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「森の京都(亀岡・南丹)」でわざわざ足を運んで行きたいパン屋さん

2020.03.02

京都府内にある素敵なパン屋さんをご紹介する人気企画。今回は、森の京都エリアにある素敵なロケーションのパン屋さんを3店ご紹介。もちろんこだわりのパンも十分に楽しめる、わざわざ足を運ぶだけの価値があるお店ばかりです!

古民家で味わう自家製天然酵母を使った絶品パン!

薪窯パンふくくる@亀岡市

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1軒目のお店は、明智光秀ゆかりの亀岡市にある薪窯パンふくくるさん。京都縦貫道亀岡I.C.から車で約5分、「斎田石材店」の敷地を抜けた先にあるパン屋さんです。

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築90年の古民家を活かした店舗

周囲を山々に囲まれたのどかな田園地帯に佇むこちらのお店は、古民家の趣を活かしたどこか懐かしい空間。店内には、パン屋さんとしては珍しい座敷席のイートインスペースが設けられ、ほっこり気分で美味しいパンを味わえるんです。

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のんびりくつろいで過ごせるイートインスペース。季節に合わせて、奥さんが選んだ掛け軸などが飾られている

店主の山本さんご夫妻がお店を始めたのが、2015年7月のこと。元々パン作りに携わっていた奥さんがパン製造の中心を、ご主人が販売や店の運営などを行っているそうです。店を始める際にこだわったのが、レーズンや米こうじ、ご近所さんからいただいた季節の果物を原料とした自家製の天然酵母。そして、全国のパン屋さんを巡り研究を重ねた末に自作した薪窯です。この薪窯でパンを焼くことで、レンガから発する大量の遠赤外線の効果で生地内の水分を必要以上に失うことなく、外はパリッ、中はしっとりとした食感のパンができるとのこと。なんとなく「窯で焼いたパンは美味しそう」とは思っていたのですが、実はちゃんとした理由があったんですね。

看板メニューのカンパーニュ

夫婦共同の手作りのため、パンのラインナップは決して多くはありませんが、どれもこだわりが詰まったものばかり。なかでもレーズン酵母を使用したカンパーニュは、クラスト(表面の皮)はサクッと、そして中はしっとり、もっちりとした食感で、毎日食べても飽きない仕上がり。「あぁ、近くにこんなお店があったらなぁ…」と、思わず亀岡に住んでいないことを後悔してしまう程の美味しさです。

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カンパーニュフルーツナッツ900円(画像はハーフサイズ450円)

フルーツナッツは、レーズンやクランベリー、カシューナッツなどがギッシリ詰まった人気のパンです。

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カンパーニュ みそチーズ800円(画像はハーフサイズ400円)

地元亀岡の片山商店さんで創った田舎粒みそを生地に練り込んだカンパーニュ みそチーズもおすすめ。こちらは、軽くトーストすると香りが立ち、より深い味わいを楽しめます。

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クリームチーズ黒こしょうベーグル210円(画像手前)、クリームチーズオレンジベーグル230円

もう一つ人気のパンが、全部で10種類が揃うベーグル。こちらも、軽くトーストするだけで驚く程のカリッとした食感を楽しめるんです。中もすごくもっちりとしていてい、食べ応えも十分!弾力がありすぎるという方は、薄くスライスしてから食べるのがおすすめですよ。

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もろみチーズ食パン440円、レーズン食パン420円、うぐいす食パン440円

米こうじ酵母、なたね油を使った食パンは、チーズやハムをサンドするのにぴったりの少し小ぶりなサイズ。スタンダードなミニ食パン300円をはじめ、珍しいもろみみそを練り込んだ食パンも気になります。

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焼き立てのパンは古民家の玄関で販売されている

パンは対面式で販売しているので、美味しいパンの食べ方なども質問しやすいですね!京都市内からはもちろん、大阪方面からもアクセスしやすいロケーションのパン屋さん。営業日が、木・金・土の週3日のみなのでご注意ください!

■■INFORMATION■■
薪窯パンふくくる
TEL:0771-23-7560
住所:亀岡市曽我部町法貴茶屋下又7
営業時間:毎週木・金・土曜日の11:30~16:00
※例年8月はお休み、窯のメンテナンスなどで臨時休業することもあるので、webサイトなどを確認してから行くのがおすすめです。

地元の人やツーリング客に愛されるこだわりパン

ゾンネ・ウント・グリュック作野商店@南丹市日吉町

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JR京都駅から電車に揺られること約1時間。JR胡麻(ごま)駅というなんとも香ばしい名前の駅から徒歩10分の場所に、大きな白壁の建物が印象的なゾンネ・ウント・グリュック作野商店さんがあります。

