1度に数ヵ国の文化を堪能!2泊3日で楽しめる「ペナン島」の魅力
マレーシアの東に浮かぶ、東南アジアでもひときわエキゾチックなリゾートアイランド『ペナン島』。様々な文化が融合した雰囲気は、非日常を楽しめます。
今回は、リゾート地として大注目のペナン島の魅力をトラベルライターの石原有起さんに教えてもらいました。2泊3日の短い滞在でも思いっきり楽しめるので、連休ができたら旅行先の候補として考えてみてはいかがでしょうか。
魅力1:さまざまな文化が混在した異文化体験
ペナンは古くから交易船の寄港地として栄えていました。石原さんもクルージング船で港に着き、そこから街を観光したとのこと。
ペナン島の中心部の『ジョージタウン』は、2008年から街全体が世界文化遺産に指定されています。東西文化の中継地となっていたため、イギリス、中国、イスラム、インドなどさまざまな文化が混在しているのが魅力です。
トライショー(自転車タクシー)で街を回るのも、面白い体験ができますよ。
魅力2:優雅な気分を味わう「ペナン・プラナカン・マンション」
マレー半島特有のプラナカン文化を感じることのできる『ペナン・プラナカン・マンション(ペナン・プラナカン博物館)』は、実際にプラナカン一族が住んでいた邸宅。
『プラナカン』とは、おおまかに15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた、中国系移民の子孫のことです。そして現地の女性と結婚し、中国やマレーの文化とヨーロッパの文化をミックスさせた、独自の生活スタイルが発展を遂げました。
1890年代に建てられたこの邸宅には、プラナカンの豪華な調度品が多く残されています。
青貝の殻の内側の真珠色の光を放つ部分を薄く切って、漆器などにはめこんで装飾とした螺鈿(らでん)のテーブル、当時使われていたベッドやドレッサーなどもそのまま保存されていて、見て回るだけで優雅な気分になれるでしょう。
魅力3:壮麗な霊廟「クー・コンシ」
ペナン島を歩いていると、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教と、いろいろな宗教寺院をたくさん見かけます。その中で豪華な『クー・コンシ』は、寺院だと思われがちですが、中国から来たクー(Khoo)一族の霊廟だそう。
神仏を祀る宗教施設が寺院であるのに対し、死者を祀る宗教施設を『霊廟』といいます。内部は、まさにきらびやかで豪華!
派手な飾りのある屋根も、中国らしさを際立たせています。毎月1回、夜にライトアップもしているそうなので、ライトアップに合わせて訪れるのも良いですね。
魅力4:歴史に溶け込む「ストリートアート」
ジョージタウンの街の至る所には、ストリートアートがたくさん。
聞くところによると、数年前にリトアニア出身の若手アーティスト『アーネスト・ザカレビッチ氏』が地元の人々をモデルにウォールアートを描きはじめてから、彼の作品に刺激を受けたアーティストたちがさらに多くの作品を制作したそうです。そうした背景があり、すっかり歴史的な町並みとアートが融合した、ストリートアートの町に生まれ変わったのです。
なかでも有名なのが、ザカレビッチ氏が手掛けた『Kids on Bicycle』。自転車に乗る幼い姉弟の姿が描かれ、躍動感が伝わってきます。筆者が訪れたときにもたくさんの観光客が思い思いのポージングで写真撮影をしていました。
この作品には、本物の自転車が使われているのみならず、外壁をそのままいかしていることで街の景観と一体化したノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
魅力5:どこか懐かしさを感じる「ニョニャ料理」
ニョニャ料理(プラナカン料理)とは、父系の中華料理の食材、調理器具、食器を使い、母系のマレー人家庭に伝わる香辛料や味付けでアレンジした料理のこと。見た目は中華料理のようですが、食べてみると予想以上にスパイシーでエスニック感が強いことに驚きます。箸を使わず、右手やスプーンとフォークで食べるスタイルが基本だそう。
刺激は感じながらも、和食に似た味わいの料理もあるので、初めて食べてもどこか懐かしさを感じるかもしれません。
豪華な寺院からカラフルでかわいいプラナカン建築、ニョニャ料理まで多くの魅力にあふれるペナン島は、2泊3日でコンパクトに観光できる大満足スポット。ぜひ、さまざまな文化が融合した街を散歩してみてくださいね。
【旅のinfo】
※ Leong San Tong Khoo Kongsi