アナタ次第!子どもの心が「育つ・潰す」言葉のテクニックとは?
“言霊(ことだま)”という言葉があります。
言葉に霊的な力が宿るかどうかは定かではなくても、少なくとも親がわが子に対して語りかける日々の言葉によって、子どもの心は荒んだり、満たされたり変化するのではないでしょうか。
『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者であり教育専門家の立石美津子さんに、 “子どもの耳に入れたい言葉、入れたくない言葉”についてお話しいただきます。
ママなら悩むはず「なんでこんなヒドイこと、言っちゃったんだろう…」
(1)挑戦意欲をつぶす言葉
「ほら、言わんこっちゃない。ママの言う通りしていれば間違いないの!」
「どうせ、出来ないんだから止めときなさい!」
子ども自身、何かにチャレンジしようとして結果うまくいかなかったとき、こんな言葉をママからかけられたら自信を失くすはずです。そして次への挑戦意欲もなくなるでしょう。
ママがそのような言葉を子どもに日々かけていたら、言霊となって実際に望んでいない方向に向いてしまう可能性も大きくなると筆者は考えます。
子どもの口から口癖のように「どうせ、あたしなんか~」「どうせ僕なんか~」という言葉が出始めたら、ママ自身の口から出る言葉に気を付けた方がよいかもしれません。
(2)二重に脅す言葉
公園でいつまでも帰ろうとしない子ども対して、つい言ってしまうこんな言葉。
「いつまでも遊んでいるんだったら勝手にしなさい! ママ先に帰るよ。バイバイ!」
これで子どもが「は~い! 勝手にします~。お母さんは先に帰って下さい」と言ったら、「いい加減にしなさい!」と腕をつかんで連れ帰るでしょう。
「勝手にしていい」と指示を出しながら、それに従わなければまた叱られるという二重拘束(=ダブルバインド)です。
親はこの脅し言葉を使えば、子どもが従わざるを得ないことをわかっていて使います。
さらに、親の真似して友達に対して「貸してくれないなら、もう2度と遊んでやらないからな」なんて言ってしまうこともあります。
(3)なんでもかんでも「やばい」
子どもの前でご飯を食べて美味しいときも、まずいときも「やばい」、子犬を見て可愛いと感じたときも、嫌な思いをしたときも、「やばい」と親が言っていると、子どもの語彙は貧弱になっていきます。美しい日本語を子どもに教えたいならば、まずは親が見本を示しましょう。
ママがイライラしたとき、つい言いがちな言葉の「変換方法」3つ
(1)失敗したとき
失敗した結果を咎めるのではなく、結果はどうであれ努力していた姿勢や過程を認める言葉をかけましょう。例えば「うまくいかなかったけれども、頑張っていたね」などの励ましの言葉です。次への挑戦意欲が湧く言葉を使ってみましょう。
(2)親の言うことに従わないとき
子どもが従わざるを得ない脅し文句を言うのではなく、シンプルに「夕飯の時刻が遅くなっちゃうから、もう帰るよ」「帰りにスーパーに寄るから、遊ぶのをもうそろそろおしまいにして」と事実を伝えましょう。
(3)言葉を「表現豊か」に!
「この御飯やばい!」ではなく、「このご飯は、美味しいね。お米がふっくらしてるね」などと子どもが表現豊かになるような言葉を使いましょう。
いかがでしたか。
普段子どもにかける言葉を意識していきましょうね。
(2017年7月7日の記事を再編集・公開しています)
【参考・画像】
※ 〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』(Amazon)
※ Yuliya Evstratenko / Shutterstock