なんでわかってくれないの!臨床心理士が教える「難しい上司」との付き合い方
「失敗に厳しい」「ちょっとしたことで怒る」「何を考えているのか分からない」のような、コミュニケーションを取るのが難しい上司がいて大変……と悩んでいる方は少なくないはず。
そこで今回は臨床心理士の南舞さんが、難しい上司との上手な付き合い方を教えてくれました。“難しい上司”といっても、そのタイプはさまざまでタイプによって対応方法が変わってきます。
難しい上司と付き合っていくには?
1:失敗を罵倒する上司
難しい上司の中には、些細なミスであっても必要以上に罵倒したり暴言を吐いたりする人っていますよね。その内側には実はコンプレックスが隠れている可能性があります。
自分に自信がなかったり、自分自身も上司に怒られ傷ついた経験があったり、と自分の中の欠点をあなたに映し出すことで自分の精神の安定を図っているのかもしれません。
上司の怒り方によっても本当にあなたのことを思っているのか、あるいはただ自分のコンプレックスをぶつけているだけなのかが分かると言われています。その境目としては、“他の人がいるかいないか”、“同じ目線か”を基準にみてみましょう。
本当に部下のことを思っている場合、怒る場所や怒り方を気にしますよね。もし上から目線かつ人前で怒られるようなことがあるとしたら、自分のストレスを部下で解消しているだけかもしれません。
対処法としては、ほかの上司や同僚など信頼できる人に相談することであったり、“罵倒や暴言は自分の自信のなさを隠すためのパフォーマンス”と理解したりすることで、受け止め方が変わってきますよ。
2:手柄を独り占めする上司
せっかく自分がやったことも上司に手柄を独り占めされたら、たまったものじゃないですよね。そんな上司の心の内側は、さらに上の自分の上司に自分のすばらしさをアピールしなければいけないという“権威主義”と、いつか部下に自分の地位を奪われてしまうのではないかという“恐怖”があるかもしれません。
対処法としては、上司の心の背景を知り、まともに取り合おうとしないことであったり、最低限の関わりを持つ程度に留めたりすること。こういった上司は周囲に取りまとうことが上手なので、真っ向から反抗するとあなたが仕打ちを受けることになってしまいかねないので逆効果です……!
3:言っていることが矛盾している上司
「何でAをしないんだ」と怒っていたかと思えば、「いやいや、Bって言ったでしょう。」など言っていることが違っていて、何をしても怒ってくる上司はいませんか?
これは心理学的に『ダブルバインド(二重拘束)』という理論で説明できます。2つの矛盾した命令をすることで、相手に精神的なストレスを与えるコミュニケーションのことで、モラルハラスメント、パワーハラスメントを引き起こしやすいと言われています。この背景には、上司自身の余裕のなさが挙げられます。
このタイプの上司への対処法は、まずは周囲を観察することで、うまくかわしている人を見つけ、その方法を真似してみるといいでしょう。どうしても難しい場合は相手を変えようとせずに、部署移動や転職をして環境を変えるのも一つです。
3つのタイプに共通するのは、自分への自信や余裕のなさ、そのことによる不安や恐怖です。難しいと感じる上司であればあるほど、その人自身の問題が背景にあるかもしれませんね。