意外と気づかない魅力も!? 海外から「日本の子育て」はどう見えるのか
国が違えば、子育てや教育にも違いがあります。今回は、シンガポールで子育てをする筆者から見た、日本の子育ての良さについてご紹介します。
清掃は自分たちでやる
日本の小、中、高等学校で毎日のように行われる子どもたちによる学校清掃。小さい頃から学校ではそのように教育されている私たち日本人にとって、それは当たり前のことですよね。
この日本人には馴染み深い学校清掃ですが、実は世界の国々では生徒が掃除を行っている国は少ないんです。
筆者の住むシンガポールでは、学校の清掃は雇われた清掃員が掃除をすることが当たり前。また、食堂や屋台などでも自分の食べた食器などは、基本的に自分たちで片付けず清掃員の仕事と思っている子どもたちばかり。
子どもの頃からそういった環境下の中で育ったこともあり、大人になっても掃除は自分がする仕事ではないと思っている人々が多いように思えます。
ここ数年、シンガポールではこうした日本式掃除教育を『SOJI(掃除)』と言って取り入れる学校が増えてきています。自分の使ったものには責任を持ち、片付けたり、掃除をしたりするという生活習慣を身につけることは、将来大人になっても役立つスキルのひとつだと思います。
幼い頃から自立心を育てる
日本では、小学校入学で親から自立して、子どもたちだけで登下校をしますよね。それがたとえば、30分ほどかかる道のりだったとしても。
治安の良悪さにも関わってはきますが、海外では親が車で送って車で迎えに行くのが一般的。またヘルパーさんが迎えに行く場合もあり、自分の荷物をヘルパーさんに持たせている子どもたちもよく見かけます。
日本では、幼稚園をまだ卒業したばかりの小さい子どもが、身体の半分以上をランドセルに覆われて歩いている光景なんてザラ。子どもたちが早くから自立していること、また乗り物に頼らずに登下校することはその後の運動能力にも関わってくるのではないかと思います。
整列で順番を守る
海外の育児はとても自由。それはポジティブな意味でもあるけれど、マイナスな部分もあります。
たとえばお行儀について。日本は、“整列”することは小さい頃から訓練されてきます。そのため、電車やバスに乗る時は列に並んで自分の番がくるまで待ちますよね。海外では整列するということは学校では教えられないので、順番を守ることが少ないように感じます。
海外で子育てをしていて、日本の子育てから学ぶことや取り入れるべきことはたくさんあるなと思います。もちろん「これが日本のやり方だから」と固執してしまうのではなく、いろいろな選択肢の中から子どもにとってベストな子育て方法を取り入れていきたいですね。
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※ Zodiacphoto、JoHo / shutterstock