神戸ピーポーNo.10「村岡 美徳(むらおか みさと)」さん。ハーバーランドの旅客船「boh boh KOBE号」船長
神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。今回は「村岡 美徳(むらおか みさと)」さんをご紹介します。
ハーバーランドの中突堤に、去年秋新たにお目見えした旅客船「boh boh KOBE(ボーボーコウベ)号」。29歳にしてその船長を務めるのが村岡さんです。
いつカメラを向けても笑顔で、気さくで明るいほんわかした印象の村岡さん。ゴツゴツした鉄のかたまりに心惹かれる一面もあり、休みの日は神戸港でず〜っと「船」や「コンテナ」を眺めているそう。
長崎県出身で、海の仕事に興味を持ったのは「水産高校」時代です。
マグロ「はえなわ漁」の実習で、しばらく水平線だけ見つめる日々を過ごしたあと、船を降りる時の「帰ってきた~感」にハマったそう。本当は「マグロ漁師」になりたかったそうですが、女性には厳しい環境ということもあり船員の道へ。
船の免許を取る専門学校を出て神戸で就職、「25歳」で先代の観光船「ファンタジー号」で船長デビューを果たします。船仲間の中でも早かったそうですが、そもそも船の学校で女性は1割未満という少なさ、女性で船長ともなるとますます希少な存在です。
全長38m、600人が乗ることができる「boh boh KOBE(ボーボーコウベ)号」の操船室はこんな感じ。村岡船長含め「5人」で船を動かしてます。
なんだか難しそうな計器が並び、船らしい舵(丸いハンドル)はちょっと小さめでついてます。
船長の「指示」のもと、「甲板員」が「舵」を持ち「機関長」がプロペラの回転数を調整。
飛行機などは「自動操縦」とかありますが、よっぽどの大型客船・大型貨物船でない限りついていなくて、スピードも角度も自分たちで細かく調整してます。
的確な指示を出すための「見張り」も船長の大事な仕事で、いろいろな手段で周囲の状況をしっかり把握。
画面の緑の△は周りにいる「他の船」、「漁船」「商業船」「大型船」に「個人のボート」まですごい数です。
休みの日も好きで海に通う村岡さんは、航路を行き交う船はほとんど覚えていて、どの辺にいてどう動くかまで頭に入れ、安全でよりよいルートを通れるようにしているそう。
機械だけでなく「双眼鏡」などでの「目視」も大事で、他の船はもちろん「漂流物」などもチェック。
大きい船だし小さい木とかなら大丈夫では?と思うんですが、スクリューに巻き込んだり船に穴が開いたりするとえらいことなので、けっこう繊細に避けながらいくとか。
「双眼鏡を見せて下さい」って言ったら、自然とこのポーズ。楽しい人です。
村岡さんがもう一つ注目して見ているのが「波」。
穏やかに見える海面ですが、少しだけ黒く線のように見えるところは波の向きが違ったり、波の波長で船まで到達するタイミングを見極める必要があったりします。
この波を読み違えると船が「揺れ」、接岸時に「陸に近づけない」なんてことが起きるおそれも。「波を見つける」には経験が必要で、村岡さんは学生時代からかなり波を見つめ続けてわかるようになったそうです。
まだまだ女性が少ない船業界、村岡さんが目指すのは、男性に引けを取らないくらい「女性もやれる」と感じてもらえる操船技術を持ち、「女性だからやれる」乗客の小さな変化にも気を配れるような「ほわほわした雰囲気」を作れる船長。
いつか「女性船長」が珍しくない船業界になってほしいとも願っています。
学校の遠足に利用されることも多いですし、村岡船長の船に乗ったことで海の仕事が夢になる、そんな女の子も出てくるかもしれません。
神戸ピーポーNo.10「村岡 美徳(むらおか みさと)」さんのコメント
神戸との関係
生まれと育ちは長崎県です。大阪には、母の実家がありましたが、幼少期は神戸とはあまり縁がありませんでした。
大人になるにつれ、しだいに修学旅行や練習船の寄港地として神戸に足を運ぶことが多くなりご縁があって神戸の地で就職いたしました。就職してから9年という年月が経ち、時の流れを感じます。
神戸に住むと、長崎との共通点が多いことに気づきました。
1、夜景が綺麗
2、山と海が近い
3、坂が多い
4、身近に三菱重工業の造船所がある
5、開港五都市に長崎と神戸がはいっている
6、洋食文化が根付いている
7、五木ひろしさんの長崎から船に乗ってと言う歌に長崎から船に乗って神戸についたと言う歌詞がある
など、多くの共通点があります。
そして、なんといっても長崎で通勤船として活躍していた、「ぐらばあ」が神戸にやってきて「boh boh KOBE」に名前を変え、私の新しい職場(船)になりました。
切っても切れない縁を感じます。
最近のおすすめスポット
私のおすすめスポットは、①神戸大橋の西側の歩道橋、②ポートアイランドのコンテナ専用道路の芝生の土手のような所、③umieの近くのハーバーランド公園、④3突と4突付近、⑤六甲アイランド南公園です。
神戸大橋の西側の歩道橋からはハーバーランドが綺麗に見えます。橋の上から見えて人も少なくて天気のいい日の明るい時間も夜景も素敵です。
コンテナ専用道路の芝生の所はコンテナや船に興味ある方にはとてもオススメです。私は、何時間でも居られます。
ハーバーランド公園は、神戸大橋が綺麗に見えて夜になると地面がカラフルに光って癒されます。心が荒んだ時に行くととても癒されます。
3突と4突付近は、独特な薬草のような香りと、すごく古そうな建物と新しい綺麗な建物が入り交じっていて不思議な気持ちになります。古い倉庫とかの独特な作り方を見てカッコイイなぁと癒されます。夜、写真を撮ったら渋くてかっこいい写真が撮ることができます。
六甲アイランド南公園は、コンテナ船や大型の外航船の荷役風景が見られて最高ですが、潮が高い時船が走ってきて手すり付近に居たら波で足がびしょぬれになります。タグボートが走ってきたら逃げるが吉です。
そして外せないのはboh boh KOBE号です!
海から空港に止まっている飛行機見られたり、タイミング良く間近で離発着がみられたり、ヘリコプターが見えたり、皆の荷物を運んでくれる内航船とたくさんすれ違ったりなどたくさん見所があります!
ひと言
現在、土日運行のboh boh KOBE号ですが…
運航時にはアルコール消毒の徹底、感染症対策の徹底を行っておりますので安心してお越しください!(現在の運行状況)
神戸が地元の方も是非1度ご乗船ください!陸から見る街並みと海から見る街並みは違うのでboh boh KOBE号で新しい神戸を発見してみてください。
わんちゃんも一緒に乗れるのでぜひ海上散歩を楽しんでみてください。
神戸の海辺は長い歴史のある建物や地震の爪痕が残っている所が沢山あります。
徐々に安全性の理由で取り壊され新しい綺麗な建物が増えてきていますが、私は古き良き神戸の街並みが大好きです。
boh boh KOBE号スタッフ一丸になりこれからもみんなに愛される街、神戸をboh boh KOBE号から盛り上げていきたいと思います!
今はしんどい時期ですがみんなで乗り越えましょう!!
◆関連リンク
・boh boh KOBE - 公式サイト