TOP ローカル 奈良 〈奈良〉2026年大河『豊臣兄弟!』主人公・豊臣秀長は大和郡山のお殿様

〈奈良〉2026年大河『豊臣兄弟!』主人公・豊臣秀長は大和郡山のお殿様

2026年 NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』制作決定
主人公は豊臣秀長、主演は仲野太賀さん

2026年のNHK大河ドラマ(第65作)が『豊臣兄弟!』に決定。主演は俳優・仲野太賀さん、脚本はTVドラマ「半沢直樹」や「VIVANT」を手掛けた八津弘幸さんが務めると発表されました。

仲野さん演じる今作の主人公は豊臣秀長。太閤・豊臣秀吉の実の弟で兄の右腕として内政・軍事共に活躍、天下統一に貢献しました。大和郡山城主を務め、大和国の経済発展に貢献した奈良ゆかりの人物でもあります。

大和郡山城下の礎を築いた名君

紀州、四国征伐での功績で大和・和泉・紀伊の三国合わせて100万石の領主となった秀長は、1585年に大和郡山城に入城します。

城の大規模普請のほか、検地の実施や大和の寺社に対して経済活動に関する禁制を発令、一方で東大寺大仏殿の復興を援助するなど領国支配に手腕を発揮しました。

郡山城の「逆さ地蔵」

郡山城にはかつて五層八階の天守があったと伝わりますが、現存するのは石垣と堀のみ。秀長はこの城を改築する時、奈良の各地から石を集めたといいます。

急ピッチでの普請だったため、石垣には寺の庭石や伽藍礎石、地蔵までもが転用されており、天守石垣北側の「逆さ地蔵」もその一つとして知られています

天守台の礎石

逆さ地蔵

また秀長は城下町の発展のために「箱本」という町衆自治制度を実施。商工業保護の政策として同業者を町に集めて営業上の独占を認め、町々にそれぞれの特許状を与えて保護したのです。

「箱本十三町」

箱本制度は城下にある13町〈本(鍛冶屋)・魚塩・堺・柳・今井・綿・藺・奈良・雑穀・茶・材木・紺屋・豆腐〉で、その特権を記した文書を入れた朱印箱を一か月交代で持ち回り、箱を持っている町(箱本)の年寄が治安や消防、伝馬など町全体の責任を平等に負った制度です。

箱本館「紺屋」に当時の朱印箱や古文書が展示されています。

ちなみに詰め城として、一時は廃城となっていた高取城(高取町)も修築されています。

現代に残る秀長の足跡

1587年には従二位大納言に叙任され、“大和大納言”とも称した秀長ですが、この頃に大病を患ってしまいます。一進一退を繰り返しながら治世、度重なる春日社への平癒祈願もむなしく、秀吉が天下統一を実現した翌1591年、52歳の若さで亡くなりました。

「春岳院」寺号は秀長の法名から。箱本関係資料や秀長の画像が残る(拝観には事前連絡が必要)

没後は秀吉が郡山に建立した大光院という菩提寺がありましたが、豊臣家の滅亡に伴って京都に移転。東光寺(現在の春岳院)が位牌を受け、墓所である「大納言塚」を守り継いでいます。

大納言塚

秀長の足跡は城下にも残り、柳町にある老舗和菓子店「本家菊屋」では初代・菊屋治兵衛が秀長の注文を受けて作ったお菓子が現在も郡山銘菓として伝わっています。

粒あんを餅で包み、きなこをまぶした菓子は秀吉が郡山を訪れた際に献上され「鶯餅」の銘を賜ったといいます。いつの頃からか郡山城大門(城の口)を出てすぐの町人地の角に店があったことから「御城之口餅」という通称がつき現在に至っています。

今作では強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の、夢と希望の下剋上サクセスストーリーが描かれるとのこと。どのような作品になるのか、また大和郡山での治世はどう描かれるのか。放送はまだまだ先ですが、今から楽しみですね♪

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