手を添えるのもダメ?会食・接待でやりがちな「食事のNGマナー」5つ
3〜4月は、歓送迎会や会食が増える時期ですね。
そこで今回は、ビジネスマナー講師の西谷依里子さんに、目上の方との会食で気を付けたい食事マナーをご紹介いいただきました。
NG1:相手のグラスより上の位置で乾杯する
1杯目はとりあえずビールで乾杯をするケースが多いですよね。グラス同士をカチンと合わせて乾杯しますが、合わせるグラスの位置に注意が必要です。グラスの位置は相手と自分の立場を表します。
目上の方(上司や取引先)のグラスよりも上の位置でグラスを合わせることは、“あなたよりも私の方が上”と見下したこととなり、失礼にあたります。
また、同じ高さでの乾杯も“あなたと同等”を意味するため、NG。
目上の方のグラスよりも低い位置でグラスを合わせるのが正解です。乾杯の場でも、謙虚な気持ちや相手を立てる“心”を示すことが大切ですよ。
NG2:互いのシャンパングラスをカチンと合わせて乾杯する
シャンパングラスでの乾杯は、ビールグラスでの乾杯とは違い、グラス同士を合わせて乾杯しません。シャンパングラスやワイングラスは薄く繊細。カチンとグラス同士を合わせてしまうと、ひびが入ったり、壊れてしまう可能性が高いためです。
グラスを胸の高さまで持ち上げ、目と目を合わせて、笑顔で乾杯しましょう。なお、カチンと合わせないのが正式なマナーではありますが、相手に合わせて臨機応変に対応しましょう。
NG3:早食い・食べるスピードが遅すぎる
会食や接待ではコースでいただくことが多いですよね。主賓の方(上司・取引先などの目上の方)よりも食べるペースが遅すぎると、お待たせしてしまい迷惑です。また、反対に食べるペースが早すぎるのも相手に気を遣わせてしまい、NG。基本は相手に合わせることが大切です。
また、ビジネスでの会食や接待は、会話がメインですので食べることに夢中になり過ぎないように、相手の食べるペースを見ながら会話を楽しみましょう。
NG4:食べ終えたお椀の蓋を裏返して重ねる
食べ終えた印として蓋を裏返して重ねる方がいますが、お椀を傷つける可能性があるため、実はNG。元の状態と同じように蓋はかぶせておくのが和食のマナーです。
NG5:こぼれないように手を添える
箸でつまんだ料理を口に運ぶとき、汁や食べ物がこぼれないように利き手とは逆の手をお皿のように添えていただく動作(手皿)は、実はマナー違反。
手皿は、“私は箸の使い方が下手。私は食べ方が綺麗ではない”とアピールしているようなもの。
実際に、手の上に食べ物を落としてしまったら、汚れた手をおしぼりで拭く動作もあまりスマートとは言えませんし、おしぼりも汚くなりますよね。
洋食では器は持ち上げませんが、和食では手のひらサイズのお皿や小鉢は基本的に持ち上げてOK。
大皿のおかずについては、食べ物を運ぶときにお椀の蓋を受け皿として使うか、懐紙を添えてもスマートです。
万が一、懐紙の上にこぼれてもそのまま包むことができますし、種や魚の骨を口から出すときや口の周りをぬぐうナプキン代わりとしても懐紙は活用できます。
メモとしても使えますので、バッグに忍ばせておくといろいろな場面で重宝しますよ。
接待や会食の場は、相手との距離をグッと近づけるチャンスでもあります。
自分も相手も互いに気持ちよく同じ時間を過ごすためにマナーを守ることを心掛けましょう。
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