世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩町)の参道脇の観光バス駐車場にある直径8.5mほどの植え込み。2019年度から4度にわたる発掘調査の結果、なんと6世紀後半に築かれた円墳であることが判明しました!
近隣の藤ノ木古墳[国史跡]よりも古く、同古墳築造以前の斑鳩地域の古墳時代の様相を知る上で重要な意義があるのだとか…
もともと古墳かどうか確認は取れていなかったのですが、地元に「クスノキの舟」が出土したという言い伝えが残っており、木棺を埋葬した古墳である可能性があることから『舟塚古墳』として斑鳩町が保存管理をしていたそう。
そして2022年春に同町教育委員会と奈良大学による発掘調査で石室の一部と考えられる石材や須恵器が出土。本年2~3月の調査では横穴式石室の一部が確認されました。
今回の調査では石室部分が発掘され、右片袖式であることや、羨道部が破壊されていること、石室の奥壁・側壁の上半部と天井石が失われていることなどが分かりました。
玄室は基底部で長さ3.8m、幅1.6mを測ります。奥壁は5段以上、側壁は3段以上の石材が積まれ、基底石に小型の石材を用いる特徴があります。
石室の石材を抜き取った後の調査から7世紀に石室が壊された可能性が高いとされています。もしそうであれば法隆寺建立とも何らかの関係があるのかも…?
また石室の床面からは鉄大刀2振を含む武具や馬具類、琥珀玉などの玉類、そして37点の土器類と多くの副葬品が出土しています。被葬者は地域の有力者でしょうか…?
名称:舟塚古墳
ふりがな:ふなつかこふん
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1丁目8-25(法隆寺観光自動車駐車場内)
アクセス:JR法隆寺駅から徒歩約20分
駐車場:あり(有料)
関西をもっと楽しむライフスタイルマガジン anna(アンナ)