取引先への訪問前にチェック!仕事がうまくいく13のビジネスマナー
ビジネスシーンでは頻繫に訪れる他社訪問の機会。
マナーを知らないままで済ませていたり、先輩に頼っていたりしていませんか?
そこで今回は、他社を訪問する際の事前のアポ連絡~お礼メールの基本までをご紹介。
相手や担当者に失礼のないよう、正しいマナーを身につけましょう!
1:まずはスムーズなアポ取りが重要!
打ち合わせ前に訪問先に電話やメールで連絡をして、先方の都合のよい日程を確認しておきましょう。
電話の場合はまず社名と名前を名乗り、担当の方につないでもらいます。そこから訪問の目的を相手に伝え、日時を決定するのが一般的です。
なお、電話の最後に内容と日程を復唱するとケアレスミスを防止することができますよ。
2:訪問時のマナーはどこをチェックする?
訪問当日は約束の15分前くらいに到着することをおすすめします。到着5分前ですとまだ気持ちが整わなかったり夏場は汗がひかなかったりしますので、早めに到着し、落ち着ける場所で待機するようにしましょう。
なお当日にスマートフォンのナビゲーションを頼りに行動するよりは、前日に地図を確認しておくと安心ですよ。
訪問先に到着したら玄関で身だしなみをチェックしましょう。主なチェック項目は以下の通りです。
(1)スーツにゴミがついていないか、ストッキングは破れていないか、同行者がいればお互いにチェックします。
(2)携帯電話の電源をOFFにします。
(3)名刺入れを取り出しやすいところに入れて準備しておきます。
(4)コートが必要な時期ならば、コートは事前に脱いでおきます。
以上を確認したうえで受付に出向き、自社と氏名、訪問先の部署、担当者の名前を伝えます。
また受付がない場合は入り口付近の人に取次をお願いするか、内線電話がある場合は部署番号を入れて連絡しましょう。
3:基本は目下から先に名乗りながら名刺を出す
座っていた場合はまず立ち上がりましょう。相手の正面に立ち、相手側から名刺の文字が読めるように向きを正して両手に持ちます。そして社名や所属部署、名前を言いつつ、相手の胸の高さに差し出します。
そのときに「よろしくお願いいたします」と挨拶を付け加えるようにすると印象アップですよ。
相手が名刺を差し出したら「頂戴します」と言いながら両手で受け取ります。このとき、会社のロゴや文字を指で押さえないように注意しましょうね。
4:しまった!同時交換になってしまった場合は?
もし同じタイミングで名刺を差し出してしまった場合は、まずは左手で相手の名刺を受け取ります。次に相手が自分の名刺を持ったのを確認してから右手を離し、相手の名刺に添えて両手で持ちます。
自分が目下という立場にも関わらず、相手が先に名刺を出した場合は、それを受け取ってから「申し遅れました」と言いつつ自分の名刺を差し出すとスマートですよ。
5:「こちらが複数」&「相手が複数」の場合は?
複数の人がいる場合は、受け取る場合と渡す場合の共通ルールとして“役職が上の人から順に”という形式があります。間違っても自分から、とならないように注意してくださいね。
では、相手が複数の場合、受け取った名刺はどう置いたら良いのでしょう? 正解は“座席と同じ順番で名前を並べておく”です。
向かって左からAさん、Bさん、Cさんと並んでいた場合は、名刺も同じように、左からAさん、Bさん、と並べると相手の顔と名前も一致しやすく良いですよ。
6:応接室での待機~話を切り上げるまではどんな流れ?
それでは次いで、応接室に通されたときのルールを確認しましょう。
案内人に応接室に通され「おかけ下さい」と勧められたら、その場所が上座でも座ってOKです。
またとくに座る場所を案内されなければ、もっともドアに近い場所である下座に座りましょう。
かばんや資料などは床に置かず、いすの横か、背もたれに立てかけます。
ドアのノック音が聞こえたら、歓談中でも速やかに立ち上がり、いすの横に出て先方に挨拶をしましょう。
挨拶がすみ次第、自然な流れで「さっそくですが……」と話しを切り出します。
相手の時間をいただいているのですから、自覚をもって無駄話は控えめにしましょう。そして決定事項などを再確認した後はお礼の言葉で締めます。
7:資料を見てもらうとき
取引先との重要な会議では、さまざまな資料を参考に話し合いをしますよね。そんな緊張感のある会議で「こちらの資料を見てください」と言うと、なんだかぶっきら棒な印象になってしまいませんか?
