柳谷観音楊谷寺を徹底解剖! “美と健康”のパワースポット
京都盆地の南西部・西山の山中にある柳谷観音 楊谷寺(やなぎだにかんのんようこくじ)をご存知でしょうか?眼病平癒のご利益で古くから知られる京都屈指の古寺で、近年SNSで話題の「花手水(はなちょうず)」をはじめ、これからが見頃のあじさいやオリジナルの御朱印、さまざまな体験イベントも楽しめる魅力満載のお寺なんですよ♪
今回はそんな柳谷観音 楊谷寺にスポットを当て、参拝プラスαの楽しみ方をたっぷりご紹介。アイデアと行動力でお寺の未来を切り開く、現住職ご夫妻の想いもお聞きしました!
・基本的な感染予防対策(マスクの着用・手洗い・身体的距離の確保など)を徹底してください。
・屋外の活動も慎重にしてください。
・発熱等の症状(発熱、咳、のどの痛み、息苦しさなどの症状)がある場合は、外出を控えてください。
1200年の歴史を紡ぐ、祈りと信仰の聖地
柳谷観音 楊谷寺(以下、柳谷観音)の始まりは、今から1200年以上前の806年(平安時代初期)。清水寺を開山したことで知られる延鎮(えんちん)僧都が、夢のお告げを受けて西山の渓谷で眼病に霊験あらたかな十一面千手千眼観音菩薩を見つけ、それをお堂に祀って「楊谷寺」と名付けたとされています。
境内の一角には、創建まもない頃に弘法大師空海の祈祷によって眼病平癒の霊水になったと伝わる「独鈷水(おこうずい)」も。この水で目を洗うと眼病が治るという言い伝えがあり、かつては天皇家にも献上されていたそうです。
天皇をはじめとする身分の高い方々も信仰していた由緒あるお寺とあって、境内の広さも建物の造りもとても立派!山の斜面に沿って、本堂、上書院、奥之院など大小さまざまな堂宇が連なります。
所々に稲荷社や弁天社などのお社があるのも、柳谷観音の大きな特徴の一つ。明治時代に神仏分離令が出されるまでは一般的だった、神様と仏様を一緒にお祀りする日本古来の祈りの形を今に伝える全国でも珍しいお寺なのです。
さまざまな神様・仏様がいらっしゃるので、得られるご利益も多彩なんですよ〜!その一部をご紹介しましょう。
・びんづるさん
本堂左側に安置されている、お釈迦様の弟子の像。いわゆる撫でぼとけ。患部と同じところに触れると、神通力によって治るとか!?
・正一位眼力稲荷大明神
伏見稲荷大社より勧請された、楊谷寺の守り神。仕事や学業などで迷った時に役立つ「先見の明」を授けてくれるそう。
・淀殿弁天堂
柳谷観音を厚く信仰した淀殿(豊臣秀吉の側室)ゆかりのお社。美顔・美心、芸能上達のご利益があります。
・愛染堂 あいりきさん
愛情と情欲を司る愛染明王を祀り、縁結びや夫婦円満のご利益あり。像の頭を撫でながら願い事を伝えましょう。
このほか、子授け・安産、健脚、子供の幸福など、人生のいろいろな場面で頼りになる神様・仏様がお揃いです。ご本尊の十一面千手千眼観音菩薩は毎月17日のご縁日のみ特別開帳されるので、お姿を拝見したい方はその日をねらってお参りを♪
SNSで大ブレイク!「花手水(はなちょうず)」誕生秘話
はるか昔から人々の心の拠り所となってきた柳谷観音ですが、市街地から離れていることもあり、観光目的で訪れる人の数はそれほど多くはなかったそう。ところが近年、その状況が一変。若い女性を中心とした観光客が急増しているのです。
そのきっかけとなったのが、四季の草花を手水鉢に浮かべた「花手水」。2017年、住職夫人で執事の日下恵さんが境内に咲く花を手水鉢に浮かべた様子をSNSにアップしたところ、「かわいい!」とたちまち話題に。「楽しみに来てくださる皆さんの思い出の場所になれば」と、境内5カ所の手水舎・手水鉢に定期的に花を生けるようになりました。
「花手水という言葉自体は昔からあって、本来は野外で手を清める際に草花を代用する行為を指します。それを踏まえて当山では、“草花を浮かべた手水鉢”をわかりやすくお伝えするためにその言葉を用いるようになったのですが、まさかこんなに定着するとは思いませんでした(苦笑)」
このように名称の由来を教えてくださったのは、ご住職の日下俊英さん。妻の恵さんとともに毎回テーマを考え、花手水のお世話をされています。
上のラブリーな花手水は、なんとご住職の作!
