落語もグルメも!下町の雰囲気漂う神戸新開地散策 Feel KOBE
三宮から電車で10分ほどのところにある新開地は、かつて「東の浅草、西の新開地」と呼ばれ、多くの人で賑わっていた西日本有数の歓楽街。全盛期だった大正から昭和初期にかけては24の劇場が立ち並んでいたそうです。
そんな新開地に2018年、上方落語の寄席「神戸新開地・喜楽館」が誕生しました。落語は江戸時代から始まり、庶民の娯楽として広く親しまれてきた興行の一つ。そんな落語とグルメを楽しみに、新開地へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
私鉄各線「新開地駅」から徒歩2分の新開地商店街を歩くと見えてくる、「神戸新開地・喜楽館」と描かれた大きなちょうちん。このちょうちんの左手側にある喜楽館では、毎日落語を中心とした演芸を楽しむことができます。
喜楽館の入り口
客席数は1階148席、2階62席、車椅子席2席の全212席。座席は青色と、港町神戸らしいシートになっています。
取材当日に開演前の一席を担当していた桂おとめさん
喜楽館のマネージャーを務める山本さんからは、「落語は、落語家が話術とジェスチャーでお客さんを楽しませるものです。話を聞いて、どんなシーンが頭の中に思い浮かぶかは、落語家やお客さんによって違うところも落語の魅力の一つ。落語を観たことがない方も、どうぞ気軽に遊びに来てください」とメッセージをいただきました。
公演は10時開演の「朝席」、14時開演の「昼席」、18時〜19時に開演する「夜席」の3部制。日によって公演時間は異なるので、公演時間や演目、出演者情報は公式サイトでチェックしましょう。
喜楽館情報
住所 神戸市兵庫区新開地2丁目4-13
アクセス 私鉄各線(神戸高速・阪神・阪急・山陽・神戸電鉄)「新開地駅」より徒歩2分、神戸市営地下鉄「湊川公園駅」・神戸電鉄「湊川駅」より徒歩5分
駐車場 なし
TEL 078-335-7088
料金 公演によって異なる
営業時間 11:00~14:00、18:00~22:00 ※夜営業は当面中止
定休日 なし ※最新情報は公式サイトでご確認ください
公式サイト https://kobe-kirakukan.jp/
落語を楽しんだあとは、喜楽館の向かい側のビル2階にある「グリル一平」へ。同店は神戸の人気豚まん店「一貫楼」を創業したオーナーが、「ここにしかないものを食べてもらいたい」との思いから1952年(昭和27年)にオープンした洋食店。新開地本店以外にも市内2カ所にお店を構えている、地元神戸でも人気のお店です。
新開地本店は阪神・淡路大震災でお店も被害を受け、閉店の危機に陥ったこともあったそうですが、それを支えたのが常連客の皆さん。なんと新しい店舗を作り、「ここでまた店やってよ!」と応援してくれたのだそう。
そんなグリル一平の人気メニューは、25センチというビッグサイズの頭付きエビフライ。神戸市内ではグリル一平にしか卸していないという天然えびは、中身がぎゅっと詰まっていて食べ応え十分!
