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天空の城「竹田城跡」の麓にたたずむ城下町・竹田地区を歩く

「たじま途中下車の旅」~竹田駅編~

兵庫県朝来市和田山町にある竹田地区。
戦国時代、「天空の城」で全国的に有名になった竹田城跡の城下町として栄えた町です。
また、1600年(慶長5)に廃城となった後は、姫路から生野を経由して和田山に至る但馬街道の宿場町として発展してきました。
それでは、天空の城「竹田城跡」の麓にたたずむ城下町・竹田を散策してみましょう。

 

①竹田駅駅舎

スタート地点であるJR播但線竹田駅駅舎です。
1906年(明治39)に建てられ、2014年(平成26)にリニューアルされた駅舎で、高い切妻屋根とその下の差し掛け屋根の二重の屋根瓦と白壁のコントラストが鮮やかです。
また、当時多くの駅舎は騒音などの問題で郊外に建設されましたが、竹田駅は住民の意向により町の中心部に建設されたそうです。
このため、駅舎と城下町の風情とが調和した竹田独特の雰囲気の中、一両編成の赤い列車が走り抜ける姿は写真スポットとしてもおすすめしたい光景です。

 

②あったかプラザ

駅舎を出るとすぐに交差点があり、左折します。
この道が、但馬街道と呼ばれていた道です。
しばらく歩くと右手にあったかプラザがあります。
あったかプラザは、喫茶と軽食のほか、市内の障害者授産施設などで作られた製品を展示・販売しています。
明治時代の旧医院の建物を改修したもので趣があり、散策の休憩や地元の人の憩いの場として賑わっています。

開設時間 午前9時30分~午後4時30分
休館日  毎週月・木曜日、年末年始

 

クランク状の道路

あったかプラザを出て、右手に少し歩くとクランク状の道があります。
竹田の町は、城下町らしい道路の特徴があるそうです。
但馬街道を幹線道路として、幹線道路との交差点はT字路が中心で、要所にクランク状に折れた道が配置されています。
これは大軍の敵の侵入を防ぐためにつくられたものであり、当時の面影を見ることができます。

 

踏切を渡り寺町通りへ

クランク形状の道路を道なりに進むと、左手に朝来警察署竹田駐在所がありますので、ここで左折します。
左折後、真っすぐに進み、踏切を渡ります。

 

③寺町通りの町並み

踏切を渡り道なりに進むと寺町通りに入ります。
寺町通りは、かつて武家屋敷があったと伝えられ、道筋に歴代竹田城主の菩提寺が4カ寺並んでいます。
今は遊歩道として整備され、歴史散策路として親しまれています。

白壁の塀や錦鯉が泳ぐ小川

松並木

白壁の塀や錦鯉が泳ぐ小川、松並木が目を楽しませてくれます。
水の流れる音を聴きながら散策すると、現在の慌ただしさを忘れさせてくれるような心地よい気分になります。

法樹寺

法樹寺は、竹田城最後の城主となった赤松広秀の菩提寺です。
現在見ることのできる竹田城跡の石垣は、赤松広秀が整備したものといわれています。
境内の裏手には赤松広秀の供養碑が建てられています。

常光寺

常光寺は、初代城主・太田垣光景の菩提寺です。
光景は但馬の守護大名山名宗全を支えた四天王の一人で、土塁をもとにした初期の竹田城を約13 年の歳月を費やして築いたと伝えられています。

手記銘のあるものでは但馬最古の石橋

また、寺町通りにある4つのお寺にかかる石橋はすべて江戸期に造られたものですが、とりわけ常光寺の石橋には、但馬に現存する石橋の中で最も古い「宝永4」(1707年)の文字が刻まれています。

 

④虎臥城公園

寺町通りを過ぎると、虎臥(とらふす)城公園があります。
公園の名前にもなっている「虎臥城」は竹田城の別名です。
虎がふせているように見えることから、そのように呼ばれ、JR竹田駅から見上げると石垣の辺りは虎の背中、尾根伝いの山が首や頭にあたるそうです。

 

⑤表米神社

虎臥城公園を左手に出て、3分くらい歩くと表米神社の鳥居が見えてきます。

全国的にも珍しい「相撲桟敷」

表米神社は、格技を好んだといわれる表米宿彌命(ひょうまいすくねのみこと)を祀っています。
そのためか、境内には全国的にも珍しい「相撲桟敷」が残っています。
中央の土俵を囲んで半円形に6段の石積みが施され、野外観覧席のような趣があります。

 

⑥旧街道の町並み

表米神社から、踏切を渡ってまっすぐに進むと、再び但馬街道と呼ばれていた道に出ますので、左折します。
ここから竹田駅までの間は、伝統的な商家の建物が多く残り、立派な本うだつをはじめ、伝統的な切妻造の家屋や虫籠窓を見ることができます。

 

ちょっと寄り道~言い伝えでは但馬最古の石橋~

先ほど但馬街道に出て左折しましたが、右折すると珍しいものを見ることができます。
竹田地区は古い石橋が多く、但馬にある江戸期の石橋7つのうち5つが竹田地区にあるそうです。
その中でも但馬最古の石橋と言い伝えられているのが、この恵比寿橋で、1704年に造られたそうです。
1930年に街道筋から現在地に移設されました。

水路の分岐点

また、この橋の下が水路の分岐点になっています。
堰を設けず勾配だけで左右の水路に水を振り分けており、当時の高い技術力を感じさせます。
一方は、先ほど散策した寺町通りへ、もう一方は、上町、旭町へと流れていきます。
ちなみに、この水路は、地元では「絹屋溝(きぬやこう)」と呼ばれ、1824年(文政7)に町内の治水と防火用水の確保などを目的に造られたそうです。

 

⑦旧木村酒造場EN

竹田の城下町の町並みを眺めながら散策していると、今回の散策のゴールである旧木村酒造場ENに到着します。
旧木村酒造場ENは、約400年の歴史をもつ酒屋をリノベートした複合観光施設です。
店舗兼母屋はホテル、米蔵は店舗、発酵蔵はレストラン、貯蔵所は観光案内所と竹田城跡に関する情報館として運営されています。
また、2015年(平成27)、国の有形文化財(建造物)に登録されています。

情報館天空の城

旧木村酒造ENの敷地内に情報館天空の城があります。
情報館天空の城では、竹田城跡の石垣を原寸大で再現した「算木積みジオラマ」や、鯱瓦、高麗瓦などの珍しい遺物が展示されており、竹田城跡の魅力を情報発信しています。
また、築城から廃城を経て、現在に至るまでの竹田城と城下町「竹田」の歴史を映像で見ることができます。

開館時間 午前9時00分~午後5時00分
休館日  年末年始

 

古い町家を活用したお店

また、但馬街道の沿道には、城下町の町並みに溶け込んだ新たなお店も加わり、竹田地区の魅力の一つになっています。

 

竹田城跡と町並み

竹田城跡の城下町、但馬街道の宿場町として発展してきた竹田地区。
当時の面影を残しつつ、古い町家を活用したお店や施設が新たな魅力として加わった町並み。
のんびりとした時間が流れる竹田ならではの風情と歴史を感じることのできる町です。

 

たじま途中下車の旅~竹田駅編~散策マップ

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