「存じております」と「存じ上げております」どっちが正解?NG敬語クイズ6選
敬語には、それぞれの固有の言い換えや表現や用法があります。
間違いやすいのが尊敬語と謙譲語の使い分けです。あなたは、うまく使い分けができますか?
そこで、今回はマナー講師である桜美月さんに、間違いがちな言葉遣いを紹介してもらいました。
これから紹介する文章に1つだけ正解があります。どれが正解でどれが間違っているのかをクイズ形式で確認していきましょう!
取引先やお客様への「言葉遣い」どれが正解?
■question1
(1)「田中さんのことはよく存じております」
(2)「田中さんのことはよく知っております」
(3)「田中さんのことはよく存じ上げております」
⇒正解は(3)
「存じ上げる」は、「知る」「思う」の謙譲語です。
(1)を選びがちですが、「存じる」は、物や場所に使います。
人に対しては「存じ上げる」を使い 「存じる」より「存じ上げる」のほうが丁寧な表現になります。
■question2
(1)「お名前様をいただけますか」
(2) 「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
(3) 「お名前を聞かせてもらえますか」
⇒正解は(2)
「名前」という単語には「様」はつけません。「聞く・尋ねる」の謙譲語は、「伺う」です。
■question3
(1)「どうぞ召し上がってください」
(2)「どうぞいただいてください」
(3)「どうぞお召し上がりになられてください」
⇒正解(1)
(2)「いただく」は食べるの謙譲語で、相手に対して使うのは間違いです。
(3)「召し上がる」に「られる」を使うと二重敬語です。
上司に対しての「言葉遣い」どれが正解?
■question4
(1)「〇〇社の山本様が参られています」
(2)「〇〇社の山本様がいらっしゃっています」
(3)「〇〇社の山本様がいらっしゃられています」
⇒正解(2)
「参る」は謙譲語で、社外の人には尊敬語の「いらっしゃる」「お越しになる」「お見えになる」を使います。
■question5
(1)「明日来るそうです」
(2)「明日お見えになられるそうです」
(3)「明日お見えになるそうです」
正解⇒(3)
「来る」の尊敬語は「お見えになる」であり、(4)(5)は二重敬語です。
■question6
(1)「昨日、〇〇社の山田部長に会いました」
(2)「昨日、〇〇社の山田部長にお目にかかりました」
(3)「昨日、〇〇社の山田部長様にお会いしました」
正解⇒(2)
「会う」の謙譲語は「お会いする」「お目にかかる」です。
(3)は、役職に「様」をつけると二重敬語になり間違いです。
敬語のルールを押さえて正しく、そして美しく敬語を使いこなせるようになるとあなたの仕事力アップするはず。
間違ったところは声に出して読み上げると、よりはやくマスターできますよ。
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