お小遣いの設定額は?共働き夫婦が「別財布のまま貯める」3つのコツ
七五三やクリスマス、忘年会など年末にかけてお金が出ていくイベントが目白押しです。“お小遣い制”にしているご夫婦は、財布がさみしくなってくるのが早くなりそう……。
ところで、やはり気になるのが“隣の芝生”。みなさんは、お小遣いを毎月どれくらいもらっているのでしょうか? また、どのように家計をやりくりしているのでしょう?
そこで今回はファイナンシャルプランナーの海老原さんに、共働き夫婦が「別財布のまま貯めるコツ」をお伝えいただきます。
サラリーマンのお小遣いは毎月「3万7千円」!?
ある金融機関が2017年4月に行った調査(※)で、次のようなデータがありました。
男性会社員のお小遣い額は37,428円(前年比445円の減少)と、1979年の調査開始以来、過去2番目に低い金額(最低額は1982年の34,100円)。
筆者の家計相談でご夫婦のお小遣い額を教えていただくことが多いのですが、月々3万円~5万円ぐらいです。
体感値ではありますが、上の調査とほぼ同水準と思われます。
ただ、お小遣いで何を買うのか、その適用範囲(?)はご家庭によって異なります。
たとえば、昼食代を含んだお小遣いという設定もありますし、歓送迎会などは別に請求してもいいよ~といったお話もよくうかがいます。
どのあたりが“適正金額”かは、ファイナンシャルプランナーである筆者も判断し難く、ほかの家計支出との兼ね合いも重要だと考えています。
別財布家計にありがち…!「世帯の資産読み違え」に要注意
共働き夫婦によく見られる“別財布家計”では、夫と妻、それぞれが自由になる口座を持っているため、お小遣い制が“有名無実化”されている世帯も少なくないと感じています。
読者のみなさんも、「今月はお小遣いが足りなくなったから、プライベート口座からお金を引き出そう」というとき、ありませんか? 引き出しが毎月のようにある人は要注意です!
プライベート口座からの引き出しを含めた実質的なお小遣い支出の金額が膨らむと、当然ですが、世帯の預金残高は減ります。
さらに怖いことに、お小遣い制を名目上とっているものですから、それ以外の収入については、夫婦が互いに「ちゃんと貯めているよね」と思い込みがちに……。
大事な虎の子である世帯の資産を読み違えたまま、何年も経過してしまう危険性が大きいのです。
お小遣いを「何に」「いくら」使っているのか? パートナーにきちんと告白しなさい……とは言いませんが、せめて年に数回は、世帯の金融資産残高がトータル何万円になるか? 前の年に比べて残高が増えているか、減っているか?
これくらいは夫婦間で共有しておくことをオススメします。
まずは、プライベート口座の記帳から。記帳せず放っておくとすぐに“おまとめ”されてしまいます。今のうちに預金残高の確認をお忘れなく!
共働き夫婦が「別財布のまま貯める」3つのコツは?
これは筆者に限らないと思いますが、お金を貯める家計になる近道は、世帯のお財布をひとつ、一ヶ所で管理することです。
とは言え、長い間夫婦別財布でやりくりしてきたご家庭にとっては相当ストレスがたまる変化だと思われます。
ふたりの合意が必要なので、パートナーを説得する理由も必要です。いたずらに家計の一元管理を言い出して、夫婦互いのお金の使い方に不満を募らせるだけに終わり、何も変わらなかったという最悪の結果になることも残念ながら考えられます。
そこで提案ですが、急にひとつの財布に変えるのではなく、まず貯める部分に着目した家計やりくりを話し合ってみてはいかがでしょう?
例えば、
(1)住宅購入や子どもの教育費のために貯めたい金額がある場合
それぞれ貯蓄用口座を作り、夫婦の収入に応じて給与口座から資金移動し、プライベート口座は現状維持を目指す。
(2)資金移動が面倒な場合
夫婦それぞれで財形貯蓄をはじめて“先取り貯蓄”をして、それ以外はこれまで通りに暮らす。ただ預金残高をこれ以上減らさないよう心がける。
(3)毎月の家計収支がとんとんで、新たな先取り貯蓄が厳しそうな場合
半年ごとに夫婦のボーナスのうち一定割合を貯蓄用口座に預け替え、半年での貯蓄目標は死守する。
このような方法を試してみてはいかがでしょうか。
大切なのは、“貯められない家計”から一日でも早く抜け出して“貯められる家計”になることです。貯められたという達成感が、その後の家計管理のモチベーションアップにもつながります。
夫婦別財布であっても、家計のことは夫婦ともに考え乗り越えていく。そのやり方はいろいろあります。
秋の夜長に、ふたりでじっくり話しあってみてくださいね。
(2017年10月31日の記事を再編集・公開しています)
【参考】
※ 「2017年サラリーマンのお小遣い調査」結果について – 新生銀行
※ PhotoMediaGroup、Syda Productions / Shutterstock