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「お帰りになられます」もダメ!? ビジネスシーンでのNGフレーズ例文7つ

2019.01.08

社会人ならビジネスにおいてNGとなる表現や正しい敬語を知っておきたいもの。電話やメール、対面……その時々で使うべき言葉が分からず困った経験がある人もいるのでは?

相手との関係によって使いたいフレーズや最初にするべき挨拶が違う場合も。

そこで今回は、例文も交えながらビジネスシーンでのNG言葉遣いについてまとめます。ぜひ参考にしてくださいね。

 

NG1:初回のメールに「お世話になっております」という挨拶

“お世話になっております”はメール本文の書き出しに入る挨拶ですが、初回からこれを入れてしまうのはNGです。

会社同士で交流があったとしても、メールを送る側と送られる側の双方でやり取りがはじめての場合はきちんとした挨拶を入れることが大切です。

「お世話になっております、◯◯の山下です」という書き方だと「あれ、いつ会った人だろう?」と考えさせてしまうので、「はじめてご連絡差し上げます、◯◯の山下と申します」とするのが正解です。

「拝啓 貴社益々ご清栄のことと〜」というような手紙で使われる丁寧な言い回しはあまりにも長いので止めたほうが無難です。

 

NG2:取引先の人に資料を渡すとき「こちらが資料になります」

出典: Sergey Nivensr / shutterstock

「~なります」は、「生卵を茹でたらゆで卵になります」というように物が何かに変化する際や経過を説明するときなどに使います。資料は何にも変化することはありません。

よく耳にするレジでの「お会計は〇円になります」も同様にNG。「です」をより丁寧にした「ございます」を使いましょう。「こちらが資料でございます」が正解です。

 

NG3 :「○○様がお帰りになられます」という表現

出典: fotoinfot / shutterstock

これは、お客様が帰ることを上司に報告するときに使われやすい言葉です。

しかし、「お帰りなられる」は、尊敬語の種類のうち「お(ご)~になる」の形と「~れる、られる」の形が一緒になった二重敬語になってしまっています。“丁寧な言葉を話さなくては”と意識しすぎて、何を言いたいのかわかりにくい言葉遣いに。

敬語はシンプルに1つ。「○○様がお帰りになります」または「○○様が帰られます」が正解。丁寧でわかりやすい文章になりますね。

 

NG4:ビジネスシーンでよくある「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか」

お客様にコーヒーと紅茶どちらが良いか伺うとき、「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか」と聞くと、一見正しい言葉遣いに聞こえますが、実は間違った文章です。

まず、主語は誰かを考えましょう。“いたす”は“する”の謙譲語です。謙譲語は自分の事や動作について使う敬語なので、コーヒーか紅茶のどちらにするのか選ぶことができるのが自分であれば、“いたす”でOK。

しかし、この例文の場合は、選択の決定権は主語である相手にあります。謙譲語ではなく、尊敬語を使いましょう。“する”の尊敬語は“なさる”です。「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか」が正解です。

 

NG5:「存じ上げる」という敬語

普段会話の中で「○○について存じ上げております」と言ってはいませんか? これも場合によってはNGな言葉遣いになってしまう恐れがあります。

“上げる”という言葉遣いは持ち上げなくてはならない相手(人間)がいる際に使う敬語となり、それ以外で使ってしまうと、不可解な印象を与えてしまう恐れがあるのです。

「〜課の○○さんは知っていますか?」と目上の人に尋ねられた場合には「はい、存じ上げております」と返すのが正解でしょう。

しかし、「〜社の○○製品を知っていますか?」と尋ねられた際に、「存じ上げております」はおかしな言葉遣いになってしまいます。このようなシーンでは「存じております」が良いでしょう。

 

NG6:会社の来客対応で使いがちな「こちらにお座りになってください」

出典: Syda Productions / shutterstock

来客対応などで席に案内したとき「こちらにお座りになってください」などと言ってしまった経験はありませんか?

これは実はNGなのです。“お座りになる”は“座る”の尊敬語ですから、一見正しいように思ってしまいますが、“お座りになる”という言葉は「あちらにお座りになっている方が○○様です」というように使うのが正解です。

犬に対する「おすわり!」に通じてしまうので、依頼する場合には使いません。くれぐれもご用心を。

 

NG7:「とんでもございません」という言葉

残念ながら「とんでもございません」はNGです。お客様から「ありがとう」と感謝されて「とんでもございません」と返事をしている方は年齢問わず非常に多いでしょう。

“とんでもない”は“かたじけない”などと同様、その6文字でひとかたまりの言葉です。“ない”の部分だけ切り離して丁寧語に言い換えることはありません。

正解は「とんでもないです」なので覚えておきましょう。特に接客業の方は口癖にしてしまうといいかもしれませんね。

 

この記事であげた言葉を実際に使ってしまっていた人もいるのではないでしょうか。大人の社会人として覚えておきたいものばかり。ぜひ参考にしてくださいね。

【参考】
※ 「お世話になっております」はダメ?ビジネスメールで使いがちなNG敬語4つ
※ 「お久しぶりです」は失礼だった!? ビジネスシーンのNG言葉遣い5つ
※ 丁寧な言葉遣いのつもりが…実は間違い!? ビジネスシーンでのNG敬語4つ
※ 「とんでもございません」もダメ!? 意外とNGなビジネス敬語3つ
※ 『あたりまえだけどなかなかできない敬語のルール』(山岸弘子)/ 明日香出版社
※ 『きれいな敬語の使い方、話し方』(福田健)/ 主婦の友社
※ 『必携! ビジネスマナー』(阿部開道監修) / 西東社
※ 『大人のマナー常識』(トキオ・ナレッジ)/ 宝島社
※ 『仕事選びとビジネスマナー』(合谷美江)/ 中央経済社
※ 『大人のマナー 敬語の便利帳―意外なことばの落とし穴』(青春出版社)/ 知的生活研究所
※ 『できる女性のビジネスマナー』(西出博子監修)/ ナツメ社

【画像】
OPOLJA、Sergey Nivensr、fotoinfot、Syda Productions / shutterstock

※この記事は過去に『GATTA』に掲載された記事をまとめたものです。
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