
〈奈良市〉徳融寺で「おとなの寺子屋」開催
「千年の神仏習合の祈り−その中核 春日信仰−」
講師 春日大社 花山院弘匡宮司
奈良市鳴川町(ならまち)にある融通念仏宗・徳融寺(阿波谷俊一住職)で、2023年7月1日、「おとなの寺子屋」が開催されました。江戸時代、地域の子どもたちに読み書き・そろばんを教えた寺子屋ですが、大人の学び処として、同寺老院の阿波谷俊宏さんが、平成15年(2003年)から隔月で開いている私塾です。講師には、奈良を中心に各界の造詣深い人々を招いて、主に奈良にまつわることをわかりやすく話していただくという趣向です。
「日本人にとって神と仏は同じである」
当日の講師は、春日大社宮司の花山院弘匡氏、テーマは「千年の神仏習合の祈り- その中核 春日(しゅんにち)信仰-」で、本堂(奈良県指定有形文化財)の本尊・阿弥陀如来様を前に、約50人の〝寺子屋生〟が聞き入りました。


現在、仏壇と神棚の両方がある家が多いと思われますが、宮司は、日本人にとって神様=仏様だという話を、神社と寺院の歴史の変遷を交えてわかりやすく話してくださいました。
「天岩戸」の物語はよく知られていますが、元始から神に仕える人、お世話をする人は女性(伊勢神宮の斎主・皇室での祭祀で天皇のお世話をするのは今も女性)だったとの話に始まり、神道の起源から仏教伝来(538年/552年)による神仏習合と明治初頭の神仏分離令の歴史など盛りだくさんの内容でした。
『春日権現験記絵巻』から見える神仏の習合と分離

大昔から農耕民族である日本人にとっては、自然界全てが神(八百万神)でした。そこに仏教が伝来したのですが、「仏様」という「神様」として伝わったと話され、仏教は当時最新のテクノロジー(哲学であり建築学であり薬学、学問)であったと。十七条憲法、法隆寺などがその表れと。そして神道には、神様にお経をお聞かせする儀式としての仏教行為もあったなどの話もされました。

「もっと教えて」と質問多数、経蔵「円窓亭」が遊興場に?
中で、かつて奈良公園の浅茅が原(浮御堂の北側の丘)にあった「円窓亭(まるまどてい)」は、現在春日大社の万葉植物園に移築されましたが、元々は春日大社の経蔵だったそうです。それが神仏分離令で数奇者の宴会場になっていたのですとか。個人的にはあの風流なお堂があの地から消えたことを寂しく思っていましたが、縁あって収まるべきところに収まったということでしょうか。

徳融寺の鐘楼は春日大社初代宮司の寄贈
「おとなの寺子屋」では、奈良を深掘りした興味深い話が聞けるとあって、毎回奈良のボランティアガイドさんたちにも大人気。この日も何人かはその方々でした。「とてもわかりやすく話されたので、また案内の時に使わせていただきます」と話されていました。

徳融寺は中将姫ゆかりのお寺、ほかにもエピソード満載
「おとなの寺子屋」を主宰する徳融寺は、奈良時代の貴族・藤原豊成の別荘でその娘の中将姫が育てられた地とのこと。境内に豊成公や中将姫の供養塔があります。


春日大社からのお知らせ
令和5年7月22日(土)23時~0時半
NHK特別番組「神様のお引越し日記 奈良春日大社」BSプレミアム


次回は…
●9月2日「お坊さん監督による映画『肩をよせ合って』上映と法話」
斑鳩町浄念寺住職 横田丈実講師
●11月4日「奇豪吉村長慶の生涯 石仏見て歩き」
奈良まほろばソムリエ会員 友松洋之子氏
施設情報
名称:豊成山 高林院 徳融寺
ふりがな:とよなりさん こうりんいん とくゆうじ
住所:奈良市鳴川町25
営業時間:9:00~17:00
駐車場:なし
TEL:0742-22-3881

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