ワンオペ育児はツライ…現代ママが「幸福を感じられない」ワケとは?
自分の母親世代やそれより上の世代の女性に“「私たちの頃は〇〇だったわよ」攻撃”をされたことはありませんか?
「抱き癖がつくんじゃない?」「白湯は飲ませないの?」から始まり、「私たちの頃は1人で子育てするのが当たり前だった」「何がイクメンだ」「ベビーカーなんて使わなかった」「スマホなんてもってのほか!」エトセトラ、エトセトラ……。
“女の敵は女”とはよく言ったもので、子育てをしていると子育て経験者の先輩方からのキビシ〜お言葉や冷たい視線を感じることがあります。
今回は上の世代が感じる現代ママへの不満と、昔と今の育児の違いについて笹原さんにお話しいただきます。
便利にはなったけれど「幸福にはなっていない」現代ママ
筆者の義母は、田舎の本家の長男に嫁いだこともあり、舅(しゅうと)や姑との関係がかなり大変だったそうです。
義実家の2階で同居し、里帰りもできず、子どもを産んですぐから畑仕事や家事をさせられたとか……。
1歳半差で2人の男の子を産んだので、いつもどちらかをおんぶし、どちらかを放置して働いていたけれど、親戚や近所の誰かが面倒を見てくれていたから、勝手に育ってくれたと笑っていました。
それに比べ現代は、夫も家事や育児をするのが当たり前の上、実家に頼る人も多く、便利な育児グッズやスマホなどを使いまくる。
そしてリフレッシュに友人とランチに行くために子どもを夫に任せたり、一児保育を利用したり……。
大変な時代を生きてきた先輩方が、現代ママに対して「ラクしてるわね〜!」と顔をしかめるのも少しだけわかる気がします。
にも関わらず、現代ママは言いようのない不安や閉塞感や孤独感に襲われています。ワンオペ育児、孤育て、虐待……。
昔に比べるとはるかに便利で恵まれた環境のはずなのに、昔よりママたちの幸福度が高いとは思えませんよね。
便利な世の中が「現代ママの子育て」を窮屈にしている
筆者の個人的な見解ですが、昔の方が全てにおいて“おおらか”だったのではないでしょうか?
人前でもおっぱいを堂々と出して授乳し、たくさんの兄弟や親戚の子どもに囲まれてワイワイ育つ。子育て中のお母さん自身も、それを見守る周囲や社会の視線も、おおらかだったと思うのです。
現代は育児の悩みをなんでもネットで調べられる便利さはあるものの、同時にマイナスな話題を目にしてしまうことも多いように思います。
ベビーカー論争、子どもにスマホを使わせることへの疑問、子どもの泣き声は騒音か否か、過剰な母乳信仰……。
さらにSNSでオシャレなママのキラキラした育児を見せつけられて、自分と比べて落ち込んだり。
あれはダメこれはダメ、あれをしなきゃこれをしなきゃ、と周囲の視線やネットの情報を気にしすぎて、神経質になり、追い詰められている人が多いように思います。
甘ったれ上等、利用できるものは賢く利用し、肩の力を抜いてママ自信の情報ストレスを少しばかり抜いてみてはいかがでしょうか。
上の世代の女性たちによる“「私たちの頃は〇〇だったわよ」攻撃”も、スマホの中の意見も、鵜呑みにせず、役に立つ情報があればラッキーぐらいの気持ちで、うまく右から左に流せるようになると良いのかもしれません。
どの情報を取捨選択するかはママ自身であり、育児を楽しみたいという気持ちにあった選択ができればいいですね。
(2017年06月29日の記事を再編集・公開しています)
【画像】
※ Tercer Ojo Photography , antoniodiaz / Shutterstock