【2024】京都・五山の送り火〜夏の夜空を焦がす祈りの火〜
8月16日の午後8時——。
町を囲む山影がすっかり闇に溶け込むと、東の空に赤い線が灯り始める。
刻一刻と表情を変えながら、静かに浮かび上がるのは、力強い「大」の文字。
京都市に夏の終わりを告げる「五山の送り火」の始まりだ。
※記事中の情報はすべて2024年8月時点のものです。
五山の送り火とは
「五山の送り火」は、お盆に迎えた精霊を再びあの世へ送り出すための伝統行事。午後8時頃に点火される「大文字」を皮切りに、5分間隔で「妙・法」「船形」「左大文字」「鳥居形」が順次点火され、それぞれ約30分間、京都の夜空を焦がします。その起源は定かではありませんが、朝廷や幕府と関わりなく地元の人々によって始められ、数百年間にわたって民間で受け継がれてきたのだとか。かつては「い」や「一」、「蛇」、「長刀」などもあったと伝えられています。
最初に灯る「大文字」がよく知られているため、「大文字焼き」と呼ぶ人もいますが、実は生粋の京都人はその呼び方が大嫌い。以前、実際に言ってしまった筆者は「山焼きと違うんよ〜」と、やんわりたしなめられました。
五山の送り火の起源についてはこちらの記事をチェック▼
五山の送り火のご利益
「五山の送り火」には、さまざまなご利益が伝えられており、有名なところでは
・点火資材として使われる護摩木に名前と持病を書き、火床で焚いてもらうと病が治る
・火床に残った消し炭を半紙などで包み、水引をかけて戸口に吊るすと厄除けになる
・送り火を映した水やお酒を杯で飲むと無病息災に暮らせる
……などが知られています。
護摩木は各山で奉納の受け付けが行われているので、祈りを託してみてはいかがでしょうか。
五山の送り火おすすめの鑑賞スポット
そんな「五山の送り火」を満喫するなら、暗くなる前に鑑賞スポットを決めておくのが肝要。
おすすめの場所は……
○大文字:鴨川(賀茂川)付近(丸太町橋~御薗橋)、京都御苑
○妙・法:【妙】北山通(京都ノートルダム女子大学周辺)【法】高野川付近[出町柳より上流]、北山通[松ヶ崎駅より東]
○船 形:賀茂川付近(北山大橋〜西賀茂橋付近)
○左大文字:西大路通(円町〜金閣寺)
○鳥居形:渡月橋付近、松尾橋付近、広沢池など
なるべく多くの山がみたい人はやはり、ニデック京都タワーや京都駅ビルの空中経路など、高い場所を確保するのがベストですね。
最後に、「五山の送り火」はあくまで自らの健康に感謝し、鎮魂の気持ちを捧げる祈りの火。くれぐれも騒がず心静かに鑑賞してくださいね。
詳細はこちらのページもチェックください▼
https://ja.kyoto.travel/event/major/okuribi/
■■INFORMATION■■
【点灯予定時間】
大文字20:00、妙・法20:05、船形20:10、左大文字20:15、鳥居形20:20
【護摩木奉納の受付場所と時間】
○大文字:銀閣寺奥八神社境内保存会集会所前(大文字山登山口付近)(14日12:30~17:00頃、15日8:00~17:00頃、16日8:00~12:30頃)
○妙法:武與門ビル入口(地下鉄「松ヶ崎」駅1番出入口(東出入口)西隣)(15日10:00~17:00頃、16日10:00~13:00頃)○船形:西方寺駐車場(3〜15日8:00〜16:00頃(6日は受付していません)、16日8:00〜10:00頃)
○左大文字:金閣寺門前(15日9:00〜14:00頃、16日7:00〜14:00頃)※16日は法音寺でも受付を行います
○鳥居形:右京区嵯峨鳥居本小坂町 府道50号線 八体地蔵付近(13〜15日10:00〜16:00頃、16日9:00〜15:00頃)
※いずれも予定です。なくなれば早く終了する場合もあります。
■■記事監修■■
京都市観光協会
https://www.kyokanko.or.jp/
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