【祇園祭のヒミツ3】山鉾巡行だけじゃない!祭の期間中に行われる大切な行事に注目
いよいよ7月に突入!日本三大祭りのひとつ「祇園祭」が始まり、京都市中心部はお祭りムードが漂っています。例年7月1日~31日まで1か月間、様々な神事が執り行われる祇園祭。皆さんよくご存じの宵山や山鉾巡行がクローズアップされがちですが、祇園祭の真髄に触れられる神事や京都らしさを感じられる行事がほかにもたくさんあります。今回は、その中でも編集部が注目する3つの行事をご紹介します!
そもそも祇園祭とは?
そもそも「祇園祭」は素戔嗚尊(スサノヲノミコト)を祀る八坂神社のお祭り。平安時代に京都をはじめ全国で猛威をふるった疫病(伝染病など)を鎮めるため、天皇の宴遊地・神泉苑に当時の国の数にちなんだ66本の矛を立て、祇園の神を迎え厄災の除去を祈願したことに由来しています。古くは祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれていたんですよ。
祇園祭の別名は「鱧(はも)祭」??
祇園祭と鱧(はも)は、ともに京都の夏を象徴する風物詩です。生命力が強い鱧は、内陸の京都でも新鮮に楽しめるため、古くから京都で重宝されてきました。涼を感じさせる「鱧の落とし(写真)など、多彩な鱧料理が祭りの賑わいを彩ります。そんな縁からか、祇園祭は別名「鱧祭」とも呼ばれているんですよ~。
そんな京都人から愛される鱧が主役の行事があります!その名も「はも道中」。淡路島から朝廷に海産物を献上した歴史にちなんで、淡路島観光協会が毎年八坂神社へ鱧を奉納しています。
7月3日には、3匹の鱧を入れた桶を担ぎ、「淡路島から、はも道中」と声を響かせながら約70人の一行が祇園の街を練り歩くほか、鱧の骨切りの実演や、鱧を使った淡路島の郷土料理が振る舞われるなど、祭りの賑わいを一層引き立てます。
実は祇園祭の主役は神輿にあり!?「神幸祭」で真髄に触れる
祇園祭の真髄に触れたいなら、7月17日の山鉾巡行を見物したあと夕方から行われる「神幸祭(しんこうさい)」を訪れるのがおすすめ。神幸祭は、祇園祭の中でも最も重要な行事で、神様を乗せた三基の神輿が氏子区域内を渡御します。これらの神輿はそれぞれ、八坂神社のご祭神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀る中御座、櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)を祀る東御座、八柱御子神(ヤハシラノミコガミ)を祀る西御座です。
神幸祭の後、八坂神社の境内を巡り、祇園石段下で三基の神輿が集結。こちらで担ぎ手たちが威勢よく差し上げを行い、周辺は熱気に包まれます。その後、久世駒形稚児(くぜこまがたちご:神輿の先導役)とともに氏子区域を巡行し、20~21時過ぎに御旅所へ到着。御旅所に到着した神輿は、24日の神輿が御旅所から境内へ戻る「還幸祭」まで七夜、御旅所に奉安されます。
芸舞妓さんにも出会える!山鉾巡行とひと味違った「花傘巡行」
祇園祭の見どころのひとつ・花傘巡行は、女性や子どもたちの参加が多いお祭りです。
この行事は1966(昭和41)年に前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)の山鉾が統合され、7月17日に山鉾巡行が行われるようになったことで誕生しました。後祭を補う形で、7月24日に新たに始められたのが花傘巡行です。
花傘巡行はその名の通り、山鉾の古い形態である花傘を中心に展開されます。懸装品が華やかな曳山や傘鉾、神輿など10基余り、そして時代衣装を身にまとった総勢1000名におよぶ行列が市中を練り歩き、見る者を魅了します。また毎年2つの花街が参加し、芸舞妓さんに出会えるのも嬉しいポイントなんです!
日本一期間が長く神事の多い祭とも言われている祇園祭。1か月間、見どころは盛り沢山です。ぜひ今回ご紹介した「はも道中」「神幸祭」「花傘巡行」の詳細とともに、そのほかの神事についても、八坂神社の公式HPからご覧ください。
■■INFORMATION■■
八坂神社
京都市東山区祇園町北側625
075-561-6155
9:00~17:00(社務所受付時間)
京阪祇園四条駅から徒歩10分
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