そのほか、半個だけ使用した薄卵で包んだオムライスや、2ミリの麺を使用したスパゲティ、グリル一平秘伝のデミグラスソースをたっぷり使用したハンバーグも人気です。
グリル一平新開地店情報
住所 神戸市兵庫区新開地2-5-5リオ神戸2階
アクセス 神戸高速鉄道・神戸電鉄「新開地駅」より徒歩2分
駐車場 なし(周辺にコインパーキングあり)
TEL 078-575-2073
営業時間 11:00〜14:30、17:00〜20:00
定休日 不定休 ※最新情報は公式インスタグラムでご確認ください
公式インスタグラム https://www.instagram.com/grill_ippei_kobe/
続いて紹介するのは、グリル一平から徒歩1分のところにある「松岡珈琲店」です。同店は昭和50年に洋食店をオープンした先代オーナーが、1987年(昭和62年)に開いた自家焙煎の店。2代目オーナーが後を引き継いだ現在も、一杯一杯丁寧にドリップしたおいしいコーヒーをいただけます。
そんな松岡珈琲店の人気メニューは、ボリューミーな厚切り玉子が特徴の「玉子サンド」。パンはメニューを開発した当初から中央区・春日野道にある「一の宮ベーカリー」の食パンを使用しています。
ふわとろの玉子に、からしマヨネーズがアクセントになったサンドイッチは自家焙煎コーヒーとの相性も抜群。来店したら、ぜひ食べてみてほしいおすすめの一品です。
カウンター席から店主の料理風景を眺めるのも楽しい
サイフォンで淹れる自家焙煎のコーヒはブレンド、アメリカン、スペシャルブレンド、コロンビア・スプレモ、ブラジル・サントス、キリマンジャロ、モカの7種類を用意しています。
また、新たに加わった「シナモンホイップトースト」も人気のメニューに。9時から11時はモーニングメニューも提供しているので、喜楽館の朝席、昼席前に立ち寄ってみるのもおすすめです。
松岡珈琲店情報
住所 神戸市兵庫区新開地1-1-8
アクセス 神戸高速鉄道・神戸電鉄「新開地駅」より徒歩3分
TEL 078-577-6376
営業時間 9:00〜18:00
定休日 不定休、1月1日
公式サイト なし
新開地の街歩きを楽しんだ後は、「春陽軒」の豚まんをお土産に買って帰るのがおすすめ。大正14年創業の同店は、初代オーナーが日本人の好みに合わせた中華料理店としてオープンし、瞬く間に新開地の人気店へ。
その後、震災を経て閉店した時期もありましたが、「豚まんだけでもやって欲しい」という常連客の声から、1985年(昭和60年)に再オープン。コロナ禍の現在は、豚まんとシューマイのテイクアウトのみの営業ですが、今後の社会情勢によってイートインでの営業も再開する予定とのことです。
そんな春陽軒の人気メニューは、しょうゆや味噌だれで食べる豚まんです。皮は自然発酵をさせているので少し硬いのが特徴で、具の味付けは濃いめ。ピリ辛の味噌だれと一緒に食べればビールが進み、お酒のお供にもぴったりの一品です!
また、「中の具はほぼお肉」という肉肉しいシューマイも要チェック。シューマイは現地でしか購入できませんが、豚まんは公式サイトよりお取り寄せも可能。テレビや雑誌でもよく取り上げられる有名店の味を、ぜひご賞味あれ。
春陽軒情報
住所 神戸市兵庫区新開地2-7-5
アクセス 神戸電鉄「新開地駅」より徒歩5分
TEL 078-575-0078
営業時間 10:30〜(売り切れ次第終了)
定休日 日曜日、第3月曜日(祝日の場合は営業)
公式サイト https://www.syunyouken.com/
落語に純喫茶、老舗映画館、大衆演劇場と下町の雰囲気が味わえる新開地は、年配の方には懐かしく、若い方には新鮮に感じる場所かもしれません。
北野異人館街やメリケンパークなど異国情緒あふれる神戸の街並みも、もちろん素敵ですが、「ちょっと違った神戸に触れてみたい」と思うのなら新開地は、ぜひ訪れてみてほしいスポット。少し歩けば神戸の台所と呼ばれる「湊川市場」もあるので、周辺をあちこち探検してみるのも楽しいですよ。
【取材・文】中田ゆりな
神戸在住のフリーランスライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・編集を担当。企業インタビューや舞台撮影も手掛けている。これまで取材した神戸の観光スポットやホテル、店舗は200カ所以上。地元の魅力を発信したいという思いのもと、日頃から神戸の街歩きをしてネタ探しをするのが趣味。
神戸公式観光サイト Feel KOBE
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