「いい子」が抱える問題とは?気をつけてあげたい対応4つ
ママの表情や、周りの雰囲気を敏感に感じ取り、さっと適切な行動をとる「いい子」。
たまに「言うこと聞かないな」と思っても、少し怖い顔をして語気を強めたりとするなら、スグに言うとおりに動いてくれます。
周りのママ友からも、「育てやすそうな子でいいわね~」と言われることもあるかもしれません。
この記事では、『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』の著者長岡真意子さんに、こうした「いい子」について気をつけてあげたい対応をお話しいただきます。
過度の「いい子」が抱える問題とは?
「いい子」には、周りの人の思いや気持ちを、まるで自分のことかのように感じられる共感力の高い子が多いと思います。
そして、周りの人々が望むことを満たしてあげようと一生懸命になる優しいところがあります。
それでも、自分の気持ちを抑え、周りに合わせることが過度になるならば、その子はやがて、次のような問題を抱えてしまうかもしれません。
・自分の思いや「したいこと」を主張できない
・強く自己主張をする子や人に振り回される
・のびのびと本音で他者と繋がることが難しい
・指示を待つ、もしくは指示がないと不安
・決断ができない
・自分が何をしたいのか分からない
・ストレスをため込む
これでは、年を経るにつれ、生きづらくなってしまいます。
「いい子」が、その思いやり溢れる優しさを大切に、生き生きと自分らしく力を発揮できるサポートをしてあげたいですね。
「いい子」へしてあげたい対応4つ
1.「みているよ」と伝える
普段、「いい子」の振る舞いは、つい「当たり前」として見過ごされてしまいがちです。
それでも「静かに遊んでくれてありがとうね」「玩具シェアしてあげてお友達喜んでいたね。優しいね」と、なるべく声をかけてあげるようにしましょう。
「あ、ママちゃんとみてくれてるんだなあ」と感じられることで気持ちが満たされ、認められることで自信に繋がります。
また幼稚園や保育園の送迎時や寝る前など、「大好きよ」と伝えたり、抱きしめるなどのスキンシップを日課にするのもいいでしょう。
2.思いや気持ちを表わすのを励ます
普段から「あなたはどう思う?」と聞いてみましょう。
思いがまとまりにくいようでしたら、「いいと思う?それとも違うと思う?」と選択肢を示してあげるのも方法です。
お友達との玩具の貸し借りも、「あなたが遊びたいなら『待ってね』って言うといいよ」と教えてあげましょう。
3.決定権を持たせる
夕飯の献立、テレビのチャンネル、読み聞かせの本など、その子が好きなように決められる機会を作ってあげましょう。
4.定期的に一対一で過ごす時を持つ
「いい子」は、兄弟姉妹により手がかかる子がいたり、ママが忙しくしているときなど、大変そうなママを少しでも楽にしてあげたいと、自分の気持ちをより抑えがちになるものです。
そうしてママも、ついつい「いい子」へ関心を向けることがどんどん後回しになることもあるでしょう。
ですから、定期的に一対一で向き合う時間をカレンダーに記しておきましょう。
手をつないで近所を散歩したり、カフェにお出かけしてもいいです。
その子の気持ちに寄り添い、言葉に耳を澄ませ、100%向き合う時を作ってあげましょう。
筆者には5人の子どもがいますが、その中にも、個性あふれる兄弟姉妹に囲まれ、いつも自分より他の子の望みを満たしてあげようとする子がいます。
こういう子が、ちょっとでも気持ちを吐露するときというのは、皆で飛びついて聞いてあげるぐらいがちょうどいいかなと感じています。
自分より周りを優先しがちな「いい子」が、自分を大切に、のびのびと力を発揮できるサポートをしてあげたいですね。
【参考・画像】
※ 長岡真意子(2019)『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』- 秀和システム
※ Helen Sushitskaya、fizkes / Shutterstock