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ドイツの木組みの赤い三角屋根の建物が目印です

東北や北陸、京都のホテルや小売店で腕を磨いた店主の作野さんが、奥さんの実家のあるこの地で店を開いたのが2007年のこと。平日は、焼き立てパンを求めて地元の人が訪れるのはもちろん、パンやドリンクを味わえるカフェスペースは、地域の人の憩いの場としても利用されています。また、週末には、遠方からわざわざ車で訪れるお客さんのほか、バイクや自転車のツーリング客が数多く立ち寄るスポットとして人気の同店。常連さんも多く、家族や友人を連れてきて自分が好きなパンをおすすめする光景も、ここでは珍しくないそうです。

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(画像左から時計回りに)白パンピーナッツ170円、クロワッサン160円、栗あんぱん180円

取材で訪れた火曜日は平日ということもあり、地元のお客さんに喜ばれる菓子パンを中心としたラインナップ。金曜日と日曜日には、ドイツパンの名店でキャリアをスタートした作野さんならではの自家製サワー種を使用したドイツパンもショーケースに並びます。また、予約が多い食パンは、火・金・日曜日は自家製酵母の酒種食パン、土曜日には地元のお米を使った玄米食パン、月曜日には風味豊かな全粒粉食パン、と曜日によって焼き上げる種類を変えているのだとか。訪れる度に新しいパンに出会えるのも、この店ならではの魅力ですね。

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窓の向こうに田園ならではの景色を楽しめるカフェスペース

自宅用にパンを持ち帰るのもいいのですが、異国情緒に満ちたカフェスペースでのんびり過ごしてみるのはいかがでしょうか。読書が好きな作野さんがセレクトした本を手に取ってみたり、窓の外に広がるのどかな景色を眺めながらスロウな時間を過ごしたり…。季節限定でテラス席も利用できるので、小鳥のさえずりを聞きながら美味しいパンを食べるなんて童話の世界のようなこともできちゃうかも!また寒い冬にも関わらずバイクや自転車に乗ってわざわざ訪れたお客さんのために提供したのがきっかけという、店主自慢のスープやグラタンもおすすめ(秋冬限定)。パンとの相性もバッチリな、身も心も温まるメニューです。

■■INFORMATION■■
ゾンネ・ウント・グリュック 作野商店
TEL:0771-74-0194
住所:南丹市日吉町胡麻中野辺谷2
営業時間:8:00~18:00(商品完売の際は、予定を繰り上げて終了する場合あり)、カフェ営業時間は8:00~17:00(LO16:30)
定休日:水・木曜(年末年始及び冬期・夏期その他不定休あり)
駐車場:あり

パン屋さんなのに米作り!?自然豊かな山里で味わうモチモチ米粉パン

吉之丞@南丹市美山町

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日本の原風景が残る山里として、これまでKYOTOSIDEでも度々登場してきた南丹市美山町。多くの観光客が訪れるかやぶきの里集落内にある吉之丞さんでは、無農薬の米粉を使ったパンを、土曜・日曜と祝日限定で販売しています。

店主の中野吉之丞さんがこちらのお店を始めたのが2008年のこと。それまでパンとは縁のない仕事に就いていたそうなのですが、40歳を機に一念発起して美山に移住。パン屋さんを開いた1年後には、除草剤などの農薬を一切使わない自然栽培の米作りにも挑戦し始めました。

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土作りから田植え、収穫までの全てを中野さんとパートナーの二人で行う

ところが初年度は、一般的な米農家さんのわずか1/10程度の収穫量に留まり、米作りの難しさを実感。と同時に、今まで食べていたお米とは明らかに違う美味しさに感動し、味への自信も深めたそうです。その後は収穫量も徐々に増え、米作り4年目の2012年からは、念願だった自作の無農薬米粉でパンを焼くことができるように。米作りのスタートと同時に作り始めたさつまいもやカボチャ、タマネギ、万願寺唐辛子などの無農薬野菜をパンの具材に用いて販売するようになったそうです。

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昨年9月のある日の店頭には、さつまいもやカボチャ、山椒チーズなど、18種類の米粉パンが並んだ

季節やその年の作物の出来具合によって並ぶパンの種類は異なりますが、旬の野菜を使った米粉パンは、美山を訪れた観光客はもちろん、わざわざ遠方から足を運んで買うお客さんもいるほど。驚くほどのモチモチとした食感は、一度食べたらやみつきになっちゃいます!売り切れ次第で閉店となるため、早めに訪れる方がよいかもしれません。

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またパンは店頭でしか買えませんが、無農薬の米粉のほか、昨年からは中野さんが作ったお米をネットで買うことができます。どんな味か気になる人は、吉之丞さんのHPも一度チェックしてください!

■■INFORMATION■■
吉之丞
TEL:090-7554-0808
住所:京都府南丹市美山町北宮ノ本3-2(かやぶきの里集落内・八幡神社の下)
営業時間:主に土・日曜、祝日の10時半頃~売り切れまで(不定休あり)

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