ただでさえ張り詰めた空気感の会議では、ちょっとした一言で、場を和ませたいですよね。こういったシーンでは「参考に資料をお持ちしましたので、お目通しいただけますか」と言ってみてはいかがでしょう?
「見てください」よりも丁寧な言い回しですよね。長時間の会議で疲労が見えるようなシーンでこそ、相手を思いやる言葉遣いで、場を和ませてあげましょう。
8:反対意見の出し方
取引先との会議で、時にはお互いの主張が飛び交う瞬間もありますよね。しかし、相手を言い負かすような強い表現では、余計に口論がヒートアップしてしまうかも……。そんなシーンも思いやりのある一言で冷静さを失わないのが、スマートなビジネスパーソンでしょう。
つい反対意見を言うときには「でも」から始まるような直接的な否定表現を使いがちですが、やわらかく話すように意識するだけで、印象がガラリと変わりますよ。
具体的には「あえて反対意見を申し上げますが」や「とても良いご意見だと思います。ただ、少し気になる点がありまして……」といった言葉を挟むとどうでしょう?
同じように反対意見を伝えたいシーンでも、言葉遣いを工夫するだけで、落ち着いた話し合いができるでしょう。
9:問題や改善の提案の仕方
提案が浮かばず、会議が難航してしまうシーンもあるでしょう。行き詰まったときには、重苦しい空気が会議室を包み込む。こんな場合、どうすれば取引先との会議を進行するのがよいでしょう?
ここでは、簡潔に述べることがキーポイントです。まるで鶴の一声のように「まず結論から申し上げます」と問題提議や、改善の提案をおこないましょう。こういった行き詰まった場面では、分析データや資料をなんとなく読み上げてしまいがちですが、結論から述べることで、より明確な提案ができます。
次にデータを使用しながら、具体的に説明していくことで、より相手に伝わりやすいですよね。こうして滞った空気に風穴をあけることで、周りからも新しい意見が飛び出すきっかけにもつながるでしょう。
10:お礼メールは短く簡潔に
お礼のメールでは、文章は短く簡潔にまとまっていることがポイント。
もし上手くまとめられない……というときは、5W3H(日時・場所・対象者名・件名・目的・方針・料金・数量)を意識すると良いですよ。読みやすいように、メール本文中では適度な改行も使ってみてくださいね。
また、お礼メールをきっかけに、次回の約束につなげることができるとよりGOOD! 書ききれなかった感謝の思いは、次回会ったときに直接伝えましょう。
11:翌日の午前中までに送る
メールで感謝の気持ちを伝えるのであれば、その日中に送るのがベストでしょう。ですが、もしメールを送るのが夜遅い時間帯になってしまうのなら、翌日の午前中までに送信するようにしましょうね。
どんな文章を書けば良いのか悩んでいるうちに時間が経過してしまうこともありますよね。そんなことにならないよう、今から正しいメールの文面を覚えておきましょう。
12:メールに相応しい言葉遣い
ビジネスパーソンなら正しい敬語をマスターしておきたいところ。
しかし、中には間違った表現をそのまま使ってしまっている方も少なくないでしょう。特にお礼のビジネスメールは、相手を不快な気持ちにしてしまわないよう、言葉遣いには気をつけましょうね。
たとえばお願いしていた資料が手元に届いたときに送るお礼メールに相応しい言葉遣いはこちらです。
「御社製品の資料が、本日 私の手元に届きました。迅速な対応ありがとうございます。来週中にはサンプルを完成させる予定ですので、できあがり次第ご連絡します」
尊敬語と謙譲語の違いなどに注意して、正しい言葉遣いを意識しましょうね。
13:メールの内容が分かる件名にする
お礼メールにかかわらず件名はマスト。忙しいビジネスパーソンの中には、1日に大量のメールを受信している方も少なくありません。相手がひと目で、どんな内容のメールか、わかるように件名を記入しましょう。
たとえば「〇月〇日打ち合わせの御礼」とすると、パッと見ただけでお礼のメールだということが伝わりますね。このように、タイトルだけでも要件が想像できるような気遣いをお忘れなく。
小さな振る舞いのひとつひとつが先方からの信頼につながります。
あらためて自分の行動を見直してみるのもいいかもしれません。
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