「七五三準備でありがちな6つの悩み」がスッと楽になる対処法を聞いた!
今年”七五三”を迎えるお子さんのいるママは、晴れの日のために準備を整えていることと思います。
七五三は家族の一大イベント、とは言えママが張り切りすぎて準備に奔走した結果、当日までにグッタリと疲れてしまうことが多いものです。また、本来のお祝いの意義を見失い、楽しめなくなってしまうことも……。
そこで、『なでしこ着物サロン』主宰の和装研究家・清水国子先生に監修いただき、七五三の準備でママが抱えがちな悩みと、対処法をお伝えいただきます。
1:日程が決まらない → 子どもと家族、予算を考えて決める
最初にママが迷ってしまうのが、日程です。
意外と「11月15日でないとダメ」と思っているママが結構多いですが、お祝いは七五三当日でなくても大丈夫。(1)子どもの状態、(2)家族のスケジュール、(3)予算の3つを考慮して、フレキシブルに決めると良いです。
(1)については、寒くなり風邪を引きやすい季節なので、子どもの体調を重視することが大切です。
そもそも、七五三がなぜ11月15日かというと、五代将軍の徳川綱吉が息子の徳松の祝いを、吉日であるこの日に行ったそうです。昔と事情が違う現代で、みんながこの日に行わなければいけない”決まり”ではないので、別月でも構わないと清水先生は言います。
(2)は、家族で最も忙しい人にあわせて柔軟に計画すること。
よくあるのが、写真スタジオの予約を入れて、後になってパパの仕事で急に日程を変えないといけなくなってしまうこと。予約の際に日程変更が可能か、確認しておきましょう。
また、家族の誕生日など、他の節目となる行事とあわせてお祝いをすることも方法のひとつ。その場合、11月からずらすにあたって、他の友達と同じ時期にやっていないことを子どもが疑問に思うことがあるので、説明をしてあげましょう。
(3)は、写真スタジオを利用する場合、繁忙期かそうでないかがポイントになります。繁忙期には料金が高くなり、逆に避けると費用がおさえられるので、安くしたければ時期をずらすことを検討するとよいでしょう。
2:ママが何を着るか迷う →「洋服も検討する」
本来ならママも和装が好ましいですが、普段着慣れていなくて不安がある方は、洋服でもOKです。
また、ママが和装の場合は、子どもが主役なので”一つ紋付色無地”に”袋帯”が気負いすぎず、ちょうど良い着こなしとなります。
3:子どもが何を着るか迷う →「洋装も検討する」
七五三は、子どもの人生初の着物体験となることが多く、着物だとやはり特別感が増します。でも、無理をしないことも重要です。
暴れる可能性がある子どもの場合は、オシャレなタキシードやドレスなどの洋装も検討してみては? また、事前に着物を見せて、子どもの反応を見てから判断してもいいでしょう。
4:義母の意見がストレスになる →「知識を身に付けておく」
七五三の習わしやマナーをママがしっかり学んでおくと、義母との余計なトラブルが減らせることがあります。
例えば、日程でもめてしまったら、上記を参考に「11月にやらなくてもいい理由はこうです!」と義母を説得できるくらいの知識を身につけてしまいましょう。
かわいい孫のために義母が世話を焼きたくなる気持ちは、なんとなくわかりますよね。ただ、七五三の支度はしきたり的にママ側で用意するものなので、本来なら義母側は温かく見守るのが理想的です。
5:お金がかかる →「予算を決めておく」
どうしても、まとまったお金が出て行くのが七五三ですが、予算を立てる際に下記を参考にしてください。
まず、写真スタジオのパッケージは、当初予算よりも高くつくことが多いです。よくある話が、最初は記念写真を2、3枚のつもりで撮影してみたら、他の家族の様子が素敵に見えたり、カメラマンに乗せられてポーズを追加したりすること。
そして、写真が出来上がると、わが子の写真はどれもかわいくて、つい予定より沢山の写真をオーダーし凄い金額に……というケース。支出を減らしたければ、あらかじめ予算をきっちりと決めておき、コントロールしましょう。
また、衣装が用意できるなら、撮影を”自撮り”にして費用をおさえる手もあります。親戚で、写真撮影が得意な叔父さんなどがいるかもしれませんし、最近はデジタルカメラ、携帯電話搭載のカメラでも、きれいに写真が撮れますよね!
他には、パーティーを盛大に開いて祝い金を集める、というやり方もありますし、お食事会を高級料亭などでなく、子どもが普段から好きな普通のレストランにしても。
ママがあまりプレッシャーを感じるより、主役の子どもが喜ぶことをするのが一番ですよ。
6:気疲れしてしまう →「意味を知っておく」
あとは、精神的なプレッシャーで疲れる……といった悩みも意外と多いですよね。七五三の話題になるだけで、見えない何かがズシッと肩にのしかかっているような気がしていませんか?
そんなときは、七五三の歴史と本来の意味を知ると楽になります。清水先生に教えていただきましたのでご紹介します。
まず、七五三の3歳は”髪置きの儀式”といって、誕生から髪を剃っていた幼児が初めて頭髪を伸ばし始める儀式とのこと。これは室町時代から始まったそうです。
子どもに綿帽子をかぶせ、それに松の枝や橘をはさむ素朴で愛らしいお祝いでした。また、この日から生魚を食べるようになります。それほどお腹がしっかりし、成長したという喜びの祝いだったのだそうです。
5歳は”袴儀の祝”といわれているそうです。武士道を教え始めるタイミング。7歳は”帯解きの儀式”といい、 赤ちゃん帯から袋帯に変わるそうです。和歌やお琴など、貴族の教養を身につけるのが、この頃なのだとか。
現代のママにとって、子どもが7歳の祝いの場合は3歳、5歳の時より随分楽な流れになりますね。
単純にイベント化してしまった現代の七五三も、このように意味を知るとちょっと違った風に見えてきませんか?
七五三は、本来は写真を撮るイベントではなく、”子どもの成長を、しっとりとかみしめる節目”ということを忘れずにお祝いにのぞみましょう。
みなさんの七五三が、家族で成長を喜びあう素敵な節目となりますように!
【取材協力】
※ 清水国子・・・なでしこきものサロン代表、和装研究家、着物デザイナー。フランス、カナダなど国内外で、大使館や有名企業スポンサーによる着物ショーや個展をこれまでに約100回実施。和装の歴史の研究家で、難しい内容を楽しく教える着物教室も人気。
【参考・画像】
※ 清水国子(2001)『帯の来た道−文化 こころと帯結び』 美術倶楽部
※ なでしこきものサロン
※ T.TATSU、beeboys、maroke、Faer Out / Shutterstock