実は「ご拝聴いただき」はダメ!? 意外と勘違しがちな「NG言葉遣い」3つ
最近では、言葉の乱れや間違った敬語を使う人が増えていますが、あなたはいかがでしょうか? 相手に対する敬意があっても、それを適切に表現する方法を知らなければ、恥をかくこともあります。
そこで今回はマナー講師である桜美月さんが、意外に勘違いをしていることが多い“NG言葉遣い”をご紹介します。これからご紹介する文章に一つだけ正解があります。どれが正解でどれが間違いなのかクイズ方式で答えていきましょう!
1:上司に対しての「言葉遣い」どれが正解?
(1)「部長がおっしゃられました」
(2)「それは、部長がおっしゃられたことです」
(3)「部長がおっしゃいました」
⇒正解は(3)
(1)(2)は、二重敬語です。尊敬語は“言いかえ型”と“つけ足し型”の2つに分けることができます。「おっしゃる」は、言いかえ型の敬語であり、 「~される」 は、尊敬語のパーツを“つけ足す”ものなので、二重で敬語を使っていることになり間違いです。
2:取引先・お客様への「言葉遣い」どれが正解?
(1)「どちら様でしょうか?」
(2)「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
(3)「お名前を頂戴できますでしょうか?」
⇒正解は(2)
(1)は、文法的な間違いはありませんが、冷たい印象を与えます。(3)の「頂戴する」は、“もらう”ことをへりくだっている言葉です。名前は、人に差し上げたりもらったりすることはできません。
つづきましては、こちらの言葉遣い。
(4)「こちらが山田部長でございます」
(5)「こちらが部長の山田でございます」
(6)「こちらにいらっしゃるのが部長の山田でございます」
⇒正解は(5)
(4)は、お客様や取引先に自分の上司を紹介するときには、部長自体が敬称ですので、名前に役職をつけるのはNG。(6)は社外の人の前では、上司であっても身内。「こちらにいらっしゃる」という言い方は尊敬語なので間違いです。
3:社内・社外で共通の「言葉遣い」どれが正解?
プレゼンテーションや発表会などで
(1) 「ご拝聴いただきありがとうございました」
(2)「これで私の発表は終わります」
(3) 「ご清聴いただきありがとうございました」
⇒正解は(3)
(1)の「拝聴」はよく間違って使われる表現ですが、「聞く」をへりくだった言葉です。他者が自分の話を聞いてくれることを敬った表現は「清聴」を使います。(2)は、学生の発表会のようなのでNG。
「感じが良い」といわれる人は、“敬語”の使い方が上手な人でもあります。敬語が正しく使えるかどうかで、その人の人格が評価されてしまうこともありますので、敬語力に磨きをかけましょう。
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