胸やけ、胃もたれ、胸つかえ、吐き気(むかつき)、二日酔い、嘔吐、整腸、軟便・便秘

■用法・用量:1日3回/食前または食間に服用

人形浄瑠璃『義経千本桜』にも、陀羅尼助売りの商人がいたことを示すくだりがあり、全国からの大峯山上詣りの人々や薬売りによって広まったようです。

緑と清流に恵まれ、「ごろごろ水」をはじめ随所で名水が湧き、2か所の鍾乳洞に天然温泉も有する、まさに自然の宝庫の同地域は「洞川財産区」に指定されています。

また、大峯山への参道沿いは、同じような2階屋の旅館が建ち並び、日暮れとともに軒先の提灯に明かりが点った景観は、他に類を見ない独特の温泉宿風情です。元々は行者宿でしたが、近年は清浄な空気とレトロムードを楽しもうという若者たちにも大人気。「これなに?」と陀羅尼助を手に取る彼らが、土産話と共に日本古来の妙薬のメッセンジャー役を務めてくれることに期待したいです。

花谷神変堂
  • 住所:
    奈良県吉野郡天川村洞川235MAP
  • TEL:
    0747-64-0047
  • 営業時間:
    9:00〜17:00
  • 定休日:
    1/1〜1/3

銭谷小角堂
  • 住所:
    奈良県吉野郡天川村洞川254-1MAP
  • TEL:
    0120-146-046
  • 営業時間:
    10:00~19:00
  • 定休日:
    1/1~1/3

施設情報

名称:大峯山陀羅尼助製薬有限会社

ふりがな:おおみねさんだらにすけせいやく

住所:吉野郡天川村洞川485-1

営業時間:9:00〜17:00

定休日:土・日曜、祝日

TEL:0747-64-0848

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