美しく生けるコツはずばり、「乙女の気持ちになること」。頭で考えるのではなく、美しいもの、かわいらしいものを慈しむ女性らしい心持ちで生けているそうですよ。おうちにある器などで花手水を再現する時も“乙女の気持ち”を忘れずに♪
花手水は花の種類にもよりますが、夏は約3日、春秋は約1週間、冬は2週間ほどで入れ替えられます。「花の状態などによって生けられない場合もあるので、当山のホームページやSNSで最新状況を事前にチェックしておくことをおすすめします」とのことでした。
“花手水”についてはこちらの記事もチェック▼
あじさい、もみじ、陽光桜…四季折々の自然美を満喫
花手水のバリエーションの豊かさにも表れている通り、柳谷観音は四季折々の草花の鑑賞スポットでもあります。これからの季節は、何といってもあじさい。6月初旬から7月上旬にかけて境内に植えられた約5000株のあじさいが咲き誇る、京都府内屈指の観賞スポットなんですよ。
“あじさい回廊”とも呼ばれる書院から奥之院まで続く回廊や、本堂から奥之院まで続く参道から、ガクアジサイやアナベル、日本古来のヤマアジサイなど、多種多様なあじさいを愛でることができます。
見頃に合わせて開催される「あじさいウィーク」(2022年6月1日(水)〜6月30日(木)予定)の期間中は、上書院の特別公開や限定御朱印の授与、ワークショップなど、あじさい観賞とともに楽しめるイベントも目白押しです。
例年、寺宝庫で大切に保管されている天皇家から授かった宝物なども特別公開されるのですが、今年(2022年)はそこに初公開のサプライズ品も加わる予定!
「最近お寺の中で見つかったもので、箱書きの読み方は定かではありませんが、『小人團(しょうにんだん)』、つまり“小人のかたまり”を意味するものと思われます。中をご覧になります?」
ご住職のお言葉に甘えて、ひと足先に拝見いたしました。感想をひとことで表すと、摩訶不思議……でしょうか!?(筆者:ホラー耐性高め)確かにサプライズにふさわしい珍品と思われますので、気になる方は寺宝庫の展示もお見逃しなく!
話が少し逸れてしまいましたが、あじさいのほかにも秋は紅葉、冬は椿、春は桜と、四季を通じて自然の美しさに癒されるお寺空間です。
書院に面した京都府指定の名勝庭園「浄土苑」や、上書院のそばに設けられた水琴窟(心琴窟)に触れながら、自然の彩りや音色に心を寄せてみましょう。
身も心もピカピカに!多彩な体験メニュー&御朱印コレクション
お寺で体験といえば写経や写仏が定番ですが、柳谷観音ではそれらに加えて観音様のご利益にちなんだユニークな体験メニューが多数用意されています。
特に女性の支持を集めているのが、月2回だけ上書院で開かれるアロマサロン「Gokan+(五感プラス)」。今年の7月で8年目を迎えるこちらのサロンでは、アロマケアと美容温灸鍼を融合した美心眼セラピーや、全メニューに眼精疲労ケアを組み入れた、眼病にご利益のあるお寺ならではのプレミアムな施術を受けられます♪
名勝庭園の美しい眺めと澄み切った空気、そしてアロマの香りに包まれながら、セラピストによる心地よい施術を受けるひと時は「まさに極楽!」と大好評。
つらい肩こりでお悩みなら「肩&眼精疲労ケア(約40分/7500円)」、背中や肩甲骨周りがお辛い方なら「背面+眼精疲労ケア(約60分/11000円)」というふうに、自分に合ったメニューを選べます。開催日や予約方法などはホームページでご確認くださいね。
「Gokan+」について詳しくはこちらの記事をチェック!▼
花手水のパイオニア・柳谷観音ならではの「押し花朱印つくり My花手水キット(1000円)」も人気。空のつくばいに季節の花びらをあしらっていくと、世界でひとつだけのMy花手水付き、押し花朱印ができちゃうんです!
