「伺わせていただきます」もダメ!? 使いがちだけど実はNGな言葉遣い5つ
ビジネスの場では年齢・役職・立場問わず、さまざまな人たちと接する機会があります。その場その場に合わせて適切な表現を使わなければなりません。
敬語は、誰が誰にしたことなのか、敬意を払うべき相手は誰なのかによって使い方が変わります。
そこで今回は、マナー講師である筆者がビジネスシーンでの言葉遣いについてご紹介します。ポイントを押さえてビジネス会話力をグンとアップさせましょう!
シーン別NGな言葉遣い5つ
ビジネスシーンで間違って使いがちな言葉遣いです。日頃の言葉遣いをチェックしてみましょう。
ケース1:「ございますね」
NG:「山本さまでございますね?」
OK:「山本さまでいらっしゃいますね?」
「ございます」は丁寧語。相手側の尊敬語は「いらっしゃる」を使います。
ケース2:自社の人を紹介するとき
NG:「こちらが、木村課長です。」
OK:「こちらが、課長の木村です」
自社の人を紹介するときは、呼び捨てにするのが原則です。
ケース3:○○のほう
NG:「山田のほうは、ただいま外出しております」
OK:「山田はただいま外出しております」
「ほう」は方角を示すときや二者択一ときのほか、物事をぼかす表現として使います。あいまいさを必要としない場面では不要です。
ケース4:「伺う」の使い方
NG:「日を改めて、伺わせていただきます」
OK:「また日を改めてお伺いいたします」
「伺う」は謙譲語。「~させていただく」というのは「する」の謙譲語なので二重敬語になっています。
ケース5:「よろしかったでしょうか」
NG:「コーヒーでよろしかったでしょうか」
OK:「コーヒーでよろしいでしょうか」
いま確認していることに、過去形を使うのは間違いです。
うまく利用したいクッション言葉
人間関係を壊さずに、用件を的確に伝える言葉の円滑油となるのが“クッション言葉”です。クッション言葉は“マジックフレーズ”ともいわれます。使うと魔法のようにやわらかくなる言葉という意味です。
お願いするときには、次のようなクッション言葉を頭につけると良いでしょう。
「恐れ入りますが」
「恐縮でございますが」
「失礼ですが」
「お手数おかけいたしますが」
「ご迷惑おかけいたしますが」
「無理を承知でお願いするのですが」
唐突に本題に入るのではなく、このようなクッション言葉を冒頭につけ「~していただけませんか?」と疑問形でお願いすると、相手に快く引き受けてもらいやすくなります。
敬語は、一朝一夕で身につくものではありません。敬語をマスターするには、実践することが一番。失敗を恐れず、どんどん実践していきましょう。
【参考文献】
※ 『媚びてないのにかわいいシンデレラマナー』(桜美月) / 主婦の友インフォス情報社
【画像】
※ Sergey Nivens、Branislav Nenin、OPOLJA / Shutterstock