部下に怒るのは意外にしんどい…ストレスフルな「怒りの感情」と付き合うコツ
部下や後輩が仕事に対してやる気がなかったり、何度教えても身についていなかったり……。
普段仕事をしているなかで、イライラしてしまう場面はありますよね。
しかし、本人に怒りをぶつけることで関係が悪化したり、逆にため込んでモヤモヤしたりしてしまっては困ります。
今回は、そんなときの怒りの対処法を臨床心理士の南舞さんに伺いました。部下や後輩のモチベーションを高めるコツとあわせてお届けします。
怒りたくなったときには?
部下や後輩に対して怒りたくなったとき、そのまま怒りをぶつけるのはちょっと待って! 実は心理学的に怒りはコントロールできるといわれ、その方法はいくつかあります。
(1)怒りの裏にあるものを探る
感情には、最初に感じる一次感情と呼ばれるものと、一次感情によって引き起こされる二次感情があります。
実は、怒りは二次感情。怒りを感じる前に「寂しい、不安、苦しい、疲れている」など何かしらの感情があるはず。
その感情の正体が分かると怒りが少し楽になります。
(2)6秒カウントする
心理学の研究では、一般的に怒りのピークは6秒といわれています。それを乗り越えれば、怒りも収束するので、怒りたくなったときは6秒カウントしてみましょう。
(3)その場を離れてクールダウンする
怒りがおさまらないときは、その場を離れてしまうこともひとつ。
怒りの対象が目の前にいないだけでも高ぶった感情が静まりやすくなります。
さらに、深く呼吸をすることを意識するとリラックスでき、気持ちも落ち着きやすくなりますよ。
部下・後輩のモチベーションを高めるには?
(1)動機づけを理解して後輩・部下のタイプを知る
心理学的にモチベーションを高めるには“動機づけ”という理論が用いられています。
主に2種類あり、
内発的動機づけ:自身の達成感や成長など
外発的動機づけ:給料アップや表彰、昇進など
部下や後輩の性格や、職場などの環境によっても大きく影響するため、そのときの状況に応じて部下や後輩がどちらのタイプなのかを見極めることで、関係を築きやすくなります。
(2)自発性を大切にする
やる気のなさの背景には、仕事の失敗やキャリアの限界により、自信をなくしてしまっていることがあるかもしれません。
本人の負担にならない程度の仕事を与え、“最後まで自分の力でできた”という経験をさせてあげましょう。
(3)評価して認める
自分の思い通りにいかないと、どうしても相手を否定しがち。
小さいことでもいいのでプラスの面を見つけて評価しましょう。ポジティブな評価はセルフイメージ(自分への印象)を高めることにつながります。
怒ることは意外とエネルギーを使いますよね。そんなときに怒りのコントロールを知っておけばムダに怒らずに済みます。
ぜひ、明日から取り入れてみてくださいね。