御朱印といえば、柳谷観音は御朱印のバリエーションがとにかく豊富。定番だけでも5種類、ご縁日などの期間限定御朱印は合わせて7種類あります。来るあじさいウィークの期間中も、ステキな限定御朱印&限定御朱印帳がお目見えしますよ〜♪
ちなみに取材時に出合ったのは、花まつり限定の御朱印。わが御朱印コレクションのなかでもひときわ華やかでかわいい一枚です♪
ご利益あり、花手水あり、イベントありと、本当にいろいろな楽しみが詰まっていて、訪れるたびに新しい発見や感動がありそうなお寺だなぁ〜と改めて実感!お寺の「型」にはまらない、斬新な取り組みを続けておられるご住職の想いをお聞きしました。
「当山は昔から参拝によってご利益のあった方々のご寄付に支えられてきました。先人から受け継いだこのお寺を次の時代につないでいくために、私たちが目指しているのは幅広い世代に愛される、何度でも足を運びたくなるお寺です。花手水やあじさいなどをきっかけに、当山の歴史や自然、そして観音様のご利益に触れていただけたらうれしく思います」
何で行く?柳谷観音のアクセスまとめ
まだ柳谷観音へ行ったことがない方のために、詳しいアクセス方法をご案内しましょう。電車の最寄駅は、阪急長岡天神駅もしくは西山天王山駅。ただし、各駅から徒歩で約1時間の道のりなので、時間や体力にゆとりのないときはタクシー利用がおすすめ。
また、毎月17日のご縁日に限り、阪急西山天王山駅東口、JR長岡京駅西口の2カ所と柳谷観音を結ぶシャトルバス(片道300円)が約30分間隔で運行します。各駅前に立てられる柳谷観音ののぼりが乗降場所の目印です。
マイカーで向かう場合は、長岡京インターチェンジ(京都縦貫自動車道)を降り、そのままずんずん山のほうへ。10分ほどで道が開け、柳谷観音の看板や建物が見えてきます。道中は急カーブが多く道幅も大変狭いので、くれぐれも安全運転でお願いします!
■■INFORMATION■■
柳谷観音 楊谷寺
京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
075-956-0017
拝観時間:9:00〜17:00(16:30受付終了)
拝観料:500円 ※あじさいウィーク(6/1〜6/30)期間中は、700円(高校生以下、無料)、上書院・寺宝庫800円
★絶賛開催中!京都西山 竹の里・乙訓 青もみじとあじさいの御朱印めぐり
青もみじやあじさいの名所をめぐりながら、特別な御朱印をいただきに行きませんか? 京都西山 竹の里・乙訓エリアにある柳谷観音楊谷寺を含む複数の神社仏閣にて、期間限定の特別御朱印が授与されます。(一部除く)
期間:令和4年5月14日(土)~7月31日(日)
詳しくは、以下のURLをクリックください▼
http://otokuni-kyoto.sakura.ne.jp/wp/
★御朱印めぐりには、もうひとつの京都周遊パスが便利
竹の里・乙訓周遊パス:1日乗車券500円(大人・小児同額)
販売期間:2022年4月28日(木)~2023年3月20日(月)※売り切れ次第販売終了
詳しくは「もうひとつの京都周遊パス」で検索▼
https://www.pref.kyoto.jp/ktr/news/take-pass.html