「問題なければご用件を承ります」もダメ?やりがちNG言葉遣い4つ
上司に資料を見せながら「おわかりになりますでしょうか」と言ったら、急に上司が怒ってしまった……。この言葉遣い、何が間違っているのでしょうか?
気がつかないうちに、間違った言葉遣いをしていることも少なくありません。
そこで今回は、合っているようで間違っているビジネスシーンでよく登場する言葉遣いについてご紹介します。
NG1:「鈴木部長がよろしくとおっしゃっておりました」
まずは、“社外の人”へ上司からの言葉を伝えるようなシーンでの言葉遣い。つい上記のような言い回しをしていませんか?
この言葉遣いはNGなのですが、どこが間違っているのでしょうか?
ポイントは社外の人へ上司からの言伝を伝えるという点。“鈴木部長”という敬称ではなく“鈴木”です。正しい言葉遣いは「鈴木がよろしくと申しておりました」と丁重語を使った表現ですので気をつけましょう。
NG2:「おわかりになりますでしょうか」
こちらも似ているようで意味が違うビジネスワードの代表例。思い浮かぶビジネスシーンは“自社同士”の掛け合いでしょう。上司に書類を見せながら「おわかりになりますでしょうか」なんて言った日には大目玉をくらうことに……。敬語として間違っている、というわけではありませんが、敬意を払うべき上司が相手の場合はNG! ふさわしい言葉遣いは「こちらの内容でよろしいでしょうか」です。
“わかる”という言葉遣いは相手の能力を問うような表現になってしまうので、ふさわしくないでしょう。
NG3:「冷めないうちにいただいてください」
応接間でお客様へお茶を出すときに言いがちなのが上記の言葉遣い。なんとなく丁寧な気がしますが、どこが間違っているのでしょう?
似ていますが、正しくは「冷めないうちに召し上がってください」です。
ここでの“いただく”は謙譲語にあたり、相手の行動に対して使うのはNGです。尊敬語である“召し上がる”を使うようにしましょうね。
NG4:「問題なければ私がご用件を承ります」
電話応対などをしていると、つい言ってしまいがちなNG表現。クッション言葉をはさみ、相手にソフトな印象を与えようという気持ちは感じ取れますが、どこが間違っているのでしょうか?
ここでは“問題なければ”という表現がNGです。正しくは“差し支えなければ”。ただ単純に「私がご用件を承ります」と伝えるよりも、クッション言葉を使うことで、相手への配慮を示すことは大切なポイント。正しい言葉遣いで、より好印象に近づきましょう!
一見、間違っていないような言葉遣いばかりでしたが、相手がどんな存在か、どんな状況での会話かによって、使う表現は変わります。シーンごとにふさわしい言葉遣いを使用して、スムーズなコミュニケーションを心がけましょう。
【参考文献】
※ 『ビジネスマナーの基本講座 第一印象からビジネスは始まる!』(ANAラーニング監修) / 成美堂出版
【画像】
※ Antonio Guillem、LightField Studios、Dean Drobot / shutterstock