べらぼうに楽しい!京都の個性派書店めぐり
日本最古の書店があると言われる京都。古くから学問や文化の中心地として栄えてきた京都は”本のまち”としての顔ももっています。そして1月から始まったNHK大河ドラマ「べらぼう」は、江戸時代に活躍した版元(出版社)の社長であり、メディア王とも言える蔦屋重三郎が主人公。ということで、今回はドラマにちなんで京都府の個性派な書店を巡る旅へご案内します。
※記事中の情報はすべて2025年1月時点のものです。
不思議と感動がいっぱい!絵本の世界へようこそ
【向日市】Books & Cafe Wonderland
JR向日町駅を降りてすぐ、大きなテディベアが目印のBooks & Cafe Wonderlandは、今年で創業30周年を迎える絵本の専門店です。
「The Sense of Wonder(不思議に思う心、感動する心、知らない世界を知る喜び)」を合言葉に、子どもたちに絵本を通して豊かな感性を育んでほしい、そんな願いが込められています。
子どもの頃から読書が大好だったオーナーの長谷川みゆきさんは、我が子への読み聞かせがきっかけで絵本の奥深さに魅了され絵本専門店をオープン。
「子どもの頃に読んだ絵本を大人になって読み返すと、人生経験を重ねたからこそ、絵本から得られる感動や気づきがあります。絵本は大人にとっても心の栄養です。」
長谷川さんの言葉通り、厳選された約1,500冊の絵本たちは、どれも作者の温かい想いが込められたものばかり。「善き本、勧めたくなる本」を届けるという強い思いが、このお店の本棚を支えています。
併設されたカフェスペースは、地域住民の憩いの場。コーヒーやケーキ、ホテル仕様のビーフシチューなどの軽食を楽しむことも。写真は、ビーフシチュー&パン(1,000円)とコーヒー(530円)。
※食事+ドリンクを注文の場合100円引
コーヒーは「レインフォレスト・アライアンス認証」を受けた農園で生産された豆を使用しており、地球環境や社会貢献にも貢献できる、まさにエシカルな一杯です。
また、カフェスペースの壁面を利用したギャラリースペースでは、絵本の原画展や作家のトークイベントなど、年間10回ほど開催。原画の迫力を間近で感じることができる貴重な機会なので、ぜひチェックしてみてくださいね。写真は、絵本作家の谷口智則さん(右)とオーナーの長谷川みゆきさん(左)。
Books & Cafe Wonderlandは絵本を通して、人々に感動と喜びを与え、地域に文化のあかりを灯し続ける、そんな素敵な場所です。ぜひ一度、訪れてみて♪
■■INFORMATION■■
Books & Cafe Wonderland
京都府向日市寺戸町久々相8-2
075-931-4031
09:00~18:00、土曜・祝日 12:00~18:00
日・月・第4火曜定休
時空を超えて、本と人が出会う場所
【福知山市】古本と珈琲 モジカ
JR福知山駅から徒歩15分、映画館「福知山シネマ」に隣接する複合施設「まちのば」の2階に佇む古本と珈琲モジカ。一歩足を踏み入れると、そこはまるで時空を超えた本の迷宮。壁一面に広がる本棚には、文学、哲学、美術、歴史など、多岐にわたるジャンルの1万冊に及ぶ古書が、静かに佇んでいます。
モジカの魅力は、店長の西村優作さんの「本を次の読者へ繋ぐ橋渡し役になりたい」という思いが込められた選書にあり、自ら古書店を巡り、一冊一冊丁寧に選び抜かれた古書たちは、新たな読者との出会いを待っています。
特に19世紀フランス世紀末文学、ラテンアメリカ文学、そして近年は東欧文学に力を入れているとのこと。ページをめくるたびに、時空を超えて、遠い国の文化や歴史に触れることができるかもしれませんね。
そして、もう一つの魅力は、隣町の豊岡市にある老舗「ヒグラシ珈琲」の豆を使用した、こだわりの珈琲。一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れられた珈琲は、コクと香りが深く、読書のお供にぴったり。写真は、ふわふわたまごサンドセット(左:1,000円)とチーズケーキセット(右:900円)。
モジカでは本好きが集う場として、3種類の読書会も開催。長編小説をじっくりと味わう「ブック・ティー・パーティー」、短編小説を題材にした「朝のこくご」、そしてただ静かに読書を楽しむ「ただ集まって読書する会」。今年は本を通して、新たな発見や人との繋がりを見つけてみませんか?
■■INFORMATION■■
古本と珈琲 モジカ
京都府福知山市東中ノ町28-3(まちのば2F)
0773-24-4664
11:00~18:00(L.O. 17:30)
火曜定休(祝日の場合営業)
映画と本の世界を同時に堪能できるカルチャースポット
【京都市】出町座
出町桝形商店街にある出町座は、映画と本とカフェが融合したユニークなカルチャースポット。元スーパーをリノベーションした空間には、懐かしさと新しさが共存しています。
1階には、カフェ「出町座のソコ」と書店「CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)」が。地下と2階にあるスクリーンでは、他ではなかなか目にすることのできない、選りすぐりの映画が上映されています。
CAVA BOOKSはカフェと一体化したレイアウトが魅力。上映までの待ち時間に本を選んだり、購入した本をカフェでじっくりと読んだりと、リラックスしたひとときを過ごせます。
カフェでは、サンドイッチやカレー、ホットドッグなどの軽食から、コーヒー、アルコール、ソフトドリンクまで、豊富なメニューが揃います。おすすめは、レトロな雰囲気漂うクリームソーダ(700円)。透き通るようなグリーンのメロンソーダに、真っ白なアイスクリームが浮かび、ちょこんと乗った赤いチェリーが可愛らしいアクセントに。
CAVA BOOKSには店主の宮迫さんが心惹かれる本が約2,000冊並び、映画関連の本のほか、学生の街・京都ならではの品揃えも特徴で、人文、哲学、思想系の書籍が充実。アカデミックな探究心を刺激します。
「忙しいからこそ息抜きしたい」という現代人のニーズに応え、映画鑑賞はもちろん、本を眺めたり、お茶をしたり思い思いの時間を過ごすことができますよ。
■■INFORMATION■■
出町座
京都市上京区三芳町133(出町桝形商店街内)
075-203-9862
9:30~22:00(週により変動あり)
不定休
本とアート、文化が交差する岡崎エリアのランドマーク
【京都市】京都岡崎 蔦屋書店
京都岡崎 蔦屋書店は、平安神宮を中心に美術館、動物園、劇場が集まる京都の文化ゾーン、岡崎エリアに位置しています。ロームシアター京都内にあり、本を通じて豊かなライフスタイルを提案する文化複合施設です。
ちなみに蔦屋書店は、創業者・増田宗昭氏の祖父が営んでいた家業の屋号「蔦屋」に由来。また、江戸時代を代表するプロデューサ―蔦屋重三郎のことを知った増田氏が現代のプロデューサ―になれるように、ならったものです。
画像提供:京都岡崎 蔦屋書店
まず目を引くのは、コンシェルジュが厳選した豊富な書籍。京都関連の書籍や日本文化を紹介する洋書、アート関連書籍に加え、専門知識を持つコンシェルジュが独自の視点で選んだ書籍が並び、訪れる人の知的好奇心を刺激する出会いを提供します。
BOOK & CAFEスタイルの店内では、コーヒーを片手にお気に入りの一冊を探す特別なひとときを過ごすこともできますよ。
また、日本の美意識が息づくメイドインジャパンの雑貨も。京都を中心としたクラフト雑貨は、お土産にも喜ばれるアイテムが多数。
さらには、文化とアートの知見を深める刺激的な展示スペース「BOOK & ART GALLERIA」もお見逃しなく。劇場に関連した書籍や京都岡崎 蔦屋書店コンシェルジュによる選書の展示などが展開され、訪れる人の感性を刺激してくれます。こちらもぜひチェックして!!
■■INFORMATION■■
京都岡崎 蔦屋書店
京都市左京区岡崎最勝寺町13 ロームシアター京都 パークプラザ1階
075-754-0008
8:00~20:00
年